弁護士法人ITJ法律事務所

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○ 主文
本件控訴をいずれも棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
○ 事実
控訴人ら代理人兼控訴人Aは「原判決を取り消す。本件を千葉地方裁判所に差し戻
す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、被控
訴人ら代理人は、いずれも控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の事実上及び法律上の主張は、原判決事実摘示中の控訴人らに関する部
分と同一であるから、ここにこれを引用する(但し、原判決一〇枚目表四行目の
「昭和四二年」を「昭和四三年」に、同一六枚目表四行目の「これが」を「右公告
以前に建築物の建築をすることが」に、同二三枚目裏及び二六枚目裏各二、三行目
の「一・四メートル」を「一・四六メートル」に、同三四枚目表末行の「公告の間
は」を「公告があるまでの間は」に、同裏五行目の「都道府県知事」から同八、九
行目の「できるものとしている。」までを「その使用を禁止し、又は制限するの
は、もつぱら同法八一条一項の規定による都道府県知事(又は、知事からその権限
に属する事務を委任された市長)の是正命令によることとされている。」にそれぞ
れ改める。)。
(証拠関係)(省略)
○ 理由
一 当裁判所も、控訴人らの被控訴人らに対する本件訴えは、いずれも不適法とし
て却下すべきものと判断する。その理由は、次のとおり付加、訂正するほか原判決
理由説示中控訴人ら関係部分と同一であるから、ここにこれを引用する。
1 原判決四五枚目表一、二行目の「同法六条一項の法律並びにこれに基づく命令
及び条例の規定」を「同法六条一項所定の建築物の敷地、構造及び建築設備に関す
る法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築関係規定」とい
う。)」に、同八、九行目の「同法六条一項の法律並びにこれに基づく命令及び条
例の規定」を「建築関係規定」に、同末行の「の内容」から同行末尾までを「に係
る計画の内容に適合しているかどうかの検査をし、右内容に適合している旨の確認
をするものではない。」に同裏二、三行目の「建築確認の内容に適合している旨
の」を「建築確認に係る計画の内容に適合している旨、あるいは、建築関係規定に
適合している旨の」にそれぞれ改める。
2 原判決四六枚目裏一、二行目の「建築主事の」から同三行目末尾までを「建築
主事に対する建築確認の申請に当たっては、当該申請に係る敷地が開発許可を受け
た開発行為によって造成されたものであるなど、都市計画法二九条、三七条、四一
条ないし四三条の規定に適合する旨の証明書を添付しなければならないとされてい
る(建築基準法六条一項、八八条一項、同法施行令一三八条三項、同法施行規則一
条七項)。
また、開発許可の申請を受けた都道府県知事は、当該申請に係る開発行為が、都市
計画法三三条一項所定の基準に適合し、その申請の手続か同法又はそれに基づく命
令の規定に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならない(同法
三三条一項)。」に改め、同四七枚目表八行目末尾の次に「なお、検査済証の交付
がなされず、工事完了公告がなされないと、開発行為又は開発行為に関する行為に
よって設置された公共施設の管理者への引継ぎ(同法三九条)や、公共施設の用に
供する土地等の帰属、費用負担の請求(同法四〇条)がなし得ないことになる。」
を加え、同一〇行目の「規定」から末行の「変更、」までを「規定又はこれらの規
定に基づく処分に違反した者等に対する監督処分として、開発許可等の取り消し、
変更等の処分をし、又は」に改める。
3 原判決四九枚目表二行目の「建築等が」から同三行目の「命令」までを、「建
築等の承認に暇疵があり、違法であったとしても、これについては、前記のとお
り、同法八一条一項各号に該当する者に対し是正措置を命ずるなどの監督処分」
に、同五行目の「しかしながら、その命令を発するか」を「そして、右監督処分を
行うか」に同七、八行目の「これを発する上において」を「必ずしもその」に、同
裏一〇行目の「丙第四、」を「丙第三、四、」に、それぞれ改める。
4 原判決五〇枚目表七行目の「同月一九日」を「同月二九日」に改め、同一〇行
目の「検査済証を交付し」の次に「、本件開発行為に関する工事が完了した旨の公
告をし」を加える。
5 原判決五一枚目裏三行目の「右処分により」を「右処分自体により、近隣の土
地所有者や居住者である」に改める。
6 原判決五二枚目表七行目の「できないという」を「できないなどの」に改め、
同八行目の「できるが」の次に「、同法の定める開発行為は、対象となる土地を建
築物の建築又は特定工作物の建設の用に供することを、その目的とするものである
こと(同法四条一二号)と、右法的効果を総合考慮すれば」を加え、同九行目の
「それが」を「その開発行為が」に改め、同一〇行目の「命令」の次に「等の前記
監督処分」を加え、同裏一行目の「しかしながら、その命令を発するか」を「そし
て、右監督処分を行うか]に、同三行目の「これを発するうえにおいて」を「必ず
しもその」にそれぞれ改める。
7 原判決五三枚目表五行目の末尾の次に「なお、本件の場合のように、開発工事
の完了公告前の建築承認処分があり、開発工事検査済証交付処分と同日またはそれ
以前に建築工事が完了したときには、右検査済証交付処分は、処分時においてその
取消しを求める訴えの利益が失われることとなるが、通常同処分及びこれに続く開
発工事完了の公告によって解かれる建築制限(同法三七条本文)は、当該開発行為
について支障がないとの知事の認定の上でなされる建築承認処分によって事前に排
除されるものである(同条たゞし書)から、建築承認処分は、開発工事検査済証交
付処分のもつ法律的効果を例外的に事前に付与されたものというべきであり、その
ため、右検査済証交付処分が処分時においてその取消しの訴えの利益が失われる結
果が生じたとしても必ずしも不当とすることはできない。」を加える。
8 原判決五三枚目裏七行目の「建築主事等は」の次に「、届出に係る建築物及び
その敷地が」を加え、同五四枚目表七行目の「建築関係法規」を「建築関係規定」
に改め、同裏一行目の「建築主事」の次に「等」を加え、同七行目の「ものでない
以上」を「ものでない上」に改める。
9 原判決五五枚目裏四行目の「規定」の次に「及び検査済証の交付を受けるまで
の建築物等の使用制限を定めた同法七条の三の規定」を加える。
二 よって、控訴人らの本件訴えをいずれも却下した原判決は相当であり、本件控
訴は理由がないから、これを棄却することとし、控訴費用の負担について民訴法九
五条本文、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 枇杷田泰助 塩谷 雄 松津 節子)

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