弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を取消す。
     控訴人の本訴を却下する。
     訴訟費用は第一、二審とも控訴人の負担とする。
         事    実
 控訴代理人は、原判決を取消す。「被控訴人は昭和三〇年三月三〇日附横調産第
一〇七七号を以て横浜調達局長より被控訴人に対し申請のあつた土地使用裁決申請
事件について審理裁決をする権限を有しないことを確認する。訴訟費用は第一、二
審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は控訴棄却の判決
を求めた。
 当事者双方の事実上の主張は、原判決の事実摘示と同一であるから、これを引用
する。
         理    由
 控訴人は、横浜市所有の同市a区bc番土地七六坪外一二筆の本件土地を無償で
借り受け耕作している農民であり、被控訴人は土地収用法に基く権限を行うため、
同法第六章第一節の規定に基いて設置された収用委員会であるところ、昭和三〇年
二月一一日訴外横浜調達局長は、「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約
第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法第五条」に
基いて、本件土地を駐留軍の用に供するために使用することについて、内閣総理大
臣の認定を受けた上、同月一四日控訴人の土地細目の通知をし、更に同年三月三〇
日被控訴人収用委員会に対し、本件土地使用の裁決を申請したこと、及び被控訴人
収用委員会は、右申請に基いて、同年五月七日審理を開始し、同年七月一二日公開
審理を終結したことは、当事者間に争がない。
 控訴人は、横浜調達局長の右裁決申請について被控訴人にはこれが審理裁決の権
限がないものであると主張し、その確認を求めるため本訴に及んだものであるが、
当裁判所は職権をもつて、右のような訴について果して被控訴人のような行政庁が
被告となることができるかどうかを考えてみる。
 控訴人が被控訴人を被告として、本訴を提起したのは、行政事件訴訟特例法によ
るものであることは、弁論の全趣旨からみて明らかであり、右特例法第三条におい
ては、行政庁を被告として訴を提起すべき場合のあることを規定している。元来行
政庁は国または公共団体の機関に過ぎず、権利能力を有するものではないから、原
則として訴訟当事者たるの能力を有しないのであるが、行政庁の処分の効力が訴訟
の対象となつている場合には、その処分をした行政庁に形式的当事者能力を認め、
訴訟上の攻撃防禦の方法を尽くさせることが、裁判の迅速と適正とを期する上にお
いて便宜であるため、右特例法第三条において、同法第二条に定める行政庁の違法
な処分の取消または変更を求める訴訟に限つて、行政庁を被告とすることを認めた
のである。従つて、同法第二条に定める訴訟以外の訴訟においては、行政庁は訴訟
当事者たるの能力を有しないものというべくただ行政庁の処分の取消または変更を
直接に求めないで、その処分の効力自体を争う趣旨において、行政処分の無効確認
を求める訴訟については、右特例法第三条の立法趣旨から推して同条を類推適用す
るを相当とするも、右特例法第一条にいわゆる公法上の権利関係に関する訴訟のす
べてについてまで、右特例法第三条を類推適用<要旨>または準用すべきものでない
と解するを相当とする。しかるに、本訴における控訴人の前記請求の趣旨は、行 要旨>政庁たる被控訴人神奈川県収用委員会の処分そのものの効力を争うものではな
く、その前提として収用委員会の権限を争うものであるから、控訴人の本訴請求に
ついては、右特例法第三条の規定を類推適用または準用することができないし、他
に本訴のような訴訟について被控訴人のような行政庁を被告とすることができる旨
を定めた規定は存しない。結局被控訴人神奈川県収用委員会は、本訴においては訴
訟当事者たるの能力を有しないものであるから、同委員会に対する本訴は不適法と
してこれを却下すべきものといわなければならない。
 従つて右と趣旨を異にする原判決はこれを取消すべく、訴訟費用の負担につき行
政事件訴訟特例法第一条、民事訴訟法第九六条、第八九条を適用し主文のとおり判
決する。
 (裁判長判事 角村克己 判事 菊池庚子三 判事 吉田豊)

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