弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2被控訴人が平成14年10月11日付け東管総発第×××号及び同第×
××号をもって控訴人に対してした行政文書の開示実施手数料の減額及び
免除をしない旨の決定を取り消す。
第2事案の概要
1本件は,控訴人が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下
「情報公開法」という)第16条第3項,同法施行令(以下「施行令」。
という)第14条第2項の規定に基づき,被控訴人に対し,行政文書の。
開示実施手数料の減額又は免除を申請したところ,被控訴人が,平成14
年10月11日付け東管総発第×××号及び同第×××号をもって控訴人
に対し,控訴人が領置金残高の照会等に応じないため経済的困難により開
示実施手数料を納付する資力がないか否かの判断ができないとして,開示
実施手数料の減額及び免除をしない旨の決定(以下,併せて「本件処分」
という)をしたことから,控訴人がその取消しを請求する事案である。。
2原判決は,控訴人の請求を全部棄却したのでこれを不服とする控訴人が
控訴を申し立てた。
3法令の定め,前提となる事実,当事者双方の主張及び争点は,後記のと
,「」おり控訴人の当審における主張を付加するほかは原判決事実及び理由
欄「第2事案の概要」の1ないし4(原判決2頁3行目から8頁19行目
まで)記載のとおりであるから,これを引用する。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,控訴人の請求をいずれも棄却すべきものと判断する。その
理由は,2において,控訴人の当審における主張に対する判断を付加する
ほかは,原判決「事実及び理由」欄「第3当裁判所の判断」の1ないし
3(原判決8頁21行目から12頁4行目まで)に説示するとおりである
から,これを引用する。
2控訴人の当審における主張に対する判断
(1)控訴人は,東京矯正管区情報公開審査基準が,平成14年10月1
日,生活保護法の扶助を受けている者以外の者の申請に係る開示実施手
数料の減免につき,経済的困難を証明する書面の具体例として「同一,
世帯に属するすべての者の市区町村民税の非課税証明書が提出された場
合「ただし,単身世帯で他に別居の家族がいる場合など同証明書の」,
みをもって資力がないと認めることが適当でない場合もあるので,その
ような場合には,資力がない旨証明する書面等の提出を追加で求めるこ
とも考えられる」と改訂したことを指摘し,このような改訂が控訴人。
に不利益を与えるもので,憲法第14条,施行令第14条第3項等に違
反するなどと主張する。
証拠(乙19)によれば,確かに平成14年10月1日付けで,東京
矯正管区における情報公開審査基準の一部が改正され,施行令第14条
の解説には,控訴人の主張するような記載があることが認められるが,
証拠(甲53の1,2)によれば,上記記載が平成14年10月1日付
けの上記審査基準の改正時に新しく内容が変更されたとも認め難く,ま
た,本件処分が上記記載に従ってされたものであることをうかがわせる
に足りる証拠もない。これに加えて,そもそも,行政処分の違法性は,
法の認める裁量権の範囲を超え又はその濫用としてされたか否かの観点
から判断されるべきであって,これがどのような基準ないし準則に基づ
いてされたかによって,当該処分が違法になるものではないと解するの
が相当である(最高裁判所昭和53年10月4日大法廷判決・民集32
巻7号1223頁参照。そして,本件処分が法の認める裁量権の範囲)
を超え又はその濫用としてされたと認めることができず,これが違法と
,。いえないことは前記引用に係る原判決が詳細に説示するとおりである
以上によれば,控訴人の上記主張は,前提を欠くものであって,失当と
いうほかない。
(2)控訴人は,さらに,原判決には事実誤認があるなどとしてこれを非
難し,また,本件処分が憲法第13条等に違反し,裁量権行使の逸脱,
濫用があるから取り消されるべきである旨を縷々主張する。
しかしながら,本件処分は,被控訴人が,情報公開法第16条第3項
によって付与された裁量権の範囲でしたもので,本件処分について,被
控訴人に裁量権の範囲を超え又はその濫用があったといえないことは,
,,前記引用に係る原判決が説示するとおりであって控訴人の上記主張は
,,いずれも結論にかかわりのないことに関して原判決を論難するものか
あるいは,前提を欠くものといわざるを得ず,失当であり,採用するこ
とができない。
3以上のとおり,控訴人の請求を棄却した原判決は相当であって,本件控
訴は理由がない。
第4結論
よって,本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第21民事部
裁判長裁判官浜野惺
裁判官金子順一
裁判官長久保尚善

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛