弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人阿部正一の上告理由第一点について。
 所論は、原判決添付第三目録中の漢字又は仮名をもつてDと記載された投票を候
補者Eに対する有効投票である旨を主張するに帰する。しかし原判決のこの点に関
し認定する事実によれば、本件選挙区内にDなる人物が実在し、しかも同人はこの
地方において小学校教員、わら工品等の販売業をなした後、新聞販売業に転じ、他
方a町議会議員に当選し、また衆議院議員の選挙運動に関係する等、相当名を知ら
れているというのである。してみれば原審がこれらの投票は、候補者にあらざる同
人に対する投票として無効とすべきものと断じたのは相当である。上告理由は多く
の判例を引用してその主張を強調するけれども、訴外人がその者に対する投票と認
められるほど、地方的に著名であるかどうかに帰着する問題であつて、具体的場合
により判断が異ることのあるのは当然であり、本件については、原審の判断を特に
不合理と認めるに足りない。
 同第二点について。
 所論は、第三目録中の「G」等と記載した投票は、Gとは、候補者Eの通称であ
るから、有効投票と認めるべきであると主張する。しかし原判決の認定する事実に
よれば、E候補の家の当主は、代々「F」を名のり、現にFを名のる当主は候補者
の実父であつて、投票当日において本件選挙区内のa町々長選挙の候補者となつて
いる。そしてFは「G」と略称され、この略称はH家の家号と化し、また家号たる
と共に、他面Fの通称として一般に使用され、当主でない候補者や他の家族の一員
を指称するために使用されていないのみならず、当主Fは三〇年位前に「F」を襲
名し、a町に居住し、町会議員の職に在り、近時町長を勤め、さらに町長選挙に当
り立候補していることが認められ、その他公私各般の職に就いて広く活躍している
というのである。してみれば原判決が右の投票をEの実父Fへの投票と見て無効投
票としたのは相当であつてその判断を誤りということはできない(なお昭和二九年
二月一二日第二小法廷判決〔集八巻二号四八三頁〕。昭和二六年一〇月三〇日第三
小法廷判決〔集五巻一二号六三七頁〕。仙台高裁秋田支部昭和二八年七月一三日判
決〔行政事件裁判例集四巻七号一六六〇頁各参照〕)。
 同第三点ないし第七点について。
 所論について、原判決の挙げる証拠と説示とを精しく検討してみると、原判決の
所論投票の効力に関する判断は、その理由とするところにより十分に首肯すること
ができる。所論は採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔

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