弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し、本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人梨木作次郎、同吉田隆行、同八十島幹二、同菅野昭夫の上告理由につ
いて。
 原審は、一方において、上告人Aと被上告人Bの共同鉱業権は、被上告人Bが経
営資金を上告人Aから借入れるにつき、鉱業権をその譲渡担保として提供した経済
関係にあつたものと解するのが相当である旨判示するとともに、他方において、上
告人Aは右ガス採掘の当初である昭和二一、二年頃から昭和三〇年頃までに、六九
四、五〇〇円の資金と相当量(その価格は明らかでない)の資材を提供した事実お
よび被上告人Bは上告人Aに対し、昭和三五年までに合計一、二〇〇、〇〇〇円を
上回る金員を返済している事実を確定したうえ、借入金の合計は六九四、五〇〇円
であるから、右一、二〇〇、〇〇〇円を上回る金員の返済によつて、提供された資
材の分も含めて、被上告人等は上告人Aに対しすべての借入を返済したものと認め
るのが相当であると判示している。
 しかしながら、本件共同鉱業権が右の如き実質を有するものであるとするならば、
上告人Aが資材を提供した趣旨をいかに解すべきかについてなんらかの説明を要す
べきところ、原判決はこの点について何ら説示するところがない。のみならず、こ
の点はしばらくおくとしても、一般に、営利事業に資金を供給する者としては、特
段の事情のないかぎり、自己の融資に対して利益の配分にあづかることを目的とし、
かつその旨の合意をなすのが通常であるから、上告人Aの融資額がかりに右のとお
り六九万余円であるとしても、利益配分たると利息たるとその名目の如何はともか
くとして、これに対する対価をも返済せざるかぎり、被上告人Bらにおいてその債
務を完済したといえないことは明らかである。しかるに、原審は、かかる融資の対
価については当事者間の合意等これを定むべき事情について何ら触れるところがな
いばかりか、価格の不確定な資材の提供に関する返済分をも含めて一、二〇〇、〇
〇〇余円の返済をもつてすべてが返済されたものと判示しているのであつて、右融
資の金額、時期、および返済金の支払時期等を勘案すれば、果して右金額をもつて、
その債務が完済されえたか否かは、これを確認しえないものといわざるをえない。
しからば、右により上告人らと被上告人らの間の組合関係が解消し、上告人らが本
件共同鉱業権から脱退したとした原判決には、審理不尽・理由不備の違法があるも
のというべく、この違法は原判決の結論に影響することが明らかであるから、論旨
はこの点において理由があり、原判決はその余の点について判断するまでもなく、
破棄を免れない。そして、本件は、さらに審理を尽くす必要があるから、これを原
審に差し戻すのが相当である。
 よつて、民訴法四〇七条を適用し、裁判官全員一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    色   川   幸 太 郎
            裁判官    村   上   朝   一

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