弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     被告人Aを除く其の余の各被告人の上告を棄却する。
     被告人Aに対する原判決及び第一審判決を破棄する。
     被告人Aを懲役壱年に処する。
     第一審における未決勾留日数中一〇〇日を右本刑に算入する。
     昭和二四年一一月二七日附大蔵事務官毛利孝差押の汽船第一新興丸(附
属具共)並びに押収の第一号乃至第一七号
     物件は孰れも没収する。
     第一審における同被告人関係の訴訟費用は全部同被告人の負担とする。
     同被告人に対する昭和二一年勅令第三一一号違反事実について同被告人
を免訴する。
         理    由
 被告人B、同Cの弁護人丸尾美義、同金子保次郎の各上告趣意はいずれも刑訴四
〇五条の上告理由にあたらない。被告人D、同Eの弁護人高橋英吉、同石田寅雄の
上告趣意第一、第三点について、所論はいずれも刑訴四〇五条の上告理由にあたら
ない。
 同第二点について、
 第一審判決は被告人D、同Eに対し本件船舶の没収を言渡していないのであるか
ら、所論は同被告人等に対する上告適法の理由とならない。
 以上の各被告人については論旨を仔細に検討し記録を精査しても同四一一条を適
用すべき事由は認められな。
 被告人Aの上告について、
 職権を以て調査するに、同被告人に対する本件公訴事実中昭和二一年勅令第三一
一号(昭和二三年二月二六日附連合国最高司令官覚書第一八六号同年一二月二三日
同覚書第一九五〇号)違反の事実については、昭和二七年政令一一七号一条二三号
一一七号により大赦があつたので、刑訴四一一条五号四一三条但書四一四条四〇四
条三三七条三号により同被告人に対する原判決及び第一審判決を破棄し、同被告人
に対し右公訴事実について免訴の言渡をすべきものとする。
 そこで、同被告人に対する右免訴にかゝらない其の余の公訴事実に関する同被告
人の弁護人佐藤操の上告趣意について判断する。
 先ず論旨は憲法一四条違反を云為するが所論の事実があつても裁判所が憲法同条
所定の事由により同被告人を他の被告人に比べて差別待遇したものと認むべき形跡
はなく、しかも被告人D、同Eに対しては貿易等臨時措置令違反事実に付ては検察
官の起訴がなく、又所論没収の点に付ては右被告人等に対し船舶貨物の占有の事実
を認めなかつたためにその没収の言渡をしなかつたまでのことである。この点の論
旨の理由のないことは明である。(なお昭和二六年(れ)第五四四号同年九月一四
日当小法廷判決、集五巻一〇号一九三三頁参照)次に、憲法三七条は具体的事件の
処理の当否をいうものでないことは当裁判所屡次の判例の示すところであるからこ
の点の論旨の理由のないことも亦明である。
 よつて、右大赦にかゝらない事実、すなわち第一審判決の判示(一)の事実を法
律に照すに被告人の所為は、一面昭和二一年勅令三二八号貿易等臨時措置令一条、
四条、刑法六〇条に、他面関税法三一条、七六条刑法六〇条に該当するところ(但
し、右関税法については犯行後刑の変更があつたので刑法六条一〇条に従い軽い行
為時法による)右は一個の行為で二個の罪名に触れる場合であるから、同法五四条
一項前段一〇条により重い後者の刑に従い所定刑中懲役刑を選択し、その所定刑期
範囲内で被告人を懲役壱年に処し、なお同法二一条により第一審における未決勾留
日数中一〇〇日を右本刑に算入し、主文掲記の各物件は関税法八三条の該当物件で
あるから同条によりこれを没収し、訴訟費用の負担について刑訴一八一条一項によ
り主文のとおり判決する。
 この判決は全裁判官一致の意見である。
 検察官吉河光貞関与
  昭和二七年一〇月一〇日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎
 裁判官 栗山茂は出張につき署名押印することができない。
         裁判長裁判官    霜   山   精   一

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