弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの上告趣意は事実誤認の主張であり同人の弁護人築山重雄の上告趣意は
事実誤認と量刑不当の主張であつて、すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 被告人Bの弁護人牛島定の上告趣意第一点及び第三点について。
 原判決は第一審判決と同様刑訴三二二条の解釈適用を誤つたことは第二点で説明
する通りであるけれども、それが憲法三七条の公平な裁判所の裁判に関する規定に
反するものでないことは当裁判所の判例とするところである(昭和二二年(れ)一
七一号大法廷判決。集二巻五号四四七頁)。また第一審裁判所が刑訴三二二条の解
釈を誤つたとしても、本件において被告人に相被告人を審問する機会が与えられな
かつたと言うことはできない。論旨は理由がない。
 同第二点について。
 共同被告人の検察官に対する供述調書は被告人の関係においては刑訴三二一条一
項二号に該当し得る書面であつて、被告人以外の者の供述を録取した書面にあたる
ものである。従て第一審が刑訴三二二条に該当する書面として被告人についても、
共同被告人についてしたと同じように刑訴三二二条の書面として証拠調をした上証
拠としたのは刑訴法の解釈を誤つたものであり、原判決がこれを容認したのは第一
審判決と同じ誤をおかした違法があるものと言わなければならないけれども、本件
においては右書面は、刑訴三二一条一項二号の要件を具備するものと解せられるか
ら右の違法は未だ以て原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認めら
れない。また麻薬司法警察官に対する共同被告人の供述調書は刑訴三二一条一項三
号にいう「前二号に掲げる書面以外の書面」中に含まれるものであるが、本件にお
いては同号所定の要件を欠くから証拠とすることができなかつたものである。従て
それを証拠とした第一審判決には法令の違反があるけれども、右書面に記載された
供述は検察官に対してなされた供述と内容において同一に帰するから右供述調書が
なくても判示事実は認定できたのであつて、右の違法は原判決に影響あるものとは
認められない。論旨は理由がない。
 同第四点、第五点及び第六点について。
 憲法三七条一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」については論旨第一点におい
て説明したとおりであるから論旨第四点及び第五点は結局違憲に名を籍る訴訟法違
反の主張に帰し、同第六点は量刑不当の主張であつて、右は何れも刑訴四〇五条の
上告理由に当らない。また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認め
られない。
 被告人Bの弁護人山口作之助の上告趣意について。
 論旨第一点及び第三点は事実誤認の主張であり同第二点は所持についての独自の
見解に基く法令違反の主張を出でないから、何れも刑訴四〇五条の上告理由に当ら
ない。また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官全員一致の意見である。
  昭和二八年六月一九日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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