弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を取消す。
     被控訴人らは各自控訴人に対し金二三万七、二二〇円およびこれに対す
る昭和三六年九月二五日から完済に至るまで、年五分の割合いによる金員を支払
え。
     控訴人その余の請求を棄却する。
     訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。
         事    実
 控訴代理人は「原判決を取消す。被控訴人らは各自控訴人に対し金二三万七、五
五八円およびこれに対する昭和三六年九月二五日以降完済に至るまで、年五分の割
合いによる金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」
との判決を求め、被控訴人ら代理人は「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の
負担とする。」との判決を求めた。
 当事者双方の事実上・法律上の主張および証拠関係は、証拠として、控訴代理人
において、甲第九号証を提出し、当審における証人A、同Bの各証言、同控訴人本
人尋問の結果を援用し、被控訴人ら代理人において、当審における証人C同Dの各
証言、同被控訴人E、同被控訴人F各本人尋問の結果を援用し、甲第九号証の成立
を認めたほかは、原判決の当該摘示と同一であるからこれを引用する。
         理    由
 被控訴人Eが、昭和三五年七月二三日控訴人に対し、原判決添付別紙目録記載の
宅地建物を代金一四五万円て売渡し、同年八月三日その旨所有権移転登記手続をな
したことは当事者間に争いがなく、控訴人が右代金を支払つたことは、被控訴人ら
において明らかに争つていないので、これを自白したものと認むべきである。
 しかして、原審証人Gの証言によつて成立を証めうる甲第五号証、成立に争いの
ない甲第六号証、同第七号証ならびに右G証人の証言および控訴人本人尋問の結果
(原審ならびに当審)を綜合すれば、控訴人が買受けた宅地中、長崎市a町b番地
のc宅地八六坪五合(当時の登記簿上の表示)は、実測の結果六八坪六合八勺しか
なく、差引き一七坪八合二勺が不足することが認められ(控訴人は、このことを昭
和三五年九月二五日知つた。他に右認定を左右するに足る確証はない。
 そこで、本件売買が「数量を指示した」売買に当るか否かの争点について按ずる
に、前顕甲第六号証、控訴人本人尋問の結果(原審ならびに当審)、被控訴人F本
人尋問の結果(当審)の一部に弁論の全趣旨を綜合すれば、本件売買は、原判決添
付別紙目録記載の宅地建物を一括して締結されたものであるが、しかし長崎市a町
b番のc宅地八六坪五合、同番地のd宅地七坪四合というのは、単に宅地を特定
し、その同一性を示すために、登記簿上の地番、坪数をそのまま挙げたというにと
どまらず、買主たる控訴人においては、もちろん、そのとおりの実測面積があるも
のと信じ、また、売主たる被控訴人ら側においても、売買の目的物たる本件宅地の
実測面積は、登記簿表示の坪数より少なくないことを認め、当事者双方ともこれを
基礎として代金額を定め<要旨>たものであることを認めることができるのである。
しかして、宅地の売買代金が、坪当りの単価を明示し、これに坪数を乗じて
算出する方法によつて決定されたものではなかつたとしても、買主が一定の数量が
あるものと信じたにとどまらず、売主も、また、一定の数量あることを認め、当事
者双方がこれを前提とし、その基礎の上に立つて代金額を定めたような場合には、
「数量を指示した」売買に当るものと解するを相当とすべく、したがつて、実面積
が協定面積に不足するときは、代金額は実面積に基づいて減額せらるべきことは当
然であり、本件売買代金が地上建物と一括して協定せられたということは、必ずし
も右認定の妨げとはならないものというべきである。この点について被控訴人らは
本件売買は、当事者が実地そのものに着目し、坪数の如何にかかわらず宅地建物を
一括して代金一四五万円と定めてなしたものであり「数量を指示した」売買ではな
い旨抗争するけれども、これに添う被控訴人F(原審ならびに当審)および被控訴
人E(当審)各本人尋問の結果は、いずれも前顕各証拠と対比してにわかに措信し
がたく、原審における検証の結果によるも前記認定を動かすに足りず、他にこれを
左右すべき確証はない。
 よつて、減額せらるべき代金額について按ずるに、控訴人本人尋問の結果(原審
ならびに当番)によれば、本件売買代金は、本件建物が金二〇万円、本件宅地が金
一二五万円の割合いであつたことが認められるから、その額は、坪当りの単価金一
万三、三一二円(円未満四捨五入)に不足坪数一七・八二を乘じた金二三万七、二
二〇円(円未満四捨五入)と認めるのが相当である。
 しかして、本件売買に当り被控訴人Fが売主たる被控訴人Eの買主たる控訴人に
対する債務につき保証をしたことは、弁論の全趣旨に徴してこれを認めうるので、
結局、被控訴人らは各自控訴人に対し前記二三万七、二二〇円およびこれに対する
本件訴状送達の翌日であること記録上明白な昭和三六年九月二五日より支払いずみ
に至るまで、年五分の割合による民事損害金の各支払い義務を免れないというべき
である。
 しかるときは、本訴請求は以上認定の限度においては理由があるからこれを認容
し、その余を失当として棄却すべきところ、右と趣旨を異にし控訴人の請求全部を
棄却した原判決は失当であるからこれを取消し、本訴請求を右認定の限度において
これを認容し、その余を失当として棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九
六条、第九二条、第九三条を適用して主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 小西信三 裁判官 入江啓七郎 裁判官 小川宜夫)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛