弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士吉田善彌の上告理由について。
 論旨第一点に於て原審の訴訟手続の違法を主張するが、原審が昭和二七年五月一
三日に開いた口頭弁論に於て上告代理人の申請を許容して為した証拠決定を、次い
で開いた同年八月一四日の期日に於て取消し結局その証拠調を施行しなかつたのは、
上告代理人が、右施行を予定されて居た八月一四日の期日以前に為すべき手続を完
了して居なかつたこと、右手続未了が上告代理人の故意又は重大な過失に因るもの
でないとの主張立証等の存しなかつたこと、其の他記録に顕われて居る諸般の事情
からして、民訴一三九条の趣意に照し相当であつて之を違法と為し難く、其の他の
論旨はすべて「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」一号
乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主
張を含む」ものと認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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