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平成20年7月17日判決言渡
平成19年行ケ第10432号審決取消請求事件()
平成20年7月15日口頭弁論終結
判決
原告美和ロック株式会社
同訴訟代理人弁護士熊谷秀紀
同若江健雄
同訴訟代理人弁理士飯田岳雄
被告特許庁長官鈴木隆史
同指定代理人家田政明
同山口由木
同森川元嗣
同小林和男
主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
特許庁が不服2006−1529号事件について平成19年11月20日に
した審決を取り消す。
第2事案の概要
1特許庁における手続の経緯
原告は,発明の名称を「ダイヤル錠のラッチ」とする発明につき,平成7年
9月19日,特許を出願し(甲1。以下「本願」という。),平成17年1
1月1日付け手続補正書(甲6)により,本願に係る明細書の特許請求の範
囲等の記載を補正(以下この補正後の本願に係る明細書及び図面を「本願明
細書」という。)する手続補正をしたが,同年12月21日付けの拒絶査定
を受けたので,平成18年1月24日,これに対し審判請求(乙8。不服20
06−1529号事件)をし,同年2月23日付け手続補正書(甲10)によ
り,本願明細書の特許請求の範囲等の記載を補正(以下,この補正を「本件補
正」といい,本件補正後の本願に係る明細書及び図面を「本願補正明細書」と
いう。)する手続補正をした。これに対し,特許庁は,平成19年11月20
日,本件補正を却下した上で,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審
決をした。
2特許請求の範囲
(1)本件補正後の請求項1は,下記のとおりである(補正箇所に下線を引い
た。)。
「中空の枠体,枠体内に同軸で支承され互に回動できる複数の回転体,隣
接する2つの回転体の間に設けた選択的に係合できる係合手段,複数の回転
体にそれぞれ設けた解錠用切欠き,複数の回転体の1つに少くも回転方向に
おいて連結され,正面側に露出するつまみを兼ねるダイヤル,及び,枠体内
に揺動可能に保持され,傾斜端縁を有する頭部を枠体外に突出させる方向に
ラッチばねで付勢させた平板状のラッチを備えたダイヤル錠において,金属
材料製のラッチ本体の傾斜端縁の一端に先細のばね掛けを形成し,一方,上
記傾斜端縁に沿う平板部に貫通孔を設け,ラッチ本体の傾斜端縁に沿う部分
に,上記ばね掛けを除いて,モールディングにより,横断面がコ字状をな
し,その傾斜端縁を挟む一対の平行な部分が前記貫通孔において一体に連絡
された,耐摩耗性の高分子材料から成る耐摩部片を固着すると共に,ばね掛
けに係合させたラッチばねの端部を耐摩部片に掛け止めるようにしたことを
特徴とするダイヤル錠のラッチ。」
(2)本件補正前の請求項1は,下記のとおりである(以下この発明を「本願
発明」という。)。
「中空の枠体,枠体内に同軸で支承され互に回動できる複数の回転体,隣
接する2つの回転体の間に設けた選択的に係合できる係合手段,複数の回転
体にそれぞれ設けた解錠用切欠き,複数の回転体の1つに少くも回転方向に
おいて連結され,正面側に露出するつまみを兼ねるダイヤル,及び,枠体内
に揺動可能に保持され,傾斜端縁を有する頭部を枠体外に突出させる方向に
ラッチばねで付勢させた平板状のラッチを備えたダイヤル錠において,金属
材料製のラッチ本体の傾斜端縁に沿う平板部に貫通孔を設け,ラッチ本体の
傾斜端縁に沿う部分に,モールディングにより,横断面がコ字状をなし,そ
の傾斜端縁を挟む一対の平行な部分が前記貫通孔において一体に連絡され
た,耐摩耗性の高分子材料から成る耐摩部片を固着したことを特徴とするダ
イヤル錠のラッチ。」
3審決の内容
別紙審決書の写しのとおりである。要するに,①本願発明について,「ラッ
チ本体の傾斜端縁の一端に先細のばね掛けを形成し,一方,上記傾斜端縁に沿
う平板部に貫通孔を設け,ラッチ本体の傾斜端縁に沿う部分に,上記ばね掛け
を除いて,モールディングにより,横断面がコ字状をなし,その傾斜端縁を挟
む一対の平行な部分が前記貫通孔において一体に連絡された,耐摩耗性の高分
子材料から成る耐摩部片を固着すると共に,ばね掛けに係合させたラッチばね
の端部を耐摩部片に掛け止めるようにしたことを特徴とするダイヤル錠のラッ
チ」とする本件補正は,平成18年改正前の特許法17条の2第3項の規定(
判決注:「平成14年法律第24号による改正前の特許法17条の2第3項の
規定」の誤りであると解される。以下「旧特許法17条の2第3項」という場
合がある。)に違反するものであって,同法159条1項において読み替えて
準用する同法53条1項の規定により却下すべきものであり,②本願発明は,
実願昭55−113410号(実開昭57−38449号)のマイクロフィル
ム(甲3。以下「刊行物1」という。)記載の発明(以下「引用発明1」とい
う。),実願昭60−142910号(実開昭62−52661号)のマイク
ロフィルム(甲4。以下「刊行物2」という。)記載の発明(以下「引用発明
2」という。)及び周知技術(甲8,9,乙1)から当業者が容易に発明をす
ることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受ける
ことができない,とするものである。
審決は,上記結論を導くに当たり,引用発明1の内容並びに本願発明と引用
発明1との一致点及び相違点を次のとおり認定した。
(1)引用発明の内容
ア引用発明1の内容
外筒(1),外筒(1)内に同軸で支承され互に回動できる内筒(2)
と外リング(5),隣接する内筒(2)と外リング(5)の間に設けた被
駆動爪(19)および駆動爪(18),内筒(2)および外リング(5)
にそれぞれ設けた切欠溝(20)(17),内筒(2)に一体に結合さ
れ,正面側に露出するツマミ(4)および文字板(8),および,外筒(
1)内に回動可能に保持され,ラッチ(9)の傾斜部(9a)を外筒(
1)外に突出させる方向にラッチばね(11)で付勢させた平板状のラッ
チ(9)を備えた文字合せ錠のラッチ
イ引用発明2の内容
ラッチレバーのフック部の,他部材に衝接する傾斜縁に,横断面がコ字
状であり,摩擦抵抗が小さく,耐摩耗性のあるアセタール樹脂あるいはナ
イロン樹脂等の合成樹脂よりなる樹脂カバーを被嵌したラッチレバーのフ
ック部
(2)本願発明と引用発明1との一致点
中空の枠体,枠体内に同軸で支承され互に回動できる複数の回転体,隣接
する2つの回転体の間に設けた選択的に係合できる係合手段,複数の回転体
にそれぞれ設けた解錠用切欠き,複数の回転体の1つに回転方向において連
結され,正面側に露出するつまみを兼ねるダイヤル,及び,枠体内に揺動可
能に保持され,傾斜端縁を有する頭部を枠体外に突出させる方向にラッチば
ねで付勢させた平板状のラッチを備えたダイヤル錠のラッチである点。
(3)本願発明と引用発明1との相違点
ア相違点1
本願発明の「ラッチ本体」が「金属材料製」であるのに対し,引用発明
1では「ラッチ」の材質が不明である点。
イ相違点2
本願発明では,「ラッチ本体の傾斜端縁に沿う平板部に貫通孔を設け,
ラッチ本体の傾斜端縁に沿う部分に,モールディングにより,横断面がコ
字状をなし,その傾斜端縁を挟む一対の平行な部分が前記貫通孔において
一体に連絡された,耐摩耗性の高分子材料から成る耐摩部片を固着した」
のに対し,引用発明1では「ラッチ」に「耐摩部片」を設けていない点。
第3取消事由に係る原告の主張
審決は,①本件補正を却下した結果,判断の対象となるべき発明の認定を誤
り(取消事由1),②相違点2に対する容易想到性の判断を誤ったから(取消
事由2),取り消されるべきである。
1取消事由1(本件補正を却下した誤り)
審決は,本件補正につき「ばね掛けに係合させたラッチばねの端部を耐摩部
片に掛け止める」との補正事項(以下「本件補正事項」という場合がある。)
が,「明細書又は図面に記載した事項の範囲内」したものではないとして本件
補正を却下したが,誤りである。
本願の最初に添付した明細書(甲1。以下「本件出願当初明細書」とい
う。)の段落【0019】には「・・そのラッチ7は,ラッチばね装着孔14
に収められたラッチばね72によって,頭部を枠体1外に突出させる方向に付
勢されている。」と記載され,図3にラッチばね72の下端が耐摩部片70の
上端に接している態様が図示されているが,これらの態様から「ラッチばねの
端部を耐摩部片に掛け止める」との本件補正事項は記載されているとみるべき
である(なお,本件出願当初明細書の図4及び図5から斜視図を起こすと甲1
4となる。)。したがって,本件補正は「明細書又は図面に記載した事項の範
囲内」で行なわれたものである。
2取消事由2(相違点2に対する容易想到性の判断の誤り)
審決は,相違点2に対して,「引用発明1のダイヤル錠のラッチに,引用発
明2の耐摩部材を固着するために,当該周知技術を用いて本願発明のような構
成とすることは当業者が容易になし得るものである。」と判断したが,誤りで
ある。
(1)審決には,引用発明1の構成として引用発明2を適用できる理由が示さ
れていない。引用発明2における「樹脂カバー」はラッチの頭部全体を被覆
しているのであって,本願発明の「ラッチ本体の傾斜端縁に沿う部分に耐摩
部片を部分的に設ける」という技術的思想については記載も示唆もない。ま
た,引用発明2は自動車フードのような大型の部材のラッチに関するもので
あり,そのラッチをダイアル錠のような小さいものに適用することはできな
い。
(2)本願発明には,「ラッチとその案内部材の間の摺動円滑性を損うことな
く,係止片とラッチとの間の摩擦を減少させ,長時間にわたっての円滑なラ
ッチの作動を期待できる。」との顕著な作用効果が期待できるが,審決は上
記容易想到性の判断に当たってかかる顕著な作用効果を看過している。
第4被告の反論
審決の認定判断はいずれも正当であって,審決を取り消すべき理由はない。
1取消事由1(本件補正を却下した誤り)に対し
(1)本件出願当初明細書には,「ばね掛け」との記載はないし,「ラッチば
ね(の端部)」を「掛け止める」との記載もない。そして,本件出願当初明
細書には「ばね掛け」と解される構成として,「ばね止め77」が記載され
ているのみであり,他に「ラッチばね」が止められる構成については記載さ
れていない。そうすると,本件出願当初明細書には,「ラッチばね」は「ば
ね止め」に止められることが記載されているにすぎず,「耐摩部片に掛け止
める」ことは示されていない。
(2)本件出願当初明細書に添付した図面において,前記「ばね止め77」が
記載されている図面は,図3及び図4のみである。そして,図3は図2のⅢ
−Ⅲ線による拡大縦断平面図であり,図4はラッチの拡大平面図であり,「
ばね掛け」(ばね止め)が記載された正面図(または断面図)はない。そう
すると,図3及び図4からは,明細書の記載を参酌しても,ラッチ本体に耐
摩部片が一体に形成されていること,及び「ばね掛け」(ばね止め)の周囲
に「ラッチばね」の端部が位置することが読みとれるだけである。したがっ
て,それらの図面に基づいて甲14のような斜視図が一義的に導かれるもの
ではない。
仮に,「ばね掛け」(ばね止め),「ラッチ本体」及び「耐摩部片」の位
置関係が甲14記載のものであるとしても,「ラッチばね」の先端が「ばね
掛け」,「ラッチ本体」あるいは「耐摩部片」のうちのどこに接しているの
かは明らかではないし,さらに,「ラッチばね」の先端が接している部分が
甲14で示すように「耐摩部片」であったとしても,このような単に接して
いる状態を,「ラッチばね」を「耐摩部片」に掛ける,あるいは「掛け止め
る」ということはできない。
したがって,本件補正事項は,「明細書又は図面に記載した事項の範囲
内」においてなされたものではないとした審決の判断に誤りはない。
2取消事由2(相違点2に対する容易想到性の判断の誤り)に対し
(1)原告は,審決には,相違点2に対する容易想到性の判断において,引用
発明1の構成として引用発明2を適用できる理由が示されていないと主張す
るが,失当である。
引用発明1の「ラッチ」は金属製であり,その衝接部に耐摩耗性が要求さ
れることは当然の課題であり,引用発明2は,ラッチ本体の他部材と衝接す
る傾斜端縁に,耐摩耗性のある高分子材料からなる耐摩部片を設けるもので
ある。そして,引用発明2は,引用発明1と同じラッチの分野に属するもの
であるから,審決は引用発明1のダイヤル錠のラッチにおいて,上記課題を
解決するために引用発明2を採用することは当業者が容易になし得るとした
のであって,審決の判断に誤りはない。
(2)原告は,審決には,本願発明の顕著な作用効果を看過した違法があると
主張するが,失当である。
原告主張の本願発明の顕著な作用効果は,本願発明の,①耐摩部片により
摺動摩擦に減じる,②耐摩部片が脱落することがない,という効果から当然
に導かれる効果にすぎない。また,刊行物2には,「ラッチレバーとフック
係合部とが,直接衝接及び摺接することがなく,摩擦抵抗が小さく,かつ耐
摩耗性のある樹脂カバーを介して,間接的に衝接及び摺接するので,フード
の閉止操作が軽力で円滑に行なわれるとともに,フック係合部の傾斜縁の耐
久性が向上するという利点がある。」(13頁17行∼14頁3行)と記載
されており,引用発明2は,原告が主張する本願発明の顕著な作用効果と同
様の効果を有している。
第5当裁判所の判断
当裁判所は,審決には,原告主張に係る取消事由はないものと判断する。そ
の理由は,以下のとおりである。
1取消事由1(本件補正を却下した判断の誤り)について
本件補正は,本願発明について,「ラッチ本体の傾斜端縁の一端に先細のば
ね掛けを形成し,一方,上記傾斜端縁に沿う平板部に貫通孔を設け,ラッチ本
体の傾斜端縁に沿う部分に,上記ばね掛けを除いて,モールディングにより,
横断面がコ字状をなし,その傾斜端縁を挟む一対の平行な部分が前記貫通孔に
おいて一体に連絡された,耐摩耗性の高分子材料から成る耐摩部片を固着する
と共に,ばね掛けに係合させたラッチばねの端部を耐摩部片に掛け止めるよう
にしたことを特徴とするダイヤル錠のラッチ」とするものである。すなわち,
本件補正は,ラッチ本体の傾斜端縁の一端に先細のばね掛けを形成すること,
ばね掛けに係合されたラッチばねの端部を耐摩部片に掛け止めるとの構成の付
加を含む。そこで,本件補正の「ばね掛けに係合されたラッチばねの端部を耐
摩部片に掛け止める」との付加された構成が,旧特許法17条の2第3項所定
の「明細書又は図面に記載した事項の範囲内」であるか否かについて判断す
る。
「掛け止める」の通常の意味を検討すると,「掛ける」とは「物に引っ掛け
て離れないようにする。」ことを指し,「止める」とは「動かないように固定
する。」ことを指す(広辞苑第6版511頁,2035頁参照)ことから,上
記の「ばね掛けに係合されたラッチばねの端部を耐摩部片に掛け止める」と
は,「ばね掛けに係合されたラッチばねの端部を耐摩部片に引っ掛けて離れな
いようにする,固定する」ことを指すと解すべきである。
これに対して,原告は,「ばね掛けに係合されたラッチばねの端部を耐摩部
片に掛け止める」とは,「ばね掛けに係合されたラッチばねの下端が耐摩部片
の上端に接する」ことを含む意味に理解すべきであると主張する。しかし,原
告の主張は,以下のとおり採用の限りでない。すなわち,本願明細書におい
て,「掛け止められる」の語は,「その爪は止め片6の周囲に例えば90°の
間隔で設けた係合凹部に掛け止められる」(段落【0022】)に用いられ,
これに対応する図3には,各係合脚片82の先端に設けられた一対の爪は止め
片6に引っ掛けて固定されている態様が示されていることに照らすならば,「
掛け止められる」とは,上記検討したとおり「引っ掛けて離れないようにす
る,引っ掛けて固定する」との意味に理解するのが相当である。
上記の理解を前提として,「ばね掛けに係合されたラッチばねの端部を耐摩
部片に掛け止める」との付加された構成が,本件出願当初明細書及び図面に記
載がされているか否かを検討する。
(1)事実認定
本件出願当初明細書及び図面(甲1)によれば,「ラッチばね」に関して
以下の記載がある。
ア「【特許請求の範囲】【請求項1】中空の枠体,枠体内に同軸で支承さ
れ互に回動できる複数の回転体,隣接する2つの回転体の間に設けた選択
的に係合できる係合手段,複数の回転体にそれぞれ設けた解錠用切欠き,
複数の回転体の1つに少くも回転方向において連結され,正面側に露出す
るつまみを兼ねるダイヤル,及び,枠体内に揺動可能に保持され,傾斜端
縁を有する頭部を枠体外に突出させる方向にラッチばねで付勢させた平板
状のラッチを備えたダイヤル錠において,金属材料製のラッチ本体の傾斜
端縁に沿う平板部に貫通孔を設け,ラッチ本体の傾斜端縁に沿う部分に横
断面がコ字状をなし前記貫通孔において一体に連絡された耐摩耗性の高分
子材料から成る耐摩部片を固着したことを特徴とするダイヤル錠のラッ
チ。」
イ「【0002】【従来の技術】従来のダイヤル錠は,例えば実開昭57
−38449号公報又は特開平4−92067号公報等に示されているよ
うに,中空の枠体,枠体内に同軸で支承され互に回動できる複数の回転
体,隣接する2つの回転体の間に設けた選択的に係合できる係合手段,複
数の回転体にそれぞれ設けた解錠用切欠き,複数の回転体の1つに少くも
回転方向において連結され,正面側に露出するつまみを兼ねるダイヤル,
及び,枠体内に揺動可能にして前記回転体の回転軸線に直角な方向に摺動
可能に保持され,傾斜端縁を有する頭部を枠体外に突出させる方向にラッ
チばねで付勢させた平板状のラッチを備えて成る。」
ウ「【0003】このような従来のダイヤル錠では,扉を閉鎖する時,ラ
ッチが郵便受けの本体側に取り付けられた係止片に当接すると,ラッチの
傾斜端縁と係止片との間に生じる楔作用により,ラッチばねに抗して一旦
押し込まれた後,ラッチばねの付勢力によって再び突出し,乗り越えられ
た係止片により本締り又は空締りがなされる。」
エ「【0004】その際,ラッチ並びに係止片は共に金属で作られている
ため,傾斜端縁における摩耗の問題を生じ,長期の使用においてはラッチ
のスムーズな作動に支障を来すことがあった。」
オ「【0005】【発明が解決しようとする課題】この発明は,ダイヤル
錠のラッチにおける摩耗の問題を解決し,薄い金属製の平板状をなすラッ
チ本体の傾斜端縁部分に対して高分子材料製の耐摩部片を長期の使用にお
いても脱落することがないように強固に固着させることを目的として提案
されたものである。」
カ「【0006】【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め,この発明は,中空の枠体,枠体内に同軸で支承され互に回動できる複
数の回転体,隣接する2つの回転体の間に設けた選択的に係合できる係合
手段,複数の回転体にそれぞれ設けた解錠用切欠き,複数の回転体の1つ
に少くも回転方向において連結され,正面側に露出するつまみを兼ねるダ
イヤル,及び,枠体内に揺動可能に保持され,傾斜端縁を有する頭部を枠
体外に突出させる方向にラッチばねで付勢させた平板状のラッチを備えた
ダイヤル錠において,金属材料製のラッチ本体の傾斜端縁に沿う平板部に
貫通孔を設け,ラッチ本体の傾斜端縁に沿う部分に横断面がコ字状をなし
前記貫通孔において一体に連絡された耐摩耗性の高分子材料から成る耐摩
部片を固着したことを特徴とする。」
キ「【0019】図3において,符号7は,枠体1におけるラッチホルダ
11のラッチ装着孔13内に揺動可能かつ揺動可能に保持された傾斜端縁
71を有する平板状のラッチで,そのラッチ7は,ラッチばね装着孔14
に収められたラッチばね72によって,頭部を枠体1外に突出させる方向
に付勢されている。」
ク「【0020】同図で,符号73はラッチ7に植設され,ラッチホルダ
11に設けた溝(図示しない)に先端を嵌め込んで該ラッチ7を直線的に
案内し,又は,該ラッチ7の揺動の際の中心となるラッチ軸,74はラッ
チホルダ11に保持された弾性抵抗体,75はラッチ7の表面に設けら
れ,弾性抵抗体74の先端が嵌め込まれた誘導溝,76はラッチホルダ1
1に保持された緩衝体,77はラッチ7に一体に設けられたばね止めであ
る。」
ケ「【0022】各係合脚片82はその先端に一体の爪を有し,その爪は
止め片6の周囲に例えば90°の間隔で設けた係合凹部に掛け止められ
る。」
コ「【0035】【発明の効果】以上のような構成のこの発明のダイヤル
錠のラッチによれば,該ラッチの傾斜端縁部分が郵便受けの本体側等に設
けられた硬い係止片にかなり強く擦りつけられても,高分子材料で成る耐
摩部片は係止片との摺動摩擦を著しく減じ,スムーズなラッチ作動を呈す
る。【0036】上記した摺動摩擦の減少は,また,ラッチ装着孔内面と
ラッチの頭部との間においても生じることは勿論である。【0037】ま
た,その材料自体の特性と特有の取付け構造とが相俟って,脱落するよう
な恐れがほとんどなく,また,長期に亘ってスムーズなラッチ作動を期待
できる,等種々の効果を奏する。」
サ図3には,本願発明のダイヤル錠の断面図が示されており,そこには,
ラッチばね72の端部を,ラッチに一体に設けられたばね止め77に係合
する態様が示されている。
(2)判断
以上のとおり,本願において,「ばね掛けに係合されたラッチばねの端部
を耐摩部片に掛け止める」との構成における「掛け止められる」は,「引っ
掛けて離れないようにする,固定する」との意味に理解するのが相当である
が,そのような構成が付加されることは,例えば,ラッチばねの横ずれ防止
効果や「はずれにくくする」との効果やラッチとラッチばねの設置の位置関
係の自由度の拡大効果など技術的な観点から新たな事項が付加されるものと
解される余地が生ずる。
ところで,上記のとおり,本件出願当初明細書には,ラッチばねで付勢さ
せた平板状のラッチを備えたダイヤル錠において,「『高分子材料から成る
耐摩部片』を用いること」,及び「『金属材料製のラッチ本体』と『高分子
材料から成る耐摩部片』との固着方法」についての記載はあるものの,専ら
その点の開示に尽きるのであって,「ラッチばねの端部」と「耐摩部片」と
の位置関係について開示又は示唆する記載がないことはもとより,図3にお
いても,「ラッチばね」のラッチ本体側の端部が「ばね掛け」(ばね止め)
の周囲に位置することが示されているが,「ラッチばね」のラッチ本体側の
端部と「ばね掛け」(ばね止め)との位置関係,係合の有無,態様は何ら示
されていない。
そうすると,「ばね掛けに係合させたラッチばねの端部を耐摩部片に掛け
止める」との構成は,本件出願当初明細書及び図面のすべての記載を総合す
ることにより導かれる技術的事項との対比において,新たに導入された技術
的事項であるというべきである。
この点について,原告は,本件出願当初明細書添付の図4及び図5(同各
図から原告が描いた斜視図である甲14の図を含む。)によれば,「ラッチ
ばねの端部を耐摩部片に掛け止めするようにしている」ことが示されている
と主張する。しかし,上記各図のいずれによるも,ばね掛けに係合されたラ
ッチばねの端部が耐摩部片に引っ掛けて離れないようにする,固定するとの
技術的事項が示されているとはいえない。
以上のとおり,本件補正は,本件出願当初明細書及び図面に記載した事項の
範囲内においてされたものではないとした審決の判断に誤りはない。
2取消事由2(相違点2に対する容易想到性の判断の誤り)について
(1)刊行物2の記載
刊行物2(甲4)には,以下の記載がある。
ア「実用新案登録請求の範囲車体側又はフード側のいずれか一方にフッ
ク係合部を,同じく他方に,前記フック係合部に係合して,フードを掛止
するフック部を有するラッチレバーを設けてなる自動車用フードロック装
置において,前記ラッチレバーのフック部又は,前記フック係合部の少な
くとも一方に樹脂カバーを被嵌したことを特徴とする自動車用フードロッ
ク装置。」(1頁4行目∼12行目)
イ「(産業上の利用分野)本考案は,自動車のフードをロックする自動
車用フードロック装置に関するものである。」(1頁14∼16行)
ウ「従来の自動車用フードロック装置においては,車内の操作ハンドルに
よりロック解除されるようにしたプライマリロック機構の他に,このプラ
イマリロック機構がロック解除された後,フードを若干開いた状態で掛止
することができ,かつその若干開いたフードの前部下方より手指を挿入し
て解除操作することにより,上記掛止状態が解除されるようにしたセカン
ダリロック機構を設けることにより,自動車走行中の不注意よるフードの
開放を防止するようにしている。このセカンダリロック機構は,・・・フ
ード側に設けられたフック係合部と,車体側に設けられ,かつフードが若
干開いた状態で,上記フック係合部に係合して,フードを掛止するように
したフック部を備えるセカンダリラッチレバーとからなるものが一般的で
あり,通常は,このセカンダリラッチレバーにおけるフック部の先端に
は,フードの閉止操作時に,上記フック係合部に摺接して,フック部がこ
のフック係合部を容易に乗り越え得るようにした傾斜縁が形成されてい
る。」(1頁19行∼2頁19行)
エ「(考案が解決しようとする問題点)・・・従来の自動車用フードロッ
ク装置においては,フードを閉じるたびごとに,フード側のフック係合部
が,セカンダリラッチレバーの傾斜縁に衝接し,次いてそれが互いに擦れ
合うので,それらの衝接及び摺接部分の摩擦の進行が,他部に較べて早
く,耐久性の向上及びフードの円滑な閉止操作の妨げとなっているという
問題点がある。本考案は,上述のような問題点を解決した自動車用フード
ロック装置を提供することを目的とするものである。」(2頁末行∼3頁
11行)
オ「(作用)本考案においては,フードを閉じる際に,ラッチレバーの傾
斜縁がフック係合部に直接摺接することがなく,摩擦抵抗が小さく,かつ
耐摩耗性のある樹脂カバーを介して,間接的に摺接するので,フードの閉
止操作が円滑に軽力で行なわれる。」(4頁1行目∼6行目)
カ「(17)は,外観がフック部(13)と類似して,フック部(13)
に弛みなく外嵌しうる形状と大きさを有するとともに,例えば,アセター
ル樹脂あるいはナイロン樹脂等のように,表面の摩擦抵抗が小さく,かつ
耐摩耗性と若干の可撓性とを有する硬質合成樹脂よりなる樹脂カバーであ
る。」(7頁12行目∼17行目)
キ「このとき,フック係合部(22a)は,セカンダリラッチレバー(1
0)の傾斜縁(13a)に直接衝接せず,摩擦抵抗が小さく,かつ耐摩耗
性のある樹脂カバー(17)を介して,間接的に衝接するので,フードの
閉止操作が軽力で円滑に行われるとともに,フック係合部(22a)や傾
斜縁(13a)の耐久性が向上する。」(9頁16行目∼10頁2行目)
ク「第5図及び第6図は,第1実施例の構成と異なる構成の樹脂カバーを
用いた第2実施例を示すもので,上記フック部(13)に相当するフック
部(51)の両端近くには,1対の係合孔(52)が穿設され,上記樹脂
カバー(17)と同材質とした樹脂カバー(53)の両内側面に突設した
係合突起(54)を,各係合孔(52)に係合させることにより,樹脂カ
バー(53)をフック部(51)に,容易に着脱できるが,通常の作動に
おいては妄りに外れることはないように装着してある。」(11頁13行
目∼12頁2行目)
ケ「(考案の効果)以上から明らかなように,本考案によると,ラッチレ
バーとフック係合部とが,直接衝接及び摺接することがなく,摩擦抵抗が
小さく,かつ耐摩耗性のある樹脂カバーを介して,間接的に衝接及び摺接
するので,フードの閉止操作が軽力で円滑に行われるとともに,フック係
合部の傾斜縁の耐久性が向上するという利点がある。」(13頁16行目
∼14頁3行目)
コ第6図には,「樹脂カバー(53)」の横断面が示されており,樹脂カ
バーの断面が「コ字状」であることが見て取れる。
以上認定した刊行物2の記載によれば,引用発明2は,従来の自動車用フ
ードロック装置における,フードを閉じる度ごとに,フード側のフック係合
部,セカンダリラッチレバーの傾斜縁に衝接し,次いてそれが互いに擦れ合
うので,それらの衝接及び摺接部分の摩擦の進行が他部に比べて早く,耐久
性の向上及びフードの円滑な閉止操作の妨げとなっているという問題点を解
決することを目的とした,「フック係合部と,フック係合部に係合して,フ
ードを掛止するフック部を有するラッチレバーを設けてなる自動車用フード
ロック装置において,前記ラッチレバーのフック部に,横断面がコ字状であ
り,摩擦抵抗が小さく,耐摩耗性のあるアセタール樹脂あるいはナイロン樹
脂等の合成樹脂よりなる樹脂カバーを被嵌し,フック係合部に衝接する傾斜
縁を樹脂カバーで覆うようにしたことを特徴とする自動車のフードロック装
置」の発明であるということができる。
(2)刊行物1の記載
刊行物1(甲3)の実用新案登録請求の範囲請求項1には,「外筒(1)
の中にツマミ(4),文字板(8),回転板(3),内筒(2)が一体に結
合されて挿入され,かつ外筒(1)の後端にはラッチ(9)を収容し,ラッ
チ(9)の長孔(9b)にはラッチ回転軸(10)が挿入されており,さら
に外リング(5)が回転板(3)と内筒(2)の間にその小径部(5a)が
回転板(3)の小径部(3a)と対接し,かつ内筒(2)の段部(2a)に
係合して回転自在に内筒(2)を囲んで挿入され,回転板(3)には外リン
グ(5)の被駆動爪(19)を駆動する駆動爪(18)を有し,内筒(2)
および外リング(5)には解錠時ラッチ(9)の嵌入する切欠溝(17)(
20)を切欠いており,文字板(8)を所要ナンバーに回転したとき,内
筒(2)の切欠溝(20)と外リング(5)の切欠溝(17)がラッチ(
9)と同一平面になるようになっており,この結果ラッチ(9)がラッチ回
動軸(10)を中心として回動し,フロント平面より収没するとともに,ラ
ッチ(9)が開扉施錠時,閉扉することにより,その背面の傾斜部(9a)
が受け(16)に衝接し,その長孔(9b)がラッチ回動軸(10)を案内
としてフロント面より収没するように構成したことを特徴とする文字合せ
錠。」とあり,引用発明1の「ラッチ9」の「傾斜面9a」が「受け(1
6)」に衝接し,互いに擦れ合うように構成されているといえる。
(3)相違点2に対する容易想到性の判断について
上記(1),(2)で認定したところによると,引用発明1も引用発明2も一方
の部材にラッチが設けられ,他方の部材にそのラッチと係合する係合部が設
けられ,一方の部材と他方の部材とを係合する際に,係合部とラッチの傾斜
面が衝接し,互いに擦れ合う構成である点で共通し,よって引用発明1の「
ラッチ9」も,引用発明2の「セカンダリラッチレバー」と同じ問題点が生
じているということができる。そうすると,引用発明1の「ラッチ9」に引
用発明2の構成を適用して,引用発明1の「ラッチ9」にコ字状の合成樹脂
よりなる樹脂カバーを被嵌して,その傾斜面を樹脂カバーで覆うようにする
ことは,当業者が容易になし得るものといえる。
また,証拠(甲8,9,乙1)によれば,本願の出願時において,平板材
に貫通孔を設け,貫通孔にて樹脂被覆材の平板材を挟む一対の平行な部分を
一対に連絡して固着することは周知の技術であったものと認められる。そし
て,前記(1)で認定した刊行物2の記載によると,引用発明2の「被嵌され
る樹脂カバー」は,1対の係合孔52が穿設され,樹脂カバーの係合突起を
係合孔に係合させて装着しているものといえる。そうすると,当該樹脂カバ
ーを上記周知技術を用いて固着するように構成するか,引用発明2のように
取り外し可能であって通常の作動時に外れることがないように構成するかは
当業者が必要に応じて適宜選択し得る程度のことであるというべきである。
したがって,相違点2は,引用発明1に,引用発明2及び周知技術を適用
して当業者が容易に想到し得るものであると認められるから,審決の判断に
は誤りはない。
(4)原告の主張について
ア原告は,審決には,相違点2に対する容易想到性の判断において,引用
発明1の構成として引用発明2を適用できる理由が示されていないと主張
するが,審決は上記容易想到性について理由を付して認定判断しており,
その判断に誤りはないことは前記(3)のとおりである。原告の主張は失当
である。
イ原告は,引用発明2における「樹脂カバー」はラッチの頭部全体を被覆
しているのであって,本願発明の「ラッチ本体の傾斜端縁に沿う部分に耐
摩部片を部分的に設ける」という技術的思想については記載も示唆もない
と主張する。しかし,本願発明には,耐摩部片がラッチ本体の傾斜端縁に
沿う部分に限って部分的に設けられることについて何ら規定されていない
から,これを前提とする原告の主張は,特許請求の範囲の記載に基づくも
のとはいえない。原告の主張は採用できない。
ウ原告は,引用発明2は自動車のフードのような大型の部材のラッチに関
するものであって,そのラッチをダイアル錠のような小さなものに適用す
ることはできないと主張する。しかし原告の主張は採用できない。
すなわち,前記(1)で認定したとおり,引用発明2の課題は,「フード
側のフック係合部が,セカンダリラッチレバーの傾斜縁に衝接し,次いて
それが互いに擦れ合うので,それらの衝接及び摺接部分の摩擦の進行が他
部に較べて早く,耐久性の向上及びフードの円滑な閉止操作の妨げとなっ
ている」であり,それは,フック係合部とラッチの傾斜縁とが衝接し,互
いに擦れ合う構成である場合に生じる問題点であって,ラッチ自体の大き
さが異なるものであるとしても,同様に生じる問題である。そして,引用
発明2も引用発明1もその課題及び構成が共通していることは前記(3)で
説示したとおりである。したがって,ラッチの大きさの相違は,何ら引用
発明1に引用発明2を適用することを妨げる事情とはなり得ない。
エ原告は,本願発明には顕著な作用効果があると主張する。しかし,原告
主張の効果は,耐摩耗部材を採用することによる効果にすぎず,しかも耐
摩耗部材を採用することは引用発明2の「樹脂カバー」において開示され
ているものである。原告の主張は採用できない。
3結論
以上のとおり,原告の主張する取消事由には理由がなく,審決を取り消すべ
きその他の誤りは認められない。
したがって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり
判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官飯村敏明
裁判官中平健
裁判官上田洋幸

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