弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人江見盛秀の上告理由第一点、第二点、第三点後段、第四点ないし第六
点について。
 原判決が確定した事実によると、本件建物は訴外D名義で所有権保存登記がなさ
れていたが、その実質上の所有権は当初から訴外Eにあつたものであるところ、上
告人は右Eより昭和二九年六月一日同人に対する貸金債権三〇〇万円中の五〇万円
に対する代物弁済として本件建物所有権を取得した(所有権移転登記前ではあるが
所有権を移転する旨の特約があつた。)けれども、その旨の登記未了の間に、右事
実を知らない被上告人らは、同人らのEに対する各債権を保全する必要から、まず
同年六月二四日被上告会社においてEのDに対して有する本件建物の所有権移転登
記請求権を代位行使してE名義に登記手続を経由し、ついで被上告人らは、本件建
物につき同年六月二八日東京地方裁判所の仮差押決定をえてその旨の登記手続を経
由し、その後において、上告人は昭和三二年七月一九日に至つてはじめて前記代物
弁済による所有権取得登記をなしたというのである。このような事実関係のもとに
おいては、たとえ被上告人らの申請にかかる前記各登記のなされた当時既に本件建
物の実質上の所有権が上告人に移転していたとしても、その旨の登記がなされてい
なかつた以上、上告人は右所有権取得の事実をもつて被上告人らに対抗できないも
のであり、また、特段の事情のない本件においては(中間省略登記の合意が有効に
成立した事実がないことの原判示判断が正当なことは、後記論旨第三点前段につい
ての理由参照)、前記代位されたEのDに対する移転登記請求権は当時消減してい
なかつたと解すべきであるから、被上告人らのした前記代位登記ならびに仮差押登
記は、いずれも有効と解すべきである。したがつて、その後に至つて上告人が本件
建物につきEよりの代物弁済による所有権取得登記をしたとしても、仮差押権者で
ある被上告人らに対抗ではないこともまた明らかである。されば、これと同趣旨の
見解にたつ原判示判断は正当として是認すべきである。論旨は、独自の法律的見解
に立脚して原判示を論難するものであつて、いずれも採用するを得ない。
 同第三点前段について。
 Dにおいて中間省略登記の合意をしたことがないとの原判決の事実認定は、挙示
の証拠関係から肯認できる。そして、原判決は「他にこれを認めるに足る証拠はな
い。」と判示して、所論甲三号証の一ないし三ならびに証人Fの証言を排斥した趣
旨であることは原判文上明らかであり、このことは記録に徴し首肯できる。論旨は、
原審の裁量に委ねられた証拠の取捨、事実認定を非難するにすぎず、採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         最高裁判長裁判官    斎   藤   朔   郎
              裁判官    入   江   俊   郎
              裁判官    下 飯 坂   潤   夫
 裁判官高木常七は退官につき署名押印することができない。
           裁判長裁判官    斎   藤   朔   郎

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