弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 弁護人山川常一の控訴趣意は別紙記載の通りである。
 控訴趣意第一点について。
 論旨は原判決が被告人を本件恐喝の共同正犯と認定したのは事実誤認であると謂
うのである。しかし原判決の掲げる各証拠を綜合して判断すれば被告人とA外二名
の者との間に原判示の如き方法により本件被害者側を畏怖せしめて金員を交付させ
るにつき互に意思の連絡のあつたことは充分これを認めることができ、被告人がA
外二名の者と共同謀議をした事実を認めるに足る直接の証拠は存しないとしても原
判決が被告人を本件恐喝の共同正犯と認定したのは蓋し相当であると謂わなければ
ならない。原審が取調べた各証拠を検討しても原判決に所論の如き事実誤認は認め
られずまた証拠によらずして共犯と認定した違法があるとは云えない。従て論旨は
理由がない。
 同第二点について
 論旨は原判決の量刑は重きに過ぎると謂うのである。しかし本件記録に徴するに
被告人は昭和十六年以降暴力行為等処罰に関する法律違反傷害賭博恐喝窃盗罪等に
より前科七犯(内四犯は懲役刑)を重ねていることその他諸般の情状を考量すれば
原審の量刑(懲役八月)は相当であつて、論旨の主張する諸点殊に本件被害者は食
糧管理法違反罪を犯さんとしていたものである点を考慮に容れても原判決の科刑が
重きに失するとは認められない。従で論旨は採用し難い。
 尚当裁判所が累犯関係の点につき職権で調査するに、被告人は(イ)昭和二十一
年七月十六日徳島区裁判所において恐喝傷書罪により懲役十月(未決勾留日数九十
日通算、昭和二十一年勅令第五百十二号減刑令により懲役八月八日に変更)に処せ
られ同年十二月二十五日右刑の執行を終つたとと並に(ロ)昭和二十四年九月十三
日神戸地方裁判所において窃盗罪により懲役二年に処せられその刑を受刑中昭和二
十六年三月仮出獄により出所したこ<要旨>とは被告人に対する前科調書及び被告人
の司法警察員に対する第一回供述調書に徴し明かである。而して原判決は右
(ロ)の前科があることを理由として本件につき累犯加重をしているけれども、本
件犯行は昭和二十六年五月三十一日頃であつて当時被告人は仮出獄中であり未だ右
(ロ)の刑の執行を受け終つていないものと謂わなければならない。他方本件犯行
は前記(イ)の前科の刑の執行を終つてから五年内に犯したものでありとれと累犯
の関係に立つととが亦明かである。然るに原判決は右(イ)の前科が累犯加重の原
因となることを看過し(ロ)の前科があることを理由として本件につき累犯加重を
したのは法律の適用を誤つているけれども、本件は結局において累犯加重をなすべ
ぎ場合であるから右誤は判決に影響を及ぼさないものと認める。
 仍て本件控訴は理由がないから刑事訴訟法第三百九十六条により主文の通り判決
する。
 (裁判長判事 坂本徹章 判事 塩田宇三郎 判事 浮田茂男)

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