弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人A弁護人山本仁の上告趣意は後記書面のとおりである。
 同第一点について。
 所論(イ)は、原審における検察官の冒頭陳述は、数名の被告人にかかる各別異
の事件が併合されている本件において、その提出の証拠のうち如何なる部分の証拠
をもつて被告人Aの起訴事実を立証せんとするのか不明であるから、刑訴二九六条
所定の趣旨に副わず且つ高等裁判所の判例に違反すると主張するのである。しかし
検察官の冒頭陳述は、訴訟の状況に応じ適宜すでに朗読した公訴事実を引用し又は
その冒頭陳述に代えて個々の立証趣旨を陳述するをもつて足りることは当裁判所の
判例とするところである(昭和二四年新(れ)第四八三号同二五年五月一一日第一
小法廷判決、集四巻五号七八一頁)。そして原判決の説明しているように、第一審
の第三回公判調書によると、検察官は、本件被告事件を解示して立証事項を明らか
にし、立証として被告人等の供述を内容としない書類を一応の順序に従つて取調請
求をしたのに対し、被告人及び弁護人は右の証拠調請求には異議を述べ、うち一部
の書類については証拠とすることに同意し、その証拠調の順序については然るべく
定められたいと述べていることが認められる。この経過から見れば、弁護人はこれ
らの書類の立証趣旨を了解したればこそ右のような陳述をしたと認められるのであ
つて、右公判調書の記載によつても、検察官の取調請求にかかる証拠の標目と公訴
事実とを対照するときは、その書類の立証趣旨は判明しないわけではないことは原
判決説明のとおりである。そして記録によると、その後も右の点について被告人側
からなんら異議を述べず証拠調の手続を進めている経過と合せ考えれば前掲当裁判
所の判例の趣旨に照し、第一審における検察官の冒頭陳述及び公判手続に所論のよ
うな刑訴違反は認められず、原審の判断は正当であつて、必しも所論引用の各判例
に反するものとはいえない。また所論(ロ)は、第一審公判手続において、弁護人
が同意しなかつた証拠につき所論のような順序を経て結局裁判所が証拠調を行い事
実認定の証拠に採用した手続が違法であると非難するのであるが、帰するところ単
なる刑訴法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。なお仮り
に所論のような手続があつたとしても到底原判決に影響を及ぼすものとは認められ
ないから、刑訴四一一条を適用し、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するも
のということはできない。
 同第二点について。
 論旨は事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
 また記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。
 よつて刑訴四〇八条により、全裁判官一致の意見をもつて主文のとおり判決する。
  昭和二八年五月一二日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛