弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     控訴人の請求を棄却する。
     控訴費用は控訴人の負担とする。
         事    実
 一、 控訴代理人は当審において請求を変更し、「一、訴外陽和精工株式会社
(以下「訴外会社」という)が同Aとの間で、原判決添付物件目録記載の不動産
(以下「本件建物」という)について、東京法務局大森出張所昭和三六年九月一三
日受付第三〇二三〇号をもつて根抵当権設定登記を経由した昭和三五年一一月一〇
日付債権元本極度額金二、一〇〇万円を限度とする証書貸付契約及び手形貸付契約
についての同日付根抵当権設定契約は、被控訴人との関係において控訴人のために
これを取消す。二、被控訴人は控訴人に対し金七八二万四、〇九三円及びこれに対
する昭和四〇年三月四日以降の年五分の割合による金員の額を限度として金五四四
万一、九七二円及びこれに対する昭和三六年一二月一三日以降右支払済に至るまで
の年六分の割合による金員並びに金一万六、四二五円及びこれに対する昭和三九年
四月一〇日以降右支払済に至るまでの年五分の割合による金員を支払え。三、訴訟
費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との趣旨の判決及び右請求の趣旨
第二項につき仮執行の宣言を求め、被控訴代理人は請求棄却の判決を求めた。
 当事者双方の主張
 控訴代理人は請求の原因として次のとおり述べた。
 (一) 控訴人は訴外会社に対し、原判決添付債権目録記載の約束手形金及び小
切手金債権を有するところ、右債権につき東京簡易裁判所が昭和三九年三月二日訴
外会社に対し発した支払命令(同裁判所昭和三九年(ロ)第一三一号事件)は同年
四月九日確定した。
 (二) 訴外会社はこれよりさき、昭和三六年八月末頃不渡手形を出して倒産寸
前の状態に陥つたが、同年九月二二日訴外会社の債権者約百名が出席して債権者会
議が開かれ、その際、訴外会社の債務総額は約三億八、〇〇〇万円に達するのに対
し、これが弁済に当てられるべき主な資産としては、本件建物のほか、一棟の建物
とこれらの建物の敷地たる宅地二筆(東京都大田区ab町c番のd宅地九四坪及び
同所同番のe宅地一一二坪)とがあるたけであり、しかもこれらの不動産のいずれ
にも抵当権が設定されており、その他には若干の工作機械があるだけで、結局約一
億八、〇〇〇万円の債務超過となり、債務の完済は到底望むべくもない状態である
ことが明かとなつた。
 (三) 訴外会社は、同年七、八月頃自己振出にかかる金額一、三五〇万円、受
取人白地の約束手形を訴外Aに交付し、同人に対し約束手形上の債務を負担してい
たところ、前記のように倒産寸前の状態に陥るや、控訴人等一般債権者を害するこ
とを知りながら、右手形上の債務を担保するため、本件建物につき同年九月一三日
頃右Aとの間で根抵当権設定契約を締結し、あたかも右契約が昭和三五年一一月一
〇日に締結されたもののように装い、同日付根抵当権設定契約を登記原因として前
記請求の趣旨第一項記載の順位第二番の根抵当権設定登記を経由した。債権者に対
する一般担保たる訴外会社の財産は右根抵当権の設定により減少し、そのために一
般債権者が害せられる結果となつたのであるが、このように、債務者が一般債権者
を害することを知りながら特定の債権者のために自己所有の不動産に抵当権又は根
抵当権を設定し、その債権者のみに優先弁済権を与えることは、詐害行為を構成す
るものというべきである。
 (四) 被控訴人は昭和三八年一一月三日Aから同人のために設定された上記根
抵当権及びその被担保債権の譲渡を受け、同年一二月二〇日右根抵当権について移
転の付記登記を経由した。被控訴人は、これより先訴外Bから本件建物に対する順
位第一番の抵当権(昭和三四年一〇月一五日付抵当権設定契約による被担保債権金
六〇〇万円の抵当権)をその被担保債権とともに譲受け、昭和三八年六月一七日抵
当権移転の付記登記を経由した上、同年八月二日東京地方裁判所に本件建物の競売
の申立をし(昭和三八年(ケ)第五九二号事件)、更に昭和三九年五月二一日、A
から譲受けた上記根抵当権に基づいて競売の申立をし(昭和三九年(ケ)第二一四
号事件)、同事件は右昭和三八年(ケ)第五九二号事件に記録添付され、被控訴人
は右競売事件において自ら本件建物の競落人となり、昭和四〇年三月三日、Bから
の譲受債権については元金六〇〇万円及び損害金二九五万五、〇〇〇円の、Aから
の譲受債権については損害金七八二万四、〇九三円の優先弁済を受けた。
 (五) よつて、控訴人は訴外会社に対する上記(一)記載の債権に基き、本件
建物について訴外会社と訴外Aとの間に締結された上記抵当権設定契約の取消を請
求し、かつ被控訴人に対し、被控訴人が右根抵当権の実行により優先弁済を受けた
前記金七八二万四、〇九三円及びこれに対するその弁済の日の翌日である昭和四〇
年三月四日以降の年五分の割合による遅延損害金の額を限度として控訴人の訴外会
社に対する原判決添付債権目録記載の手形金及び小切手金元本合計金五四四万一、
九七二円及びこれに対する昭和三六年一二月一三日(原判決添付債権目録記載の約
束手形中満期の最も遅い分の満期の翌日)以降完済に至るまでの年六分の割合によ
る遅延損害金並びに同目録記載の督促手続費用金一万六、四二五円及びこれに対す
る支払命令確定の日の翌日である昭和三九年四月一〇日以降完済までの年五分の割
合による遅延損害金の合計額に相当する金員の支払を求める。
 (六) 被控訴人主張の事実のうち、本件建物が昭和三六年九月一五日訴外会社
から東京重工株式会社(旧商号日本サーモスタツト工業株式会社)に譲渡され、同
月一八日その旨の登記がなされたことはこれを認めるが、右事実は、被控訴人に対
して詐害行為取消権を行使することの妨げとなるものでない。受益者たる訴外A及
び転得者たる被控訴人が債権者詐害の事実につき善意であつたとの被控訴人の主張
は否認する。
 被控訴代理人は答弁及び抗弁として次のとおり述べた。
 (一) 控訴人主張の請求原因事実中前記(一)記載の事実は不知。同(二)記
載の事実中本件建物が訴外会社の所有に属していたことは認めるが、その余は不
知。同(三)記載の事実中控訴人主張の日に本件建物について控訴人主張のとおり
根抵当権設定登記がなされたこと及び右登記の日現在において訴外会社がAに対し
て控訴人主張のとおりの手形金債務を負担していたことは認めるが、その余は不
知、同(四)記載の事実はこれを認める。
 尤も、右控訴人主張の競売手続において被控訴人が抵当権者及び根抵当権者とし
て受領した控訴人主張の金員は、本件建物のみの競売代金から支払われたものでは
ない。即ち、本件建物は、東京都大田区af丁目c番のd宅地四四坪及び同番のe
宅地一一二坪とともに被控訴人が訴外Bから譲受けた抵当権及び訴外Aから譲受け
た根抵当権の共同の目的となつていたものであつて、上記競売手続においてはこれ
らの共同担保物件が一括競売に付され、被控訴人は一括競売の代価のうちから控訴
人主張の金員の支払を受けたものである。
 二、 債務者が、一部の債権者のためにその所有不動産に抵当権又は根抵当権を
設定する行為は、債務者が一部の債権者に対して債務の弁済をするのと同様に、債
務者が債務超過の状態にあると否とにかかわりなく、詐害行為となるものではない
と解するのが正当であつて、本件においても、訴外会社が訴外Aのためにした本件
根抵当権設定行為は詐害行為となるものではなく、従つてまた、被控訴人が右Aか
ら被担保債権とともに右根抵当権の譲渡を受けた行為も詐害行為となるものではな
い。
 三、 しかのみならず、本件建物は昭和三六年九月一五日訴外会社から訴外東京
重工株式会社(旧商号日本サーモスタツト工業株式会社)に譲渡され、同月一八日
所有権移転登記がなされているのであるから、右所有権移転により本件建物は訴外
会社の一般債権者に対する責任財産から離脱した。従つて、仮に訴外会社がした根
抵当権設定行為が詐害行為となる可能性があるとしても、本件建物の所有権が東京
重工株式会社に移転した後にAから本件根抵当権の譲渡を受けた被控訴人に対する
関係においてはもとより、Aに対する関係においても詐害行為取消権を主張するこ
とはできないものというべきである。
 四、 仮に以上の主張が理由がないとしても、受益者である訴外A及び転得者で
ある被控訴人は、本件根抵当権が設定され、又はその譲渡がなされた当時、右根抵
当権設定の行為が一般債権者を害するとの事実を知らなかつたものである。
 証拠関係(省略)
         理    由
 控訴人が前記請求原因(一)記載のとおり、訴外会社に対して債権を有すること
は、成立に争いのない甲第七号証の一、二により明かであつて右認定の妨げとなる
証拠はない。次に、訴外会社が昭和三六年九月一三日その所有にかかる本件建物に
つき訴外Aのために債権元本極度額を金二、一〇〇万円とする控訴人主張のとおり
の根抵当権設定登記をしたことは、当事者間に争いがなく、右根抵当権設定登記が
なされた当時、訴外会社がAに対して同年七、八月頃自己振出にかかる金額一、三
五〇万円の約束手形による債務を負担しており、右債務が上記登記にかかる根抵当
権の被担保債務となつていたこと及び被控訴人がAから右根抵当権を被担保債権と
ともに譲受けたことは控訴人の自認するところであり、また、被控訴人が右根抵当
権の実行によつて、被担保債権について一部の弁済を受けたことは、当事者間に争
いのないところである。
 <要旨>ところで、本件におけるように、債務者が一部の債権者のためにその所有
不動産に担保権を設定した場合には、たとえ債務者がその当時債務超過の状
態にあつたとしても、右担保権設定の行為が他の債権者を害するものとして詐害行
為取消の原因となるかどうかは疑問であるといわなければならない。これを担保権
の設定を受けた一部債権者と債務者との関係について見るならば、債務者は単に自
己の所有不動産上に担保権を設定したに止まり、そのこと自体はなにら債務者の財
産の減少を来すものではなく、また債権者も、単に自己の債権についてこれが弁済
を得る手段を確保したに止まり、債権者が自己の債権について弁済を得た場合と同
様に、担保権の取得によつて特別の利益を得たものとすることはできないのであ
る。ただ他の一般債権者に対する関係においてのみ、担保権の設定を受けた債権者
は、担保権の取得によって他の債権者に優先して自己の債権について弁済を受ける
ことができるのであるから、その限りにおいてその債権者は他の一般債権者に比し
て特別の利益を得たということができるのであり、また、一部の債権者のためにす
る担保権の設定によつて、他の一般債権者の債権の満足に供し得べき債務者の財産
は当該担保権の被担保債権者の限度において減少を来したということができるのに
過ぎないのである。従つて、問題は、民法第四二四条の定める債権者取消権の制度
は、第三者が債務者からその財産を無償又は不相当に低廉な対価で譲渡を受けたと
いうような場合に、一般債権者に対し、その財産若しくはその価額又はその財産の
譲渡価額と正当価額との差額を受益者である第三者から回収してこれを自己の債権
の満足に供する手段を与えることを目的とするに止まるものであるのか、又は更に
この目的の範囲を越えて、一部の債権者が他の債権者に先立つて自己の債権につい
て弁済を受け、又は本件におけるように、かかる優先弁済を確保するために担保権
の設定を受けることを妨止することによつて、一般債権者に対する平等弁済を保障
することまでを目的としたものと解すべきものかどうかということに帰着する。
 従来の大多数の先例が採用した見解によれば、例えば、一部の債権者が他の債権
者に先立つて自己の債権について弁済を受けた場合には、右弁済の当事者に債権者
詐害の事実についての認識があることを条件として詐害行為の成立を認め、他の債
権者は右弁済の効果を否定して一部の債権者が弁済によつて受けた利益、金銭債権
の場合であれば弁済として支払を受けた金員、の返還を請求することができるもの
とされているのであつて、従来大多数の先例が債権者取消権の制度の目的を一般債
権者に対する平等弁済の保障と解していることは明かというべきであろう。しかし
ながら、若しこの見解が正しいものであるとするならば、取消権を行使する債権者
は単に自己の有する債権額の限度においてのみならず、弁済の全部の効果を否定し
て、一部の債権者が弁済によつて得た利益の全部の返還を請求し得るものとすべき
であり、また、取消権者は取消権の行使によつて回収し得た利益を全債権者(この
なかには取消権の行使を受けた一部の債権者も含まれるとすべきであろう)のため
に管理し、各債権者の債権額に応じてこれを全債権者に配分すべきものとするので
ない限り、平等弁済の実を挙げることはできないこととなるわけである。しかる
に、この平等弁済を実現するための手段方法については、実体法上においても、ま
た、手続法上においても、法律にはなにらの定めがなく、また、この立法の空白を
解釈によつて補うことも、単に困難というに止まらず、不可能というべきであろ
う。されば、従来の先例の見解においても、取消権者は単に自己の有する債権額の
限度において債務者が一部の債権者に対してした弁済の効果を否定し、右債権額の
範囲内においてのみ一部の債権者が弁済によつて得た利益の返還を請求し得るもの
とされる反面、取消権者が取消権の行使によつて回収した利益については、これに
なにらかの法律上の制限が附着しているものとして、その処分に制限を加えるべき
ものとはされていないのであつて、取消権者は、結局、取消権の行使によつて回収
した利益を自己の債権の満足に充てることを妨げないのである。しかしながら、こ
のことは、一部の債権者が自己の債権の弁済を受けることによつて他の債権者の有
する平等弁済の利益を害したことを理由に、その一部の債権者が弁済として受けた
利益を奪い、これを取消権者に与えることを意味するのであつて、取消権行使の結
果は、却つて、同じく一部の債権者であるに過ぎない取消権者に優先弁済の利益を
付与することに外ならない。即ち、かくては債権者取消権の制度が目的とした平等
弁済の実を挙げることはできない筋合であつて、この制度の目的を一般債権者に対
する平等弁済の保障と解する限り、以上のような結果が生ずることは、法律上の制
度としては自己矛盾というより外はないのである。しかして、一般債権者に対する
平等弁済を実現するための手段として破産の手続、特に破産法における否認権の制
度が定められていることを併せ考えれば、債権者取消権の制度が上述したような自
己矛盾ともいうべき結果を生ぜしめることをもつて、たやすくこれを法律の規定の
不備によるものとして、責を立法に帰することはできないものというべきである。
 当裁判所は、従来の幾多の先例にもかかわらず、上述した理由のもとに、民法の
定める債権者取消権の制度は、一般債権者に対する平等弁済、即ち債権者平等の原
則の実現までをも保障することを目的とするものではなく、受益者が債務者から無
償若しくは不相当に低廉な対価で財産の譲渡を受け、又は自己の債権に対する弁済
に代えて債権額を超える価額の財産の譲渡を受ける等、受益性が債務者の行為によ
つて実質上においても利益を得たと言い得る場合において、他の債権者が受益者か
ら右利益を回収してこれを自己の債権の弁済に充てることを可能ならしめることに
よつて債権者の保護を図ることを目的としたに止まるものと解するのであつて、ま
たかく解することによつて、債権者詐害の事実については受益者又は転得者の悪意
を推定し、善意を主張する者に挙証の責任を負わせている法律の規定の合理性も首
肯し得るのである。従つて、一部の債権者が他の債権者に先立つて自己の債権につ
いて債務者から弁済を受け、又は本件におけるように、一部の債権者が自己の債権
の弁済を確保するために債務者所有の不動産について根抵当権の設定を受けたよう
な場合には、取消の原因たるべき債権者詐害の事実の成立する余地はそもそも当初
からないのであつて、若し右の弁済又は担保権設定の効果を否定するのでなければ
一般債権者保護の目的を達することができない場合には、すべからく破産手続にそ
の救済を求めるべきであり、詐害行為取消の手段に訴えるべきではないのである。
 なお、債権者取消権が成立するためには債権者詐害の事実について受益者又は転
得者が認識を有することが要件として定められているところから(もつとも法律の
規定の上では受益者又は転得者に善意であつたことについての挙証の責を負わせて
いるのではあるが)このことを根拠として債権者取消権の制度の目的が一般債権者
に対する平等弁済の保障にあることを説明しようとする見解も有り得るわけである
が、この見解もまた正当であるとは言い難い。いま一部の債権者が他の債権者に先
立つて自己の債権について弁済を受けた場合を例に取り、この場合にも詐害行為が
成立するものとするならば、弁済を受けた債権者はその弁済を受けることによつて
他の債権者の債権の全部又は一部の弁済が不可能となるべきこと、即ち債権者詐害
の事実について悪意であることを必要とするわけであるが、取消権者が取消権を行
使することによつて一部の債権者が弁済により受けた利益を回収し(この場合にお
ける取消権者は詐害行為における転得者又は転得者に準ずる者として考えることが
できるであろう)これを自己の債権の弁済に充てるときは、取消権者以外の他の債
権者の債権の全部又は一部の弁済が不可能となる結果を招来すべきことは自ら明か
であつて、取消権者自身、さきになされた弁済が他の債権者を害することについて
認識を有するのは勿論、自ら取消権を行使するに当つて、その取消権の行使自体が
また債権者詐害の結果を来すべきことについても当然にこれを予見し得たものとい
うべきであろう。してみれば、受益者又は転得者の悪意が詐害行為取済の要件とし
て定められていることを根拠として、債権者取消権の目的が一般債権者に対する平
等弁済の保障にあるとするときは、債権者取消権を行使することそれ自体がまた、
詐害行為となるものとして取消の対象となり、債権者取消権の行使は竟にその止ま
るところを知らないという奇異な結論を生ぜしめざるを得ない。
 これを要するに、債権者取消権なる制度の目的が一般債権者に対する平等弁済の
保障にあるとする見解については、これを正当とすべき合理的根拠を発見すること
ができないのであつて、控訴人の本訴請求は、訴外会社が訴外Aに対し負担する上
記認定の債務の担保として同訴外人のために本件建物に根抵当権を設定した行為が
債権者詐害の事実に該当することを前提とするものである以上、爾余の争点につい
ての判断を俟つまでもなく失当たるを免れない。
 よつて控訴人の本訴請求はこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事
訴訟法第九五条及び第八九条を適用して主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 平賀健太 裁判官 石田実 裁判官 安達昌彦)

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