弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件特別抗告を棄却する。
         理    由
 申立人の審判請求事件記録及び本件特別抗告事件記録に徴すれば、申立人は昭和
二六年三月一三日広島地方裁判所に対し、検事A、検察事務官B、同C、同D、同
E、警察職員F、同G、同Hの八名は共謀の上職権を濫用して申立人を逮捕監禁し
たとの事実につき、刑訴二六二条に基く審判請求をなし、次いで、同年四月一三日
同裁判所に対し、検察事務官Iには刑法一九三条の犯罪ありとして同人に関し、同
様審判請求をしたところ、同裁判所は同年九月一八日前記A外七名には告訴にかか
る犯罪なしとの理由で、Iについては告訴を経ていないから不適法として、刑訴二
六六条一号に基き申立人の審判請求を棄却する旨決定し、右決定は同月二一日申立
人に送達されたので、申立人は同月二五日右決定に対し本件特別抗告を当裁判所に
申し立てた事実を認めることができる。
 しかし、最高裁判所に特別抗告をすることが許されるのは、その対象である決定
又は命令に対しては刑訴法により不服を申し立てることができない場合に限られる
のであつて、原決定又は命令に対し、刑訴法上抗告若しくは異議の申立をする途の
ある場合には、その原決定叉は命令に対しては直接最高裁判所に特別抗告を申し立
てることは許されず、刑訴法の定めるところに従つて、所定の裁判所に抗告若しく
は異議の申立をしなければならないものであることは、刑訴四三三条の定めるとこ
ろである。そして刑訴四二〇条一項によれば、「裁判所の管轄又は訴訟手続に関し
判決前にした決定」に対しては特に即時抗告を許す旨の規定のある場合のほかは抗
告をすることはできないのであるが、刑訴二六六条一号の審判請求を棄却する決定
は、同四二〇条一項にいう「裁判所の管轄に関してした決定」とはいえないことは
論のないところであるので、右決定が同条項の「訴訟手続に関し判決前にした決定」
にあたるか否かを按ずるに、右に「訴訟手続に関し判決前にした決定」とは、判決
を目標とする訴訟手続に関しその前提としてなす個々の決定をいうのであつて、右
条項は、これらの決定については一々独立に不服を許さなくても、終局の判決に対
して上訴を許しさえすればこれらの決定の当否に対する救済はできるので、これら
の決定に対しては原則として抗告することは許さないものとしたのである。しかる
に、審判請求を棄却する決定のように公訴を提起しないことを是認する決定は、判
決を目標とするものということはできないから、右の「訴訟手続に関し判決前にし
た決定」にはあたらない。してみれば右審判請求を棄却する決定は、刑訴四一九条
の「裁判所のした決定にあたり、しかも右決定に対しては不服を許さないとする特
別な規定は存しないのであるから、右審判請求を棄却する決定に対しては、刑訴四
二一条によつて何時でも高等裁判に通常の抗告をすることができるのである。それ
ゆえ本件審判請求を棄却した決定は、刑訴法により、不服を申し立てることができ
る決定であるから、申立人が右決定に対し通常の抗告をしないで直接当裁判所に申
し立てた本件特別抗告は、刑訴法四三三条の要件を具えない不適法のものであつて、
棄却を免れないものである。
 よつて刑訴四二六条一項に従い主文のとおり決定する。
 この裁判は裁判官全員一致の意見である。
  昭和二八年一二月二二日
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    井   上       登
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    谷   村   唯 一 郎
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎
            裁判官    入   江   俊   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛