弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
1 原決定を次のとおり変更する。
 (1) 抗告人が,相手方X1に対し,平成14年6月21日付けで発付した退去
強制令書に基づく執行は,その送還部分について,本案事件(東京高等裁判所平成
15年(行コ)第263号退去強制令書発付処分取消等請求控訴事件)の控訴審判
決の言渡しまで停止する。
 (2) 抗告人が,相手方X2に対し,平成14年6月21日付けで発付した退去
強制令書に基づく執行は,その送還部分について,本案事件(東京高等裁判所平成
15年(行コ)第263号退去強制令書発付処分取消等請求控訴事件)の控訴審判
決の言渡しまで停止する。
 (3) 相手方らのその余の本件申立てを却下する。
2 手続の総費用はこれを4分し,その1を抗告人の,その余を相手方らの負担と
する。
         理    由
1 事案の概要
 本件は,平成14年5月24日,法務大臣から権限の委任を受けた東京入国管理
局長から出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出が理由がない旨
の各裁決を受け,同年6月21日,抗告人から各退去強制令書(以下「本件各令書」
という。)の発付処分を受けた相手方らが,これらの各裁決及び各処分の取消しを
求める訴訟(以下「本案事件」という。)を提起し,その控訴審において行政事件
訴訟法25条2項に基づき同17年3月末日までの本件各令書の執行の停止を求め
る事件である。
 原審は,本件各令書の収容部分及び送還部分の執行を,本案事件の控訴審判決言
渡しまで停止した。
2 抗告代理人大須賀滋ほかの抗告理由第2の2(1),第3について
 相手方らは,原審において,① 本案事件の第1審判決後に,相手方X1が日本
人男性と婚姻し,相手方X2が同男性と養子縁組をしたこと,② 同相手方は,D
大学の推薦入学試験を受けることが決まり,そのために日本においてE学校高等科
を卒業しなければならないこと,③ 相手方らは相手方X2の同学校卒業後直ちに
大韓民国に帰る意思を明らかにしたことにより,事情に大きな変化があったため,
同相手方が上記学校を卒業する平成17年3月末日まで本件各令書の収容部分の執
行を停止しなければ回復の困難な損害が生ずる旨主張した。
 原審は,同相手方の現状,相手方らが近い将来に帰国する意思を明確にしている
ことなどの相手方らの前記事情を考慮すると,本案事件の控訴審判決言渡しまでは
,本件各令書の収容部分の執行により生ずる回復の困難な損害を避けるため緊急の
必要があると判断した。
 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のと
おりである。
【要旨】退去強制令書の収容部分の執行により被収容者が受ける損害は,当然には
行政事件訴訟法25条2項に規定する回復の困難な損害に当たるとはいえないとこ
ろ,相手方らの主張するところによっても,本件各令書の収容部分の執行により相
手方らが受ける損害は,いずれも社会通念上金銭賠償による回復をもって満足する
こともやむを得ないものというべきであり,上記の回復の困難な損害に当たるとい
うことはできず,本件各令書の収容部分の執行を停止すべき緊急の必要があるとは
いえない。
 これと異なる原審の判断には,裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反が
ある。論旨は理由がある。
 3 同第2の2(2),第4について
所論の点に関する原審の判断は,結論において是認し得ないではない。論旨は採用
することができない。
 4 以上要するに,相手方らの本件申立ては,本案事件の控訴審判決言渡しまで
の本件各令書の送還部分の執行の停止を求める限度で認容し,その余は却下すべき
であるから,原決定を主文のとおり変更することとする。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 甲斐中辰夫 裁判官 横尾和子 裁判官 泉 徳治 裁判官 島
田仁郎)

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