弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
     抗告費用は抗告人の負担とする。
         理    由
 抗告人は、「原決定を取消す。本件不動産競売開始決定はこれを取消す。申立費
用は第一、二審とも相手方の負担とする。」との裁判を求めた。
 要旨>抗告理由は別紙の通りであり、これに対する当裁判所の判断は左記の通りで
ある。申立人の主張する抵当権被担保債権の額が、競売申立人が主張し、是
認された額よりも少額であるとの事由は、競売手続の開始を違法ならしめ、その開
始決定を取消すことを必要とする理由となすことができない。けだし、抵当権実行
による不動産競売の趣旨は、要するに目的不動産に設定された抵当権が実行段階に
入つたことにより、被担保債権の弁済をうけるために(終局目的)、右抵当権に基
いて義務者の不動産を換価即ち競売(直接目的)する点に在つて、競売開始決定の
主たる内容も、右の趣旨に副い、特定の目的不動産を法定の競売手続に付する旨を
宣言して、物件所有者に右手続上要請される一定の拘束を加える趣旨を出でず、そ
の開始要件も債権及び抵当権が目的物について存在し、履行遅滞により抵当権者が
換価権を取得したことを以て足り、この段階では、債権額の確定も、主として右開
始要件を充足するためにその具体的存在を確認するにつき必要があるのであつて、
それは同時に競売申立人が競売手続により獲得すべき実質的利益の範囲を示すもの
ではあるけれども、競売手続の開始にあたり、それが当事者間に寸毫の差異もなく
確定していることは必要でなく、競売裁判所が開始段階でこれを不動のものと確定
することも必要でなく、損害金の増加、一部弁済その他事情の変動により、その将
来の増減(実体権利関係そのものの反影)はむしろ予期せられているといつて差支
なく、その正確な数額は、他の諸種の手段により配当段階までに確定せられること
を以て足るのである。これが、抵当権実行のための競売には確定債務名義を必要と
しない所以でもあり、その結果でもあるのであつて、競売裁判所はその独自の判断
により、債権の具体的数額を判定し、抵当権の存在を確認して、競売開始を為すべ
きか否かを決するものである。
 固より競売裁判所が開始決定において一応判定した債権の額は、その後の競売進
行の過程において手続上の基準となり、民事訴訟法第六七五条の準用部面その他に
おいて参酌される基礎となり得ることは勿論であるが、競売手続は換価から配当ま
でに及ぶ一連の非訟的手続であり、各段階において必要な非訟的裁判がなされるも
のであつて、前記基準の当不当は当初の競売開始そのものを阻止し得べき事由とな
るものではなく、後続処理の正否はその判断の機会にその都度別個に判定検討され
て充分であり、結局、被担保債権の完全消滅即ち各目的物件についての抵当権の消
滅を来さざる債権の増減(抵当権不可分の原則適用)、多寡、その判断の誤差は、
競売そのものの開始、続行を妨げ得る事由とならないものというべきである。これ
を実務の実際に就いて見るも、競売開始当時主として申立人が一方的に提示した資
料により開始決定に表示される被担保債権額が、真実のものと相違(微差、大差に
拘らず)があり、それが開始当時に正確に確定されぬ限り、競売の開始、続行が悉
く拒否されるとするならば、必ずや競売手続の渋滞は目に余り、抵当権の機能、実
効性は甚だしく損われるに至るであろう。
 以上の理由により、抗告人の主張は採用できず、他に本件競売開始決定を違法と
する事由は見出されないので、抗告人の異議は失当で、これを棄却した原決定は正
当であり、抗告は理由がない。よつてこれを棄却すべきものとし、訴訟費用につき
民事訴訟法第八九条第九五条を適用して主文の通り決定する。
 (裁判長裁判官 岡垣久晃 裁判官 宮川種一郎 裁判官 大野千里)

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