弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人上原隼三の上告理由第一点、第二点、第四点および第五点について。
 原判決の事実認定によれば、「被控訴人らの先代Dは訴外株式会社E材木店の代
表取締役で、同会社はDの個人商店と差異のない状況であつたので、Dの親友であ
つた控訴人は昭和二六年一〇月頃会社所有の広島県a町所在の山林の経営を委託さ
れたところ、同人はF商店G出張所の名義でこれが伐採、搬出、売却をしたが全然
売上代金を会社に納入しないので、会社は同年一二月中訴外Hを現地に派遣して調
査させた結果、控訴人とHとで棚卸表(甲第二号証の一、二)を作成し、これにも
とづいて、控訴人は同月二六日、九三〇、八七〇円をDに支払うこととして借用証
(甲第一号証)を差し入れ、会社の他の取締役もこの処置を承認してD個人の会社
に対する債権と差引勘定して決済したことを認めることができ」るというのである。
右事実認定は、挙示の証拠に照らし是認できるところであり、その間所論のような
理由不備、理由そごの違法は認められない。そして、かかる事実関係の下において
は、右判文中の「D個人の会社に対する債権と差引勘定して決済したことを認める
ことができる」との判示は、Dの会社に対する金銭債権と、会社の上告人(控訴人)
に対する金銭債権とを、対等額において差引計算した旨を判示している趣旨と解す
るのが相当である。しからば、Dのした行為は、上告人(控訴人)の会社に対する
債務の代位弁済にほかならず、いわゆる債務の履行に関する行為というべきである
から、それは何ら会社に不利益を与えるものとは認められず、商法二六五条の適用
はないものといわなければならない。これと結論を同じくする原判決は結局正当で
ある。なお、所論は、Dの会社に対するいかなる債権をもつて差引計算したかの事
実を認定していないことの違法をいうが、原判決の確定した事実関係に照らし、原
判決は、Dが会社に対して、すくなくとも甲第一号記載の金額以上の金銭債権を有
していたことを認定している趣旨と解し得ないわけではなく、右認定は、挙示の証
拠に照らし是認し得ないわけではない。また、記録上、上告人においてDの会社に
対する金銭債権の存在につき争つたと認むべき証跡はなく、右債権の発生原因、金
額等を確定していないからといつて、所論の違法は認められない。されば所論は採
るを得ない。
 同第三点について。
 論旨は原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、適法な
上告理由とは認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    斎   藤   朔   郎
            裁判官    長   部   謹   吾

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