弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 被告人及び弁護人稲本錠之助の各上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張
であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。而して本件未完成の家具を他の製造
場に移出しようとする場合に、製造者である被告人が物品税の支払を免れんがため
には、物品税法第一二条の規定に依り政府の承認を得ることを要し、承認を得ない
で移出するときは物品税納付の義務があるものと解するのが相当である。原判決は
右の場合同法一一条を根拠としているところ同条は完成品を子工場から親工場に集
荷、荷造りする等の場合を予想した規定で本件に適切でないけれども政府の承認を
得ない限り物品税納付の義務あるものとした結論は正当であり、これと見解を異に
する論旨は結局採用できない。その他記録を調べても同四一一条を適用すべきもの
とは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で
主文のとおり決定する。
  昭和二八年五月一三日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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