弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破毀する。
     本件を名古屋高等裁判所に差戻す。
         理    由
 弁護人鍛治利一同新家猛の上告趣意は、末尾に添えた書面記載の通りである。
 記録を調べてみると、被告人の原審弁護人Aは、昭和二三年一二月二日の原審公
判において医師Bの証人訊問を請求したところ、原審は、昭和二四年一月一八日の
公判において、留保にかゝる右証人訊問の請求を却下する決定を言渡しながら、原
判決において被害者Cに対する傷害の部位程度を認定するにつき、医師Bの診断書
を証拠として引用していること明らかである。医師が過去において診察した被害者
の傷害の部位程度を記載した診断書は、刑訴応急措置法第一二条第一項に規定する
証人その他の者の供述を録取した書類に代わるべき書類に当ることはいうまでもな
いところである。そして、同条にいう「被告人の請求」には弁護人の請求をも含む
ことは、すでに当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第八四号同二三年四月二一日大
法廷判決)によつて明らかである。しかるに、原審は、前記診断書の作成者である
医師Bに対し公判期日において訊問する機会を被告人に与えないで、右診断書を証
拠としたのであるから、原判決は同条第一項本文にまさしく違反するものと言わな
ければならない。もつとも、医師の作成した診断書のごとき書面は、新刑事訴訟法
の下においては同法第三二三条第二号若しくは第三号に当る書面として、その作成
者を公判期日において訊問しないでも、これを証拠とすることができるのではない
かとの問題を生ずるが、本件は、刑訴施行法第二条により旧刑訴法及び刑訴応急措
置法の適用があるいわゆる旧事件であるから、新刑訴法の規定によるわけにはいか
ない。記録によると、医師Bは、高山市に開業していることが明らかであるから、
同人を原審の所在地名古屋市に喚問することは、医師の業務に相当の影響を及ぼす
ことはもちろんであるが、それだからといつて、刑訴応急措置法第一二条第一項但
書にいう作成者を公判期日において訊問する機会を被告人に「与えることができず、
又は著しく困難な場合」に当ると認めることもできない。それゆえ、本件は、右但
書に規定する場合にも当らないのである。されば原審が前記診断書を証拠としたこ
とは、刑訴応急措置法第一二条第一項の規定に違反したものであつて、論旨は理由
があり、原判決はこの点において破毀を免かれない。
 よつて、その他の点に関する論旨については判断を省略し、旧刑訴第四四七条第
四四八条ノ二に従い、主文の通り判決する。
 以上は、当小法廷裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 竹原精太郎関与
  昭和二四年一一月二二日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穂   積   重   遠

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