弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人久末直二の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りであるが、共同被告人の供
述を被告人の自白の補強証拠とすることは差支えないものであること当裁判所の判
例の明らかに示すところである(昭和二三年(れ)第一一二号、同年七月一四日大
法廷判決、昭和二三年(れ)第一六七号、同年七月一九日大法廷判決)から、第一
審判決が、共同被告人A(窃盗本犯)の検察官に対する供述調書の記載を被告人の
贓物故買の知情の点に関する自白の補強証拠として援用したことについて、原判決
において「窃盗犯人が共同被告人であるとの理由でその者の供述が証拠力のないも
のであるということはできない」と判示したことは正当であつて、第六点所論の如
き憲法違反はないし、その他の論旨はいずれも刑訴第四〇五条所定の上告理由に該
らない。そして原審挙示の証拠により原審認定の事実は十分認められるのであり、
判決に影響を及ぼすべき違法も存しない。その他記録を精査しても刑訴第四一一条
を適用すべきものとは認められない。
 よつて刑訴第四〇八条に従い裁判官全員一致の意見により主文の通り判決する。
  昭和二六年五月二二日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保

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