弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     上告人A1の上告を棄却する。
     右上告費用は同上告人の負担とする。
     上告人A2の上告につき、原判決を破棄し、本件を東京高等裁判所に差
し戻す。
         理    由
 上告代理人菅沼清、同我妻菊次の上告理由第一、二点について。
 Dは上告人A1から本件宅地を買受けたものであることは原判決の確定するとこ
ろであるから、たとえその後Dは右宅地を他に贈与した事実がありとしても、同人
はそれが為めに買主として売主たる上告人A1に対して有する移転登記請求権を失
うものと解すべきでない。従つてこの点に関する原判決の判断は正当であつて、こ
れを論難する論旨は理由がない。よつて上告人A1の上告は棄却すべきものである。
 次に上告人A2は昭和二九年三月一九日上告人A1との間に本件宅地につき売買
の予約を為し、(上告人A1が本件宅地をDに売渡した後)同日右宅地につき売買
予約に基く所有権移転の請求権保全の仮登記をしたことは原判決の確定するところ
であり、(なお、原判決は右売買予約は、右A1と上告人A2との通謀虚偽の意思
表示であるとの被上告人側の主張に対して、かかる事実をみとめる証拠はないとし
てこれを排斥している)そして本件宅地が上告人A1からDに売渡され、同人から
Eに贈与され、Eから更に被上告人に売渡された事実は原判決のみとめるところで
あるが、右各所有権の移転についてはいずれも登記を経由していないことはまた原
判決の確定するところである。
 とすれば、Dは上告人A1からの買受につき登記を経ていない以上その所有権の
取得をもつて、既に前叙のごとく売買の予約にもとづく請求権保全の仮登記をした
上告人A2に対して対抗することができないものと解しなければならない。けだし、
上告人A2は売買の予約をしたにとどまり、未だその完結、本登記をしていないと
しても、既にその売買の予約につき前記のごとき仮登記をした以上、Dの登記の欠
缺を主張する正当の利益ある第三者と解すべきは当然であるからである。従つて右
Dは上告人A2に対し右請求権保全の仮登記の抹消を請求する権利を有しないもの
であり、被上告人も右Dの上告人A2に対する登記抹消請求を代位するに由ないも
のといわなければならない。しかるに原判決が右の法理を誤り、被上告人の上告人
A2に対する本訴請求を容認したのは違法であつて、この点に関する論旨は理由が
ある。よつて原判決中上告人A2に関する部分は破棄を免れない。
 よつて、上告人A1の上告は、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、
これを棄却し、上告人A2の上告については、民訴四〇七条一項により、原判決を
破棄し、これを東京高等裁判所に差し戻すべきものとし、裁判官全員の一致で主文
のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
 裁判長裁判官小谷勝重は退官したので署名押印できない。
            裁判官    藤   田   八   郎

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