弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人牟田真の上告趣意第一点について。
 漁業法六八条は「爆発物を使用して水産動植物を採捕してはならない」と規定し
ている。その立法の趣旨は、爆発物のごとき強力な破壊作用を営むものを使用して
水産動植物を採捕することを許すにおいては、容易に濫獲が行われ、水産動植物の
繁殖を著しく阻害するおそれがあるから、その繁殖を保護する目的をもつて漁業の
方法を規正するがためにかかる禁止規定が設けられたのである。それ故、魚類の場
合においてはこれを捕獲するために爆発物を使用し、魚類を容易に捕捉し得る状態
に置くにおいては該魚類は爆発物使用者の支配内に帰属するものということができ
るから、現実にこれを拾い集めて取得すると否とを問わず、前記規定にいわゆる「
水産動植物を採捕」したものと解するを相当とする。されば他人が魚類捕獲のため
に爆発物を使用して魚類を死に致らしめた場合において、その情を知りながら浮ん
でいる魚類を拾い集めて所持することは、前記六八条の規定に違反して採捕した水
産動植物を所持することに該当し、従つて同法七〇条、一三八条六号の罰則の適用
を受けるものといわなければならぬ。されば、第一審判決が判示証拠に基き適法に
判示事実を認定し、これに対し同法七〇条、一三八条六号を適用したのは正当であ
る。従つて、所論は、違憲をいうがその実質は、右の第一審判決の事実認定又は法
令の適用を新らたに当審で非難するに帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同第二、第三点について。
 所論は、違憲をいうも、その実質は、いずれも、量刑の非難に帰し、これまた、
刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また、記録を調べても、同四一一条を適用す
べきものとは認められない。
 被告人Bの弁護人鶴田英夫の上告趣意について。
 所論は、判例違反をいうが、所論第一摘示の判例は、別個の犯罪事実の立証に供
せられた証拠に関するものであるか又は明示的になされない同意に関するものであ
り、同第二摘示の判例は、告発書に関するものであつて、いずれも、本件のような
同一の犯罪事実の立証に供せられ、且つ、明示的に同意のあつた、実況を見分した
状況を記載した逮捕手続書の案件には適切でないし、また、本件記録ことに所論逮
捕手続書の記載の内容によれば、所論の指摘する原判決の判示は、当裁判所におい
ても、すべて正当であると認められるから、所論は、結局原判決の訴訟法上の事実
認定又は法令の解釈を非難するに帰し、刑訴四〇五条の上告理由として採用するこ
とはできない。また、記録を調べても、同四一一を適用すべきものとも認められな
い。
 よつて、同四一四条、三八六条一項三号に従い、裁判官全員一致の意見で主文の
とおり決定する。
  昭和二九年三月四日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    入   江   俊   郎

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