弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を東京高等裁判所に差戻す。
         理    由
 弁護人丸山正次の上告趣意について。
 原判決は原審第八回(原判決に第七回とあるのは明らかに第八回の誤記と認めら
れる)公判調書中の証人Bの供述記載を証拠とし之を他の諸証拠と綜合して被告人
の本件犯罪事実を認定していること、右第八回公判が裁判長判事加納駿平、同亀崎
弘尚及び同鈴木重光によつて構成された裁判所で開かれていること、そして右A判
事が本件第一審の裁判に関与した判事であつたことはすべて所論のとおりである。
然らば右A判事は前審関与として当然原審において本件の審理につき職務の執行か
ら除斥せらるべきものであるから、同判事を構成員として開かれた右原審第八回公
判手続が違法であることは勿論、右公判調書における証人の供述記載を事実認定の
資料に供することも亦違法であるといわねばならない。従つて原判決には所論のよ
うな違法があり破棄を免れないから、他の論旨につき説明を省略する。
 よつて刑訴施行法二条旧刑訴四四七条四四八条ノ二により主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 松本武裕関与
  昭和二六年五月二五日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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