弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aを除くその余の被告会社および被告人ら四名の弁護人神垣秀六の上告趣
意第一点について。
 所論は事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に
あたらない。
 同第二点について。
 所論は単なる法令違反の主張であつて、同四〇五条の上告理由に当らない。[鉱
山保安法七条一項にいう「使用し」の趣旨は、使用させよつて使用されるに至つた
場合をも含むものであるとした第一審の判断を是認した原判示は正当である。また
同法七条一項は、鉱業権者に対する義務を定めた規定であり、同法五六条二号に「
第七条第一項……に違反した者」とあるのは、右義務に違反した鉱業権者を処罰す
る規定と解するを相当とするけれども、同法五八条には、「……その他の従業者が、
その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外」
と定められており、同法に定められた鉱山事業における危害防止、安全権保の重要
性に鑑み、同条所定の従業者が、法人又は人の業務に関し、同法五六条二号に掲げ
られた違反行為(本件においては、七条一項に違反する行為)に該当する所為をし
た場合には、右五八条の前記引用の規定によつて、行為者たる従業者が処罰せられ
ることとなり、従業者は右規定によつて、五六条二号に掲げられた違反行為(本件
においては、七条一項に違反する行為)に該当する行為を、してはならない義務を
負うものとせられていると解すべきである。そして本件においては、検定有効期間
最終日を経過して無検定のままの精密可燃性ガス検定器を坑内で現実に用いた者が、
所論のように、被告人ら自身ではなく鉱山労働者であつたとしても、被告人らが、
右鉱山労働者をして前記のごとき検定器を坑内において用いさせてこれを使用した
ものであると認定した第一審判決を是認した原判決は、挙示の証拠に照らし正当と
認められる。しからば、被告人らは、結局鉱山保安法七条一項の違反行為に該当す
る所為をしたものであるから、同法五八条の前記引用の規定によつてこれを処罰し
うることは明らかであり、従つて被告会社もまた右五八条によつて処罰を免れない
ものといわなければならない。これと趣旨を同じくする原判決には所論の違法は認
められない。〕
 被告人Aの弁護人佐伯静治の上告趣意第一について。
 所論引用の判例は、いわゆる事業主の可罰性につき判示しているに止まり、実行
者または従業者の可罰性についてまで言及していないのであつて、本件に適切でな
い。それ故、所論判例違反の主張は前提を欠き採るを得ない。
 同第二について。
 所論は違憲をいうが、その実質は単なる法令違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の
上告理由に当らない。(なお、所論の採るを得ないことは、前記神垣護人の上告趣
意第二点に対する説示のとおりである。)
 被告人Aの弁護人林信一の上告趣意第一点について。
 所論引用の判例は、本件とは根拠法律を異にし、事案も同一に論ずることを得な
いものであつて、本件には適切でない。それ故、所論判例違反の主張は前提を欠き
採るを得ない。
 同第二点について。
 所論は単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(
なお、所論の採るを得ないことは、前記神垣弁護人の上告趣意第二点に対する説示
のとおりである。)
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和三四年六月四日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛