弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
     原判決を左のとおり変更する。
     控訴人は被控訴人に対し、金十四万八千七百十一円及び内金十万千八百
三十六円について、昭和三十二年十一月三十日以降、内金四万六千八百七十五円に
ついては、昭和三十四年十二月二日以降各支払済に至る迄年五分の割合による金員
を支払わねばならぬ。
     訴訟費用は第一、二審共控訴人の負担とする。
     この判決は被控訴人において金五万円の担保を供するときは、仮に執行
することができる。
         事    実
 被控訴代理人は当審請求趣旨として主文第一項乃至第四項と同旨の判決竝に仮執
行の宣言を求め、控訴代理人は「原判決を取消す被控訴人の請求を棄却する。訴訟
費用は第一、二審共被控訴人の負担とする。」旨の判決を求めた。
 当事者双方の主張竝に証拠の提出、援用、認否は、左に記載する外は、原判決事
実摘示のとおりであるから、ここにこれを引用する。
 被控訴代理人の主張。
 「被控訴人は、原審において訴外Aが控訴人から支給を受ける、昭和三十一年十
一月分以降昭和三十二年十一月分迄の給料総額の四分の一に当る金十万千八百三十
六円、及びこれに対する本件訴状が控訴人に送達せられた日の翌日である昭和三十
二年十一月三十日以降右支払済に至る迄、年五分の割合による遅延損害金の支払を
請求したのであるが、当審において更に請求を拡張して、右Aが昭和三十二年十二
月一日以降昭和三十三年七月十五日控訴会社を退社するに至る迄継続勤務し、よつ
て控訴人より支給を受くべき、一ケ月金二万五千円の割合による給料(但し最終月
分は一ケ月金一万二千五百円)合計金十八万七千五百円の四分の一に当る金四万六
千八百七十五円、及びこれに対する当審請求拡張申立書が控訴人に送達せられた日
の翌日に当る、昭和三十四年十二月二日以降右支払済に至る迄年五分の割合による
遅延損害金の支払を求める。」
 控訴代理人の主張。
 「控訴人はAに対し、日給金百円、一ケ月の稼働日数を平均二十六日として、一
ケ月金二千六百円の割合による給料を支払つていたに止まり、控訴人がAに支払つ
ていたその他の金員は歩合竝に手当金であつて、民訴法第六一八条第六号にいわゆ
る「報酬」ではないから、本件債権差押竝に取立命令の効力は、右一ケ月金二千六
百円の割合による給料債権の四分の一の金額に及ぶに止まり、右歩合竝に手当金に
及ぶものではない。仮に歩合竝に手当金が、民訴法第六一八条第六号にいわゆる
「報酬」に含まれるものであるとしても、本件債権差押竝に転付命令は、単に「債
務者(A)が第三債務者(控訴人)に勤務し、毎月末日迄に支払を受ける給料の四
分の壱宛」と表示せられているに過ぎぬのであつて、歩合竝に手当金についても差
押える趣旨は表示せられていないから、右債権差押竝に取立命令の効力は前記給料
債権の四分の一の金額に局限せられ、その他に及ぶものではない。よつて控訴人
は、本件債権差押命令の送達を受けた後は、Aに対する給料債権の四分の一の支払
を差止めたけれども、その余の金員は従前通り支払を継続していたところ、同人は
昭和三十三年七月十五日控訴人会社を退社したものである。」証拠関係について、
被控訴代理人は被控訴人B本人訊問の結果を援用し、控訴代理人は当審証人Aの証
言を援用した。
         理    由
 当裁判所の認定竝に判断は、左記のとおり附加する外は原判決理由のとおりであ
るから、ここにこれを引用する。
 民訴法第六一八条第一項第六号第二項は、労役者又は雇人がその労力又は役務の
ために受ける報酬は、その各支払期に受ける金額の四分の一に限りこれを差押え得
ることを定めているのであるから、いわゆる歩合又は手当金の名称を以て支払はれ
るものと雖も、それが実質的に見て労力又は役務に対する報酬たる限りは、右法条
に定める限度においてこれを差押え得るものであることはもちろんである。而して
当審証人Aの証言によると、Aが、控訴人から毎月二十六日に支払を受けていた歩
合竝に手当金は、いずれも右法文にいわゆる報酬たる性質を有するものであること
は明であるから、これを差押え得るものとしなければならぬ。
 <要旨>次に本件債権差押竝に転付命令による被差押債権は「債務者(A)が第三
債務者(控訴人)に勤務し、毎月末日迄に支払を受ける給料の四分の一宛」
と表示せられているところ「給料」とは、労役者又は雇人が使用者から継続的且つ
定期的に支払を受ける、労力又は役務に対する報酬の意味に解するを相当とするの
であつて、日給又は月給として、一定の金額により支払を受けるものたると、歩合
又は出来高払の名称により、一定の比率を以て支払はれるものたると、又は各種手
当金の名称により、労働契約の諸般の実情に応じ支払はれるものたるとを問はず、
それが継続的且定期的に支払はれるものである限り、すべてこれを含むものと解す
べく、当審証人Aの証言によると、Aは、日給金百円に、歩合竝に手当金を併せた
「給料」として毎月金二万五千円を下らぬ金額の給与を受けていたことが認められ
るし、又同人が昭和三十三年七月十五日迄控訴会社に勤務していたことは、当事者
間に争のないところであるから、控訴人は被控訴人に対し、昭和三十一年十一月分
以降昭和三十二年十一月分迄の、右給料総額の四分の一に当る金十万千八百三十六
円、及びこれに対する本件訴状送達の日の翌日である昭和三十二年十一月三十日以
降右支払済に至る迄、年五分の割合による遅延損害金(原審請求金額)竝に昭和三
十二年十二月一日以降昭和三十三年七月十五日迄の給料総額の四分の一に当る金四
万六千八百七十五円、及びこれに対する当審請求拡張申立書送達の日の翌日である
昭和三十四年十二月二日以降右支払済に至る迄、前同割合による遅延損害金(当審
拡張請求)を支払うべき義務があることは明であるから、被控訴人の右原審請求を
認容した原判決は正当である。よつて本件控訴はこれを棄却し、被控訴人の当審拡
張請求はこれを認容すべく、民訴法第三八四条、第九六条、第八九条第一九六条を
適用して主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 田中正雄 裁判官 河野春吉 裁判官 本井巽)

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