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○玩具「ファービー」人形のデザインは美術の著作物に該当しないと判断された事

平成14年7月9日判決宣告
仙台高等裁判所平成13年(う)第177号著作権法違反被告事件
(原審山形地方裁判所平成111年(わ)第184号平成13年9月26日判決
宣告)
主文
検察官の本件各控訴を棄却する。
理由
第1控訴趣意及び答弁
本件各控訴の趣意は,山形地方検察庁検察官圓山慶二作成の控訴趣意書に,
これに対する答弁は両被告人の主任弁護人冨島智雄及び弁護人山崎智義連名作
成の答弁書に,それぞれ記載のとおりであるから,これらを引用する。
1控訴趣意の骨子は,原判決が,アメリカ合衆国の玩具メーカーであるタイガ
ー・エレクトロニクス・リミテッド社が著作権を有する玩具「ファービー」の
,,デザイン形態はわが国著作権法上の美術の著作物には当たらないとしたのは
,,,著作権法の解釈適用を誤ったものであるというのであり控訴趣意の大要は
以下のとおりである。
(1)著作権法上保護される美術の著作物の定義について,明文の規定はなく,
絵画,彫刻等専ら鑑賞目的で創作される美的創作物である純粋美術がこれに
当たることは法文上明らかであるが,これに対し,実用に供され,あるいは
産業上利用される美的創作物であるいわゆる応用美術が著作権法上保護され
るか否かについては,意匠法との重畳適用の問題とも関連して,かねてから
,,,議論のあるところであるが従来の裁判例においては応用美術についても
純粋美術と同視しうる場合には美術の著作物と認めていると解される。この
純粋美術と同視しうる場合とは,裁判例の中には,判文上は高度な美的表現
を要求しているようなものもあるが,実際の事例を見れば,必ずしも絵画や
彫刻等の典型的ないし高度な美的創作物と同程度の高度な美的表現がなされ
ているものに限定されていないことは明らかであり,そもそも純粋美術につ
いては美術性の高低や芸術性が問題とされていないのに,応用美術について
のみそれを問題とする合理性はない。また,裁判例には,美の表現が実用目
的により実質的に制約されている場合は著作物性を否定しているものもある
が,それは,美的表現がそもそも実用目的のための補助的機能を果たしてい
るにすぎないような,言い換えれば,実用目的による制約が極めて強い場合
,。,,に著作物性が否定される趣旨であると解される結局従来の裁判例では
美的表象が実用面や機能面を離れて一つの完結した美的表現を追求したもの
と認められるか否かによって,著作物性を判断する姿勢をとっているといえ
る。そして,この美的の意味については「美しい」もののみならず,見る,
者をして驚きや感動を与え,あるいは愛らしさ,親しみ,愛着を抱かせるな
ど,鑑賞の対象となりうるものであれば,広い範囲のものが含まれるという
べきである。
「ファービー」は,ペットを飼育しているかのような楽しみを感じさせる
ため,ペットを飼育する際に感じる喜怒哀楽といった様々な感情を想起させ
,,ることを意図してそれを目的に開発された育成型電子ペットであるところ
そのデザイン形態は,使用者の感性に訴え,愛らしさ,親しみを覚えさせる
よう工夫して創作されたものであり,二頭身のずんぐりした体型を長い毛で
覆い,大きな耳,丸くくりっとした目,長くカールされたまつげ,小さなく
ちばしというような容貌姿態は,使用者の感性に訴えかけるという制作者の
思想を具体的に表現したもので,愛らしさがあって親近感や愛情を抱かせる
という意味での鑑賞の対象となる美的特性を備えており「ファービー」の,
デザイン形態が著作物であることは明らかである「ファービー」において。
は,機能上,センサーを取り付ける必要があり,そのため一部にプラスチッ
クを使用せざるを得ないという技術的制約があるものの,使用するプラスチ
ックの色,形,大きさ,位置,バランス等選択できる多様なデザインの中か
ら,使用者の感性に訴えるという美的特性を備えさせるよう工夫されたもの
であり,実際にも,多くの者が多数のカラーバリエーションのすべてを購入
して鑑賞し,あるいは「ファービー」を着せ替え人形として鑑賞して楽しむ
などしており「ファービー」のデザイン形態が,使用者の感性に訴えると,
いう美的特性を有するが故に,美的鑑賞の対象とされているといえるのであ
る。
原判決は「実用品のデザイン形態であっても,客観的に見て,実用面及,
び機能面を離れ独立して美的鑑賞の対象となる美的特性を備えているものに
ついては,純粋美術としての性質を併有しているといえるから,美術の著作
物として著作権法の保護が及ぶと解される」としながら「ファービー」。,
のデザイン形態は「全身を覆う毛のぬいぐるみから動物とは明らかに質感,
の異なるプラスチック製の目やくちばし等が露出しているなど,これが玩具
としての実用性及び機能性を離れ独立して美的鑑賞の対象となる美的特性を
備えているとは認め難い」と判示して,その著作物性を否定している。し。
かし,原判決は「全身を覆う毛のぬいぐるみから動物とは明らかに質感の,
異なるプラスチック製の目やくちばし等が露出している」ことが,なぜ美的
鑑賞の対象となる美的特性を否定する理由になるのかを明らかにしておら
ず,そもそも美の表現において素材は問題とならないはずであり,玩具,特
にぬいぐるみは,主として日常生活の利便性に資することを意図して製作さ
れる実用品とは本質的に違い,使用者の感性に訴えることが基本とされ,往
々にして飾り物や置物として鑑賞の対象とされているのであって,玩具ある
いはぬいぐるみが,同じ大量生産にかかるものであっても,実用品とは異な
る特性を持つことを,原判決は正しく認識,評価していない。
「ファービー」のデザイン形態は創作されたものであり,映画「グレムリ
ン」に登場するキャラクター「ギズモ」と比較しても,耳の形状や頭とのバ
ランス,眼球の形状,目と顔のバランス,鼻の有無,口の形状等多数の相違
点があって,模倣性はない。
(2)原判決は,応用美術に著作権の保護が及ぶと,意匠制度の存在意義を減殺
しかねないとしているが,応用美術に著作権法と意匠法との重畳適用を認め
ても支障はない。
,。模倣商品の譲渡等の取締りは不正競争防止法によっては有効にできない
玩具業界では,模倣商品への対応に著作権法を活用している実態がある。
2弁護人の答弁の骨子は,原判決が「ファービー」のデザイン形態は,わが,
国著作権法上の美術の著作物には当たらないとした判断は,正しいというので
あり,答弁の大要は,以下のとおりである。
(1)わが国の現行著作権法は,その立法経過に照らしても,意匠法等工業所有
権制度との調整から,著作権法の「美術の著作物」には原則として応用美術
を含めず,例外として美術工芸品は「美術の著作物」に含むとの立場を採っ
ているのであり,これは,一品制作の美術工芸品は純粋美術に近いことが考
慮されたものである。
応用美術の著作物性に関するこれまでの裁判例に示された美術の著作物性
の判断基準に照らすと「ファービー」のデザイン形態は,客観的に見て電,
子玩具のデザイン形態として産業上の利用を目的に創作され,玩具としての
,,「」機能を離れて美的鑑賞の対象となりうる代物ではなくまたファービー
の顔面の額部にセンサーが取り付けられた扇型の窓が設置され,眼球の上下
動を支え,顔全体をプラスチックで一体成型するため,両目の間に額の窓と
くちばしの上部をグロテスクな半円部分で結合させており,これらは実用面
からの技術的制約であり,さらに,半球形のくちばしが真横に切れて上下に
動くのも,音声を発するための仕掛けにすぎず「ファービー」の顔面部分,
は,すべて実用面からの技術的制約に従って制作されたものであり「ファ,
ービー」のデザイン形態は,最初から実用品として制作され,専ら美の表現
を追求したものとは到底認められず,美的鑑賞の対象となりうるものではな
いので,美術の著作物に該当しない。
(2)検察官は「ファービー」のデザイン形態は,鑑賞の対象となる美的外観,
を備えている旨主張するが,その愛らしさ,親近感や愛情を抱かせるといっ
た要素は,愛玩性を高める要素ではあるものの,あくまで購入者の興味を惹
くためにすぎず,美的鑑賞の対象とさせる要因ではなく,商品にバリエーシ
ョンを持たせることも,購入意欲をかき立てるものにすぎない。また,検察
,「」,官はファービーの制作者の意図には美的鑑賞の目的もあったというが
「ファービー」の主たる用法は,電子ペットとしての玩具としての用法が目
的であり,商品にカラーバリエーションがあるということは,美的鑑賞が目
的であることを否定するものである。
ファービーのデザイン形態は1984年ころに人気を呼んだ映画グ「」,「
レムリン」に登場する「ギズモ」と称する玩具に酷似しており,独創性も認
められない。
(3)応用美術に著作権法と意匠法の重畳適用を認めることは,両法のそれぞれ
の立法意義や意匠制度の存在を無にすることになり,応用美術を扱う産業界
の発展を阻害することになりかねない。
模倣ないし類似商品の取締りの必要があるとしても,それには不正競争防
止法の改正や解釈等による対応策が採られており,そのために著作権法の対
象を広げる必要はない。
第2当裁判所の判断
,,,当裁判所は記録を調査し当審における事実取調べの結果も併せて検討し
以下のとおり判断する。
1本件公訴事実の要旨は「商品名『ポーピィ』と称する玩具が,タイガー・,
エレクトロニクス・リミテッド社が著作権を有する『ファービー』の容貌姿態
等を模したもので,同社の有する著作権を侵害して製造されたものであること
を知りながら『ポーピィ』を販売して,タイガー・エレクトロニクス・リミ,
テッド社の著作権を侵害した」というもので,同事実は著作権法119条1。
号,113条1項2号違反に該当するというのである。
「ファービー」のデザイン形態については,アメリカ合衆国の玩具の製造販
売会社であるタイガー・エレクトロニクス・リミテッド社が,アメリカ合衆国
連邦機関である著作権庁に著作権登録をし,アメリカ合衆国法上の著作権を有
するのであるが,こうしたデザイン形態は,物の形態あるいは外観の美的創作
であって,著作権法の領域においては,実用品に供されあるいは産業上利用さ
れることを目的として制作される応用美術といわれるものに属する。
ところで,わが国の著作権法6条3号は「条約によりわが国が保護の義務を,
負う著作物」を著作権法により保護する旨定めており,わが国及びアメリカ合
衆国は「文化的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」に加盟してお,
り,両国間の著作権の保護に関しては同条約によることとなるが,同条約は,
本国で保護される著作権が他の同盟国内で保護される範囲等を各同盟国の国内
法に委ね(同条約5条1項,2項),特にいわゆる応用美術については,その保
護の範囲及び保護条件を定める権能を各同盟国の国内法に委ねており(同条約
2条1項,7項)「ファービー」のデザイン形態は応用美術に当たるので,,
結局,タイガー・エレクトロニクス・リミテッド社がアメリカ合衆国において
著作権を有する「ファービー」のデザイン形態について,わが国の著作権法上
著作物として保護の対象となるか否かは,わが国の著作権法の解釈にかかるこ
ととなる(なお,本件では,内蔵チップに組み込まれた言語を発するプログラ
,,ムについてはアメリカ合衆国で著作権を有する法人である告発者においても
著作権侵害として告発しておらず,また,公訴事実においても,当該プログラ
ムに関する著作権侵害は掲げられておらず,デザイン形態に関する著作権侵害
のみが対象とされている。)。
2わが国の著作権法は,著作権等による保護の対象となる著作物について,同
法2条1項1号において「思想又は感情を創作的に表現したものであって,,
文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」とし,同条2項は「美術,『
の著作物』には,美術工芸品を含むものとする」と定めており,絵画,彫刻。
等の専ら美術鑑賞の対象とされることを目的とした純粋美術のみならず,美術
の感覚や技法を手工的な一品制作に応用した美術工芸品が,美術の著作物とさ
れていることは明らかである。しかし,実用品に供されあるいは産業上利用さ
れることを目的として制作される応用美術については,昭和44年当時の著作権
法の制定経過や同法が応用美術のうち美術工芸品のみを掲げていることなどを
考慮すると,現行著作権法上は原則として著作権法の対象とならず,意匠法等
工業所有権制度による保護に委ねられていると解すべきである。ただ,そうし
た応用美術のうちでも,純粋美術と同視できる程度に美術鑑賞の対象とされる
と認められるものは,美術の著作物として著作権法上保護の対象となると解釈
することはできる。そこで,美術の著作物といえるためには,応用美術が,純
粋美術と等しく美術鑑賞の対象となりうる程度の審美性を備えていることが必
要である。これを本件で問題となっている実用品のデザイン形態についていえ
ば,そのデザイン形態で生産される実用品の形態,外観が,美術鑑賞の対象と
なりうるだけの審美性を備えている場合には,美術の著作物に該当するといえ
る。
3「ファービー」の制作由来については,アメリカ合衆国のエンジニア兼デザ
イナーであるデビッド・ハンプトン外2名が,使用する者にあたかもペットを
飼育しているかのような楽しみを感じさせる電子玩具の製作を意図したもので
あり,その電子回路の設計及びデザイン形態を試作した上,同国の玩具メーカ
,「」ーであるタイガー・エレクトロニクス・リミテッド社との間でファービー
の共同開発に関する契約及び「ファービー」の著作権の譲渡契約を締結した。
タイガー・エレクトロニクス・リミテッド社は,より斬新性を高めて購買者に
対する印象を強めるべく,試作品のデザイン形態に若干の変更を加えて「フ,
ァービー」のデザイン形態を完成させ,1998年10月にアメリカ合衆国に
おいて「毛ぐるみ付き玩具」として「ファービー」のデザイン形態を,同時,
,。「」,にファービー語・英語辞典をそれぞれ著作権登録をしたファービーは
同年10月にアメリカ合衆国で販売が開始されるとともに話題を呼び,大流行
となって,その後世界50カ国以上で発売されることとなり,わが国において
も,平成11年2月に英語版が,同年5月末から日本語版が発売され,大きな
売り上げを記録している。なお「ファービー」については,わが国で同年4,
月2日に意匠登録の出願がなされ,同年9月3日に意匠登録されている。
「ファービー」の形態や機能等については,原判決が判示しているとおりで
あり,電子回路やモーター等の内蔵されたプラスチック製の本体と,本体にか
ぶさる毛のぬいぐるみから成り,体長が約13センチメートルで,頭部分が大
きい二頭身ほどのずんぐりした架空の動物を表した体型をしている。顔面部分
は本体と一体となっており,球形の大きな両眼と同じく球形の口がある。顔面
部分及び底部を除いて,毛のぬいぐるみが覆っており,三角形の大きな耳と頭
上部分にたてがみ様の毛があり,3本指の足がついているが,手に当たるもの
はない。ぬいぐるみの色,模様にはバリエーションがあって,数多くの種類が
あり,目の色も数種類ある。
「ファービー」の本体内部に7個の各種センサーが内蔵されており,これら
センサーが,接触,光,音,振動,傾斜等の外部からの刺激をセンサーで感応
し,CPU制御によって耳,目,口,足が動くとともに,内設のロムチップに
記憶された単語を適切に選択し,その動作に合った言葉等の音声を内蔵スピー
カーから発し,刺激を継続することで記憶チップが作動し,あらかじめ記憶さ
れた単語の範囲内で次第に語彙を増やし,その組み合わせを変化させ,疑似言
語から英語等による言葉を発するようになり,あたかも飼っているペットが成
長するような,楽しみやかわいさ等を抱かせることになり,育成型の電子ペッ
ト玩具といわれるゆえんである。
4「ファービー」のデザイン形態は,当初から工業的に大量生産される電子玩
,「」,具のデザインとして創作されたものであるがファービーの最大の特徴は
あたかもペットを飼育しているかのような感情を抱かせることを目的に,各種
の刺激に反応して各種の動作をするとともに言葉を発することにあり,そのた
め,そうした特徴を有効に発揮させるための形状,外観が見られるのである。
顔面の額に光センサーと赤外線センサーのための扇形の窓が設置され,額から
,,眼球周辺及び口周辺にかけては一体成型のための平板な作りとなっており目
口は球状のものが三角形上に3つ配置され,眼球及び口が動くため,その周囲
が丸くくりぬかれて隙間があり,左右の眼球を連結する軸を隠すように,両目
の間に半円形に隆起した部分があり,美感上重要な顔面部分に玩具としての実
用性及び機能性保持のための形状,外観が見られ,また,刺激に反応して目,
口,耳が動くことを感得させるため,それらが大きくされていることが認めら
れる。このように「ファービー」に見られる形態には,電子玩具としての実,
用性及び機能性保持のための要請が濃く表れているのであって,これは美感を
そぐものであり「ファービー」の形態は,全体として美術鑑賞の対象となる,
だけの審美性が備わっているとは認められず,純粋美術と同視できるものでは
ない。
5控訴趣意は,美的の意味については「美しい」もののみならず,見る者を,
して驚きや感動を与え,あるいは愛らしさ,親しみ,愛着を抱かせるなど,鑑
賞の対象となりうるものであれば,広い範囲のものが含まれるというべきであ
り「ファービー」は,ペットを飼育する際に感じる喜怒哀楽といった様々な,
感情を想起させることを目的に開発された玩具であり,そのデザイン形態は,
使用者の感性に訴え,愛らしさ,親しみを覚えさせるよう工夫して創作された
ものであり,二頭身のずんぐりした体型を長い毛で覆い,大きな耳,丸くくり
っとした目,長くカールされたまつげ,小さなくちばしといった容貌姿態は,
使用者の感性に訴えかけるという制作者の思想を具体的に表現したもので,愛
らしさがあって親近感や愛情を抱かせるという意味での鑑賞の対象となる美的
特性を備えている旨主張する。
しかしながら,なるほどその容貌姿態は,育成型の電子ペットとしての愛ら
しさやかわいらしさといった感情を抱かせることを目的に創作されたものであ
るが,使用者にかわいらしさを感じさせ,親近感や愛情を持たせるのは,やは
りその大きな特徴であるペットと同じような反応や機能をすることが大きく影
響していると認められるのであり,そうした点を抜きにして,その容貌姿態の
みで美術鑑賞の対象となるというには困難があるといわねばならない。
控訴趣意は「ファービー」が人気があり,現実に爆発的に売れたことを強,
,,「」,調するのであるがそうした事実はファービーの特徴である上記の反応
機能をすることが大きく影響しているのみならず,著作権の対象とはならない
ぬいぐるみ部分の色彩や模様も影響していると考えられ,容貌形態のみによる
人気や売れ行きの程度を考慮するのは著しく困難である。
控訴趣意は,著作権法と意匠法の重畳適用をいうのである。しかしながら,
著作権法と意匠法とが併存する現行法制度においては,工業的に大量生産され
る実用品のデザイン形態については,意匠制度の存在を考慮するとき,著作権
法の適用を拡大するのが妥当であるかは慎重な検討を要し,殊に刑事罰の適用
に関してはより慎重でなければならないと考えられる。
6以上のとおりで,本件「ファービー」のデザイン形態は,著作権法2条1項
1号に定める著作物に該当しないと認められる。したがって,原判決の法令の
解釈適用の誤りをいう論旨は理由がない。
第3よって,控訴趣意は理由がないから,刑訴法396条により検察官の本件各
控訴を棄却することとし,主文のとおり判決する。
平成14年7月9日
仙台高等裁判所第1刑事部
裁判長裁判官松浦繁
裁判官根本渉
裁判官春名郁子

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