弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人江口繁の上告理由第一点について。
 本件記録によれば、被上告人の本訴請求は、被上告人が本件第一建物を上告人に
賃貸するにあたつて、右建物使用の必要上、その敷地たる銃身に相当する本件土地
の使用をも含めて契約を締結したものであり、右契約関係は、第一建物の賃貸借契
約の解除に伴い当然に終了した旨の事実主張を黙示的に包含し、第一建物の賃貸借
契約の解除に基づき同建物の明渡を求めるとともに、本件土地の使用契約関係の終
了に基づき本件第二建物の收去およびその敷地部分の明渡を求めるものと解するに
難くない。しかして、原判決の是認引用する第一審判決理由によれば、原審は、被
上告人と上告人間には、第一建物の賃貸借、本件土地中第二建物の敷地部分の転貸
借および原判示煉瓦塀の使用を含む複合的な一個の契約が成立したが、右契約は上
告人の賃料債務不履行により解除された事実を確定し、本訴請求を認容すべきもの
としたのである。
 叙上被上告人の主張事実と原審の認定事実とを対比考察するに、被上告人主張の
契約関係と原審認定の契約関係との間には、社会観念上、同一性を肯認しえられな
くはない。されば、原審がその認定にかかる契約関係の解除を理由として、本訴請
求を認容すべきものとしたことをもつて、当事者の申し立てない事項につき判決し
た違法があるということはできない。所論は採用できない。
 同第二点について。
 (一) 前段説示のとおり、被上告人主張の契約関係と原審認定の契約関係との
間に同一性を肯認しえられる以上、原審が当事者の主張しない事実に基づき判決し
た違法があるとなしえないことは明らかである。
 (二) 記録によれば、被上告人は、本件請求原因事実として、明示的には、民
法五四一条に基づく第一建物の賃貸借契約の解除の具体的事実を陳述し、これに対
し、上告人は、被上告人の主張した右一連の具体的事実を認める旨陳述したにすぎ
ない。したがつて、原審が、当事者間に前示のいわゆる複合的契約が成立し、右契
約に基づく賃料の支払を上告人が遅滞したので、被上告人においてその支払を催告
したうえ右契約解除の意思表示をしたとの事実の全体が当事者間に争いのないもの
としたことは、前示上告人の自白した範囲を超える部分につき、事実を誤認したも
のといわざるをえない。しかし、上告人が自白した前示事実関係のもとにおいて第
一建物の賃貸借契約が終了したことは明白であり、しかも、原判示によれば、第二
建物の敷地部分の転貸借契約は、第一建物の賃貸借契約に付随するものであつて、
その存続について後者と運命をともにする趣旨のものであると解せられるから、第
一建物の賃貸借契約が終了した以上、第二建物の敷地部分の転貸借契約もまた当然
終了し、被上告人は、第二建物の收去とその敷地部分の明渡を請求しうべき筋合い
である。されば、原判決の前示違法のごときは、上告人に第二建物の收去ならびに
その敷地部分の明渡義務があるとした原判決究極の判断にはいささかの影響をも及
ぼさないものといわなければならない。
 所論はいずれも採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊

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