弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告人両名代理人弁護士前田慶一の上告理由第一、二点について。
 原判決の引用した第一審判決は、その挙示の証拠により上告人Aは本件トラツク
を運転し、本件事故発生の地点にさしかかつた際、D(当時八歳)が進路左側から
右側に向け進路前方を横断しようとして進出したのに気付かず、約八米に接近して
初めてDを発見し急遽急停車の措置をとつたが、間に合わず、右トラツクをDに激
突させたものと認定した上(Dが上告人Aにおいて何ら応急の処置もとり得ない予
測し難い地点から突然飛出して来たとは認定していない)、以上のような事実関係
であるから、本件事故は上告人Aの前方注視の義務を怠つた過失に起因するもので
あると判断しているのであつて、前示証拠に照合すれば右のような事実認定も首肯
できないことはなく、そして右事実に基づき上告人Aに前方を注視する義務を怠つ
た過失あるを免れないものとした判断もこれを正当と認めざるを得ない。所論る述
の要旨は右認定事実と異る事実関係を想定して上告人Aの無過失を論証せんとする
ものであつて、結局原審の専権に属する事実認定の非難に帰する。なお、所論は本
件事故に関する刑事判決を云為するが右判決の内容が如何ようにもあれ、原審とし
てこれに一致する判断をしなければならない筋合はなく、また右判決と一致しない
事実認定をするについて第一審判決の説明以上の場面を附け加えなければならない
わけもない。されば原判決には所論の違法ありというを得ず、所論は採用できない。
 同第三点について。
 按ずるに、民法七二二条にいわゆる過失とは単に被害者本人の過失のみでなく、
ひろく被害者側の過失をも包含する趣旨と解するを相当とする。従つて本件のよう
な場合被害者Dの過失だけでなく、もし、事故発生の際Dの監督義務者の如きもの
が同伴しおり、同人においてDを抑制できたにもかかわらず、不注意にも抑制しな
かつたというのであれば、原審としてはその同伴者の過失を斟酌したであろうやも
測り難いのである。然るに記録によつても明かなように、上告人らは原審において
右過失の斟酌さるべきことを主張したにもかかわらず、原審はその点について何ら
考慮を運らした形跡がないのであるから、原判決はこの点において審理不尽、理由
不備の欠陥を蔵するものと云うの外なく、論旨は結局理由あるに帰する。よつて、
右の点について更に審理をつくさせるため、原判決はこれを破棄し本件はこれを原
裁判所に差戻すを相当とし、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文
のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    高   木   常   七

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