弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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 右抗告人は札幌高等裁判所昭和二五年(ラ)第四号訴状却下の命令に対する抗告
につき、同裁判所が昭和二五年八月四日なした抗告状却下の命令に対し更に抗告の
申立をしたので次のとおり命令する。
         理    由
 本訴請求の要旨は、昭和二四年八月二〇日再抗告人(原告)は相手方Dからその
所有に属する小樽市a町bc丁目d番地所在二階建家屋の東側下坪一〇坪上坪四坪
を代金一三万円で買受け、既に内金一二万円の支払を了し残金一万円の支払と同時
にその所有権移転登記を受けることとなつている。再抗告人は右係争家屋の引渡を
受けた後、E連盟F支部に対し該家屋を使用せしめていたところ、同年九月一〇日
右E連は団体等規正令違反で解散を命ぜられ、同月一一日前示家屋は解散団体の財
産の管理及び処分等に関する政令三条によつて、解散団体の財産に属するものとし
て法務総裁によつて国庫に接収し没収せられるに至つた。再抗告人は係争家屋の所
有権に基ずき、そのE連の所有に属さないことを主張して北海道知事を通じてこれ
が返還を求めたところ、同二五年四月二四日附を以て法務府民事局長からE連F支
部の建物と認めるから前記政令三条の規定により国庫に帰属すると決定した旨の通
知を受けた。しかし、かかる処分は係争家屋が解散団体の所有に属する場合にのみ
その効力を有すべきで、いやしくも再抗吉人の所有である限り無効たること勿論で
あり国庫に帰属すべきいわれはない。しかも右家屋につき所有権移転登記手続が不
能となつたのも、かかる相手方国の不法な処分による結果に外ならないのであるか
ら、本件係争家屋につき相手方国に対しては再抗告人の所有に属することの確認を
求めると共に、相手方Dに対してこれが所有権移転登記手続の履行を求めるという
のである。この事は本件訴状の記載に照らし明らかである。されば本訴請求は相手
方Dに対しては売買契約に基ずく所有権移転登記義務の履行を、また相手方国に対
しては、右Dから収得した係争家屋の所有権の存在確認を訴求するものに外ならな
い。従つて再抗告人は、その請求原因としては、右Dに対する関係においては、同
人との間に係争家屋につき売買契約の成立したことを、また、国に対する関係にお
いては、係争家屋がもとDの所有に属していたこと並びに再抗告人が同人からその
所有権の移転を受けたことだけを主張し立証すれば足りるものであり、前示法務総
裁の処分の無効であるというが如きことは、相手方がかかる法務総裁の処分あるこ
とを前提として、登記義務の履行不能たることを、又は再抗告人が現にその所有権
を喪失したものであることをそれぞれ抗弁した場合において、はじあて主張しても
遅くない事項に外ならないのである。それ故本訴請求は、団体等規正令及び解散団
体の財産の管理及び処分に関する政令に基ずく法務総裁等の処分の無効を前提とす
る訴訟とはいい得ないかの観がないではない。しかし、いわゆる団体等規正令並び
に解散団体の財産の管理及び処分等に関する法務総裁の処分の無効を前提とする訴
訟とは、その請求原因たると抗弁たるとを問わず、いやしくもその請求又は抗弁を
構成する事実として訴訟上かかる処分の無効であるか否かが問題となる訴訟という
意味であつて必ずしも請求自体のみについてその前提となる場合、例えばかかる処
分の無効を前提として国に所有権なきことの消極的確認を求めるが如き場合のみを
指標するものではない。本件では、前説示の如く、再抗告人は原告として、あらか
じめ相手方たる被告等の主張することあるべき抗弁に備えて、訴状において、かか
る抗弁に対する答弁事項を掲記主張しているのである。のみならず再抗告人は、相
手方国が本件訴の正当なる被告たることを明らかにするためにも、法務総裁の処分
のあつたことを主張している。そしてかかる先行的主張と雖も、訴訟上これを斟酌
すべきことは勿論であるから、本訴も亦訴状自体により、いわゆる法務総裁の処分
の無効を前提とする訴訟たることが明白であるといわなければならない。されば本
件訴については、日本裁判所はその裁判権を有しないこと勿論であるから、(昭和
二五年(オ)第一四七号、同年七月五日大法廷判決参照)、本件訴状を却下した札
幌地方裁判所裁判長の命令、及びこの命令に対する抗告を却下した札幌高等裁判所
第二部裁判長の命令はいずれも正当であり、これと同一理由により本件再抗告状も
亦却下すべきものと認められる。よつて左の通り命令する。
         主    文
     本件再抗告状を却下する。
     再抗告費用は再抗告人の負担とする。
  昭和二六年八月一三日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔

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