弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人小脇芳一、同古田進の上告趣意第一点について。
 所論は法令違反の主張であるから刑訴四〇五条所定の上告理由に当らない。所論
は要するに被告人には黙秘権が認められており自己の被告事件について他人を教唆
して偽証させた場合は理論上自己の被告事件に関する証憑湮滅行為に外ならないか
ら刑法一〇四条の趣旨により偽証教唆罪に問擬すべきではないというに帰する。し
かし被告人自身に黙秘権があるからといつて、他人に虚偽の陳述をするよう教唆し
たときは偽証教唆の責を免れないことは既には当裁判所の判例とするところであり
(昭和二六年(あ)第二六二号、同二七年二月一四日第一小法廷決定参照)、今こ
れを変更する必要を認めない。また刑法一〇四条の証憑の偽造というのは証拠自体
の偽造を指称し証人の偽証を包含しないと解すべきであるから、自己の被告事件に
ついて他人を教唆して偽証させた場合に右規定の趣旨から当然に偽証教唆の責を免
れるものと解することはできない。従つて原判決には所論の如き違法も存しない。
 同第二点について。
 所論もまた法令違反の主張であるから刑訴四〇五条所定の上告理由にあたらない。
そして第一審判決挙示の証拠により証人Aは宣誓の上虚偽の陳述をしたものである
ことが明らかであり真実の事実が如何なるものであるかはこれを判示する必要はな
い。また何人も自己が刑事訴追を受け又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むこ
とができることは刑訴一四六条の規定するところであるが証人がこの証言拒絶権を
抛棄し他の刑事事件につき証言するときは必ず宣誓させた上で、これを尋問しなけ
ればならないのである。それゆえかかる証人が虚偽の陳述をすれば刑法一六九条の
偽証罪が成立するのである。されば本件につき証人Aが所論の如く証言拒絶権があ
るとしても同証人は拒絶権を抛棄し宣誓の上虚偽の証言をしたものであるから偽証
罪の成立したものというべく被告人が右証人を教唆して偽証させたときは偽証教唆
の責を免れないものと解すべきである。従つて原判決には所論の如き違法も存しな
い。
 弁護人馬越旺輔の上告趣意について。
 所論の一は証拠の価値判断及び事実認定を非難する主張であり、所論の二は量刑
不当の主張であつていずれも刑訴四〇五条所定の上告理由に当らない。所論の三は
大赦を云為するが偽証については大赦がなかつたのであつて上告適法の理由にあた
らない。
 なお記録を精査するも本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな
い。
 よつて刑訴四一四条三八六条一項三号、一八一条により主文のとおり決定する。
この決定は裁判官全員一致の意見である。
  昭和二八年一〇月一九日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛