弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     第一審判決を取り消す。
     債権者A(上告人)と債務者訴外D間の広島地方裁判所昭和二八年(ヨ)
第二六九号事件の債権仮差押命令に基き、右債権者が同年六月二日訴外株式会社E
銀行F支店に対するD名義の当座預金債権(同日現在の預金高は金一二三、四四八
円)につきなした仮差押の執行はこれを許さない。
     訴訟の総費用は全部上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人栗原良哉の上告理由第一ないし第四点について。
 論旨第一ないし第三点は、原審がその裁量権の範囲内で適法になしたと認められ
る証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰し、また、右事実関係によれば、本件は
同第四点所論の如き債権譲渡の対抗要件をそなえる必要のない場合であること明ら
かであるから、所論はいずれもこれを採用し難い。
 同第五点について。
 本件第一審口頭弁論において、被上告人(原告)が陳述した訴状に記載されてい
るところは、必ずしも明確であるとはいえないが、その全趣旨に徴すれば、被上告
人は本件仮差押命令の当否を問題としているのではなく、主文掲記の預金債権は、
その名義にかかわらず、被上告人に属するがゆえに、債権者たる上告人の債務者た
る訴外Dに対する債権仮差押命令に基づき、右預金債権に対してなした仮差押の執
行は許されるべきではないと主張しているものであることを看取することができる。
すなわち前記訴状には、請求の趣旨として、前記仮差押命令に基く本件預金債権の
仮差押はこれを許さないとの判決を求める旨記載されているけれども、その言わん
とするところは、本件預金債権に対する仮差押の執行を許さない旨の宣言を求める
にあると認めるを相当とする。そうだとすれば本件は民訴七四四条の仮差押異議事
件ではなく、同法七四八条、五四九条による仮差押の目的物に対する第三者の異議
事件であるといわなければならぬ。しかるに第一審裁判所は、「債権者被告(上告
人)と債務者D間の広島地方裁判所昭和二八年(ヨ)第二六九号債権仮差押事件に
ついて、同裁判所がなした仮差押決定はこれを取消す」旨の判決をなし、原審もま
た、漫然第一審判決を正当として、控訴を棄却したものであつて、第一、二審とも
法令の適用を誤つた違法があるものといわなければならない(昭和二九年(オ)三
八号、同三二年一月三一日第一小法廷判決、集一一巻一号一八八頁参照)。よつて
原判決を破棄し、第一審判決を取り消すべきところ、原審は、訴外銀行F支店に対
する主文掲記のD名義の預金債権は、被上告人に属し、上告人は前示仮差押命令に
基き、昭和二八年六月二日これに対して仮差押の執行をなしたことを確定したもの
であつて、右事実によれば、本件はすでに判決をなすに熟し、右仮差押の執行はこ
れを許すべからざること明白である。よつて右執行不許の宣言を求める被上告人の
請求は、その理由があり、これを認容すべく、民訴四〇八条一号、九六条、八九条
を適用し、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛