弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。(ただし、原判決主文第一項は、請求減縮によ
り、「控訴人は被控訴人に対し金三一一、四一〇円及びこれに対する昭和三四年五
月二二日から支払済まで年六分の割合による金員を支払え。」と変更されてい
る。)
     控訴費用は控訴人の負担とする。
         事    実
 控訴人は、「原判決を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二
審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、
 被控訴人は主文第一項同旨の判決(主文第一項ただし書のとおり請求の趣旨を減
縮)を求めた。
 当事者双方の主張、証拠の提出、援用、認否は、以下に訂正補充する外、原判決
事実記載と同一であるから、ここにこれを引用する。
被控訴人は、
 「被控訴人は、現に、控訴人の振出した左記約束手形一通(本件手形)の所持人
である。
  金 額   三一一、四一〇円
  支払期日  昭和三四年四月二三日
  支払地   泉佐野市
  支払場所  株式会社大和銀行佐野支店
  振出地   泉佐野市
  振出日   昭和三四年一月一五日
  振出人   大阪府泉佐野市二九四三
        角谷製綱有限会社
         代表取締役 A
  受取人   角谷製綱出張所
  第一裏書(白地式)裏書人、大阪市a区bc丁目d番地
        角谷製綱出張所
         C
 第二裏書裏書人、D
 第二裏書被裏書人欄、当初の記載は判明しないが、インク消で当初の記載を抹消
した上に二本の縦の抹消
  線が引いてある。
 第三裏書(白地式)裏書人、E(被控訴人)
 よつて、被控訴人は控訴人に対し本件手形金三一一、四一〇円及びこれに対する
支払命令送達の日の翌日である昭和三四年五月二二日から支払済まで年六分の割合
の遅延損害金の支払を求める。」
 と述べ、
 控訴人は、
 「Dより被控訴人への本件手形譲渡行為は、訴訟行為を為さしめることを主たる
目的として為されたものであり、信託法第一一条違反により、無効である。」
 と述べ、
 証拠として、控訴人は、乙第一号証の一、二を提出し、原審証人Dの証言(第二
回)、当審証人B、同F、同Dの各証言を援用し、
 被控訴人は、原審証人Dの証言(第一回)を援用し、乙号各証の成立を認め、
 当裁判所は、職権で被控訴人本人を訊問した。
         理    由
 成立に争ない甲第一号証、控訴会社代表者本人Aの原審供述、被控訴人本人の当
審供述によれば、被控訴人が、現に、控訴人の振出した左記約束手形一通を、所持
する事実を認め得る。
  金額、 三一一、四一〇円
  支払期日、昭和三四年四月二三日
  支払地、 泉佐野市
  支払場所、株式会社大和銀行佐野支店
  振出地、 泉佐野市
  振出日、 昭和三四年一月一五日
  振出人、 大阪府泉佐野市二九四三
         角谷製綱有限会社
          代表取締役 A
              受取人、角谷製綱出張所
  第一裏書(白地式)裏書人、大阪市a区bc丁目d番地
         角谷製綱出張所
          C
  第二裏書裏書人、D
  第二裏書被裏書人欄、当初の記載は判明しないが、インク消で当初の記載を抹
消した上に、二本の縦の抹
   消線が引いてある。
      第三裏書(白地式)裏書人、E(被控訴人)
     まず、本件手形の受取人「角谷製綱出張所」と第一裏書の裏書人「角谷
製綱出張所C」との間には裏書の連続が認められる。
 <要旨>つぎに、手形の記名式裏書の被裏書人の記載だけが抹消されているとき、
当該裏書は白地式裏書としての効力があるものと認めるのを相当とする(右
抹消が無権限者によつてなされた事実が立証されても、当該裏書の白地式裏書とし
ての資格授与的効力を否定することはできず、形式的資格ある所持人の実質的権利
を否定するためには、所持人が悪意又は重大な過失により手形を取得したとの手形
法第一六条第二項但書の要件を、手形債務者において主張立証しなければならな
い)。よつて、本件手形の第二裏書は白地式裏書としての効力があるものと認めら
れる。
 手形の最後の裏書まで裏書の連続があり、最後の裏書が白地式裏書である場合、
白地式で最後の裏書をした裏書人が現に右手形を所持するとき、右裏書人は右手形
の適法の所持人であると解するのを相当とする。
 したがつて、現に本件手形を所持している被控訴人は本件手形の適法の所持人で
あると認められる。
 よつて、控訴人主張の抗弁について判断する。
 (イ)控訴会社代表者本人の原審供述と当審証人Bの証言によれば、控訴会社代
表者Aは受取人欄白地の本件手形をBに交付して本件手形を振出したこと、本件手
形振出当時、Bは通名Cと称するとともに、角谷製綱出張所なる商号を使用し独立
して控訴会社の商品購入の代行をしたり、外部との事務連絡に当つていたことを認
め得る。
 よつて、振出人と受取人とが同一人であるとの抗弁は、前提事実も欠如し、排斥
を免れない。
 (ロ)控訴人の第一裏書無効の抗弁は、第一裏書が控訴会社の裏書であることを
前提としてなされているのであるが、そうでないことは前記の通りであるのみなら
ず、被控訴人が悪意又は重大な過失により本件手形を取得したという手形法第一六
条第二項但書の要件を、控訴人において主張立証しない限り、被控訴人の本件手形
金請求を排斥することはできないから、右の要件の主張立証のない本件において
は、第一裏書の実質的効力のみを判定しても無意味である。
 よつて、第一裏書無効の抗弁は採用できない。
 (ハ)被控訴人本人の当審供述によれば、被控訴人は、Dより、本件手形は綱材
代金支払のため交付を受けたもので、期日には確実に落ちるから割つてくれと依頼
され、その言を信用して、本件手形を割引取得した事実が認められ、右認定を覆え
すに足る証拠はない。
 よつて、控訴人主張の悪意の抗弁は採用できない。
 (ニ)被控訴人から本件手形を取得したいきさつは前記の通りであるから控訴人
主張の信託法第一一条違反の抗弁の採用できないのは自明である。
 よつて、被控訴人の控訴人に対する本件手形金三一一、四一〇円及びこれに対す
る支払命令送達の翌日であること記録上明かな昭和三四年五月二二日から支払済ま
で年六分の割合の遅延損害金の支払を求める本訴請求はこれを認容すべく、本件控
訴を棄却し(ただし、原判決主文第一項は、請求減縮により、主文第一項ただし書
のとおり変更されている)、民事訴訟法第八九条を適用し、主文のとおり判決す
る。
 (裁判長裁判官 石井末一 裁判官 小西勝 裁判官 岩本正彦)

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