弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人栗田吉雄の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告
理由にあたらない。
 なお、原判決は、業務上過失致死の所為につき刑法二一一条前段、道路交通法八
五条五項違反の所為につき同法一一八条一項五号を適用し、前者の罪につき禁錮刑、
後者の罪につき懲役刑を選択したうえ、以上は刑法四五条前段の併合罪であるとし
て、同法四七条本文により前者の罪の刑に法定の加重をし、結局禁錮七年六月以下
で処断しているが、右は各罪につき定めた刑の長期を合算した刑期を超える場合で
あるから、同条但書を適用し禁錮五年六月以下で処断すべきであつたにかかわらず、
原判決がこれを遺脱したのは、法令の適用を誤つたものといわなければならない。
しかし、本件においては、原判決を破棄しなければいちじるしく正義に反するもの
とは認められない。
 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により、裁判官
全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
  昭和四七年一月二五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    関   根   小   郷
            裁判官    天   野   武   一

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