弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件抗告の申立書は、昭和四五年一一月六日に原裁判所が受け付けているのであ
つて、刑訴法四三三条二項に定める五日の期間経過後の申立であるから、不適法で
ある(なお、申立人は、右抗告期間の最終日である同年一一月五日に、本件申立書
を旭川刑務所の係官に手交している事実が認められる。しかしながら、付審判請求
事件は、刑法一九三条等の罪について告訴または告発をした者が、検察官の不起訴
処分に不服のあるとき、事件を裁判所の審判に付することを請求する手続であつて、
刑事上の処分を受けた本人の救済をその直接の目的としたものではなく、従つて、
その申立棄却決定に対する不服申立も、本来の刑事被告事件の上訴申立とは、その
性質を異にするものというべきであるから、在監者の上訴申立に関する刑訴法三六
六条一項は、付審判請求事件の特別抗告申立には準用ないし類推適用されないもの
と解すべきである。そうすると、本申立を同法四三三条二項に定める申立期間内に
されたものとみなすことはできない。)。
 よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文
のとおり決定する。
  昭和四五年一二月一七日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    岩   田       誠
            裁判官    大   隅   健 一 郎

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