弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人大橋茹の上告趣意第一点について。
 所論被告人の自白は公判廷における自白である。公判廷における自白はそれを唯
一の証拠として犯罪事実を認定しても憲法三八条三項に牴触しないことは、しばし
ば当裁判所の判例に示されたとおりである。そうだとすれば本件被告人の自白に補
強証拠がないことを主張する所論は、刑訴三一九条二項違反の主張たり得るに止ま
り、憲法違反の問題ではない。(最高裁判所昭和二三年(れ)第二〇六三号同二四
年一二月二一日大法廷判決参照)。従つて所論は刑訴四〇五条に定める上告理由に
あたらない。のみならず、自白の補強証拠は必ずしも自白にかかる犯罪組成事実の
全部に亘つてもれなくこれを裏付けるものであることを必要とせず、自白にかかる
事実の真実性を保障し得るものであれば足りること、当裁判所の判例(昭和二三年
(れ)第七七号同二四年五月一八日大法廷判決等)とするところである。本件につ
いてみれば被告人は人絹糸合計四五〇封度を不法に買受けたことを自白しており、
他方司法警察員A作成の領置調書の記載及び同人の第一審公判廷における供述によ
つて、被告人の買受けた人絹糸が同人の家において押収されたことが立証され、従
つて被告人の自白した事実が架空のものでないことがわかる。そうだとすればこれ
等の証拠は被告人の自白の真実性を裏付けるに足り、その補強証拠となり得る。押
収された人絹糸の数量が被告人の自白した数量と喰い違つているというだけの理由
によつて、これ等のものが補強証拠となり得ないということはできない。(昭和二
三年(れ)第六一号同年一一月五日大法廷判決参照)。それ故原判決には所論のよ
うな違法はない。
 同第二点の一について。
 論旨は刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
 同第二点の二について。
 本件と同種類の事件の他の被告人と本件被告人との間に処遇を異にすることがあ
つても、憲法一四条に規定する平等の原則に違反するものでないことは、当裁判所
の判例(昭和二三年(れ)第四三五号同年一〇月六日大法廷判決)に徴して明かで
ある。論旨は理由がない。
 以上の理由により刑訴四〇八条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は、公判廷における自白に関する裁判官井上登の少数意見(昭和二三年
(れ)第一六八号同年七月二九日大法廷判決所載のとおり)を除く外裁判官一致の
意見によるものである。
  昭和二六年五月一五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

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