弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 弁護人高瀬六郎上告趣意第一点乃至第三点について。
 所論の第一審第一回公判調書及び第一審判決は、共にその記載稍精密を欠く嫌が
ないではないが、右調書の記載によつても、その前後を対照しつつこれを熟読すれ
ば、被告人両名がそれぞれ裁判長の尋問に答えていずれも原判決の判示事実と同趣
旨の供述をしていることが了解し得るのであり、又右判決の判示によつても、その
引用証拠の内容を記録について参照すれば、必ずしも被告人両名と第一審相被告人
Aとの間に共犯関係があると認定したものではないこと、並に被告人両名の犯行の
実態及びその日時場所等に関する具体的事実を明かにし得るのである。尤も右判決
それ自体では罪となるべき事実及び証拠によつてこれを認めた理由を具体的に明確
になし得ない節もあるので、該判決は刑訴第三六〇条の要請に副わないものといい
得るであろう。しかし、原審公判廷において、検察官が右判決にもとずいて公訴事
実の陳述をなしたとしても、被告人両名に対する公訴事実として如何なる事実が陳
述されたかは、本件訴訟関係人には、容易に了解し得る筈であり、現に原審も公訴
状記載の被告人両名に対する公訴事実につき審理を遂げ、又被告人等も該事実につ
き弁論を為していることは、記録上明白であつて、その間何等手続上の違法は存在
しないのである。次に原判決が第一審第一回公判調書中の被告人両名の供述記載を
証拠として引用していることは論旨の指摘するとおりである。しかし、前説示の如
く、右調書には所論のような不明確はないのであるから、この一事を捉えて原判決
に採証上の違法があると為す所論には賛同することはできない。されば、論旨第三
点は理由なきものである。なお、論旨第一点及び第二点の所論はすべて第一審の手
続及び判決における瑕疵を非難するものである。しかし、第二審裁判所は、覆審主
義の下に事案の全般に亘つて新たに審理を為し判決をするのであるから、第一審の
手続及び判決における瑕疵は、それが第二審判決に影響を及ぼしその違法を招来し
ない限り、これを以て上告理由となし得ないことは多言を要しないところである。
しかるところ、第一審公判調書に、論旨第一点所論の如き不明確の存在しないこと、
又第一審判決には同第二点所論のような違法があるとしても第二審判決に何等影響
を及ぼさないものであることは、前段説示の通りであるから、この点に関する論旨
も亦採用の限りでない。
 同第四点について。
 人権の尊重せらるべきことは、もとより多言を要しないところである。しかし、
原審は被告人両名の犯行として判示強盗の事実を適法に認定して、犯行当時既に満
一八歳を過ぎていた被告人両名に対し懲役四年の実刑を科したのであるから、唯被
告人等が年少であるとの一事に立脚して、原判決を人権を尊重しない違法の裁判で
あると速断することはできない。論旨は結局事実審である原審の自由裁量に属する
量刑の不当を非難するに帰着し上告適法の理由とならない。
 よつて刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 安平政吉関与
  昭和二三年一二月二七日
     最高裁判所第一法小廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    齋   藤   悠   輔

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