弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は弁護人中島武夫作成の控訴趣意書の通りであるからこれを引用
し、これに対し当裁判所は次のように判断する。
 論旨第一点について。
 原判決が法令の適用において罰則たる覚せい剤取締法第四十一条第一項第二号の
みを適用し、被告人の所為<要旨>が同法第何条に違反するかを明示していないこと
は所論の通りである。しかし右第四十一条第一項には左の各号の一に該当す
る者は五年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処すると規定し、その第二号には
「第十四条第一項(所持の禁止)の規定に違反した者」と規定しているから、被告
人の所為は同法第十四条第一項(所持の禁止)の規定に違反した結果同法第四十一
条第一項第二号に該当するものとして同条を適用したことが明らかで更に同法第十
四条第一項を明示しなくても何等違法ではない。論旨は理由がない。
 論旨第二点について。
 覚せい剤取締法第四十一条の三には「前二条の場合においては、犯人が所有し、
又は所持する覚せい剤は、没収する。但し、犯人以外の所有に係るときは没収しな
いことができる」と規定しているから、同条の趣旨は犯人の所有に係るときは勿
論、犯人の所有でなくても犯人の所持する覚せい剤は原則として没収するが、ただ
犯人以外の所有に係るときは裁判所の自由裁量で没収しないことができる趣旨と解
すべきである。故に犯人の所持した覚せい剤を没収したいときは、それが犯人以外
の者の所有に係ることを明かにすることを要するけれども、これを没収する場合に
は必ずしも犯人以外の所有に係るものでないかどうかを明かにする必要はないので
ある。原審は被告人が法定の除外事由なくして覚せい剤を所持した事実を認定し、
覚せい剤取締法第四十一条の三を適用して没収しているのであるから、特に右覚せ
い剤が犯人以外の所有に係るものでないかどうかを審理しないで没収したとしても
これを以て違法とはいえない。尤も犯人以外の所有に係るときは裁判所は没収しな
いことができるのであるから、原審が没収したことが相当であるかどうかを判断す
るための資料として、犯人以外の所有に係るかどうかを審理し記録上明かにしてお
くのを妥当とするが、記録によると本件の覚せい剤は被告人が川崎の朝鮮人Aとい
う者(住所不明)からこれを他に売つてもよし若し売れなければ預つて置いてくれ
といつて置いて行つたものだというのであつて、一応犯人以外の者の所有に係るこ
とを窺知し得るのであり、これ以上所有関係を明かにすることは極めて困難である
と思料せられる。かかる場合に犯人の所持した覚せい剤を没収するのは相当であつ
て、原審が覚せい剤取締法第四十一条の三但書を適用せず同条本文により没収した
のは何等違法ではない。論旨は理由がない。
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 工藤慎吉 判事 渡辺辰吉 判事 江碕太郎)

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