弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を東京高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人佐生英吉、同鎌田英次、同並木俊守の上告理由について。
 原審は、本件における訴外D銀行(委託銀行)と上告銀行(受託銀行)E支店と
の間の電信送金契約をもつて、いわゆる第三者たる被上告人(送金受取人)のため
にする契約たる性質を有するものと解し、被上告人は、受託銀行に受益の意思を表
示することにより、原則として受託銀行に対し直接送金の支払を請求し得るものと
した。しかし、電信送金契約は、送金依頼人と委託銀行との間及び委託銀行と受託
銀行との間にそれぞれ取り組まれているのであるから、それらの契約が第三者たる
送金受取人に直接権利を取得させる趣旨を内容とするものであるか否かは、当事者
間の意思解釈の如何によることであつて、これがためには、電信送金の取引の実情
を検討することが看過されるべきでない。すなわち、まず、銀行間で取り扱われる
電信送金契約についていえば、周知のように銀行間においては、あらかじめ相互間
に締結してある電信為替取引契約に基づいてなされているところであり、本件にお
いても、委託銀行受託銀行間の電信送金契約が、両行の間にあらかじめ締結してあ
る電信為替取引契約に基づいてなされたことは、原審も認め被上告人も争わないと
ころである。それ故、右電信送金契約が第三者たる送金受取人に直接権利を取得さ
せる趣意のものであるか否かを判断するについては、右基本契約たる電信為替取引
契約を如何に解釈するかが重要な関係をもつものといわなければならない。又、こ
れを本件送金依頼人と委託銀行との間の電信送金契約についてみても、その法律上
の性質は、右電信為替取引契約との関連においてでなければ第三者たる送金受取人
のためにする契約と解するか否かを判断し得ないものといわなければならない。け
だし、送金依頼人においても、特別の事情のない限り電信為替取引契約に基づいて
なされる委託銀行受託銀行間の電信送金契約を利用するにとどまることを通例とす
るからである。
 してみると、原審のように、単に電信送金が送金依頼人において送金受取人に対
して迅速且つ確実に送金する目的を達するために設けられた制度であるからという
理由で、本件電信送金契約をもつて第三者たる送金受取人のためにする契約たる性
質を有するものと即断することは許されないものというべく、すべからく本件電信
送金契約の基本契約たる電信為替取引契約の内容について検討を加うべきは勿論、
送金依頼人が、委託銀行に対し本件電信送金の取組依頼をするにつき、特に第三者
たる送金受取人のためにする趣旨を表示したか否かについても判断がなされるべき
である。しかるに、これらの点については、何等原審の検討判断しないところであ
る。されば、原判決には審理をつくさなかつた違法があり、破棄を免れない。
 よつて、民訴四〇七条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛