弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 被告人及び弁護人伊藤憲郎の各上告趣意について。
 所論は、いずれも単なる法令違反及び事実誤認の主張をいでず、刑訴四〇五条の
上告理由に当らない。
 記録によつて原判決を委しく検討してみると、判示認定の犯罪事実を認めるに十
分であつて、所論指摘のごとき事実誤認の疑いは全く存しない。またかかる事実関
係の下において、被告人の判示各所為が業務上横領罪を構成することも明白であつ
て、原判決には、論旨主張のごとき法令の違反もない。(なお所論について記録を
調べてみると、原判決の確定する事実によれば、被告人は判示本山土木出張所庶務
課長の兼職たる同所勤務県出納員たる資格において、法規上の権限に基くものでは
ないが、事実上慣例として同出張所の正当業務を運営するための維持費である原判
示のいわゆる機密費その他の現金保管の業務をも行つていたが、その間に原判示の
方法により捻出されて被告人が業務上保管中の公金であるいわゆる機密費としての
現金合計二五万円を、被告人自身の判示用途に充てるためほしいままに着服したと
いうのである。かかる場合、(一)その現金は、元来同出張所の正当な業務運営の
ために使用すべく捻出されたものであつて、同所の所長、出納員、その他の職員又
は関係者の私有物とし、被告人等の意のままに、自由に支配費消しうる意図をもつ
て捻出されたものではないことは明らかであるから、右現金の所有権は依然として
県に属し、県所有の公金が単に所在を変えたに過ぎないものと認むべきである。〔
昭和五年(れ)第七三二号同年七月七日大審院判決、刑集九巻八号四七九頁参照〕。
次に(二)被告人が右現金を保管していたのは、被告人の判示出張所の庶務課長兼
県出納員としての法規上の権限に基く職務行為としてではなく、これに関連し、そ
の資格において事実上慣例として、判示出張所の正当業務を運営するために行つて
いた事務に過ぎないことは、記録上うかがわれるが、ある職務を有する者が、その
職務上の行為ではないが、それと関連して慣例上又は関係者の協議上ある事務を執
行する場合においては、これを刑法二五三条にいう業務というを妨げないと解すべ
きである。〔昭和二三年(れ)第一七四号同年六月五日当裁判所第二小法廷判決、
刑集二巻七号六四七頁参照〕。さらに(三)被告人の保管にかかる原判示現金が判
示のような違法な方法により県直営土木工事予算を現金化したものであつても、そ
の一事により直ちに被告人の受託にかかる右金員が、不法の原因に因り給付を受け
たものということを得ないのみならず、仮りに不法の原因に因る給付であるため、
寄託者が寄託物の返還請求権を有しない場合においても、受託者がこれを不法領得
の意思をもつてほしいままに処分すれば、横領罪の成立することは当裁判所判例の
認めるところである。〔昭和二三年(れ)第八九号同年六月五日第二小法廷判決、
刑集二巻七号六四一頁参照〕。また(四)仮りに被告人において、判示横領金員を
後日に補填する意思と資力があつたとしても、横領罪の成立を妨げないと解すべき
である。〔昭和二三年(れ)第一四一二号同二四年三月八日第三小法廷判決、刑集
三巻三号二七六頁参照〕。以上説示するように各論旨じたいについても採用するこ
とはできない)。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で
主文のとおり決定する。
  昭和三三年一月一四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己

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