弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人辻誠、同相沢庄治郎、同山田治男、同山田律子の上告理由第一点およ
び第二点について。
 原審の確定した事実によれば、被上告人は本件宅地を所有し、上告人らは右宅地
上に建てられた訴外D所有の建物に居住して右宅地を占有していること、Dは本件
建物を本件宅地と共に訴外Eから買い受けたが、その買受代金の内一〇〇万円を被
上告人より借り受けたため、右借受金債務の担保とする趣旨で右宅地の買受名義人
を被上告人として登記を経たこと、Dは同人が昭和三三年二月二二日迄に右元利金
を支払つたときは被上告人より右宅地の所有権移転登記を受けられるが、右期限迄
にその支払をしないときは、右権利を放棄して右宅地上の本件建物を収去し本件宅
地を被上告人に明け渡す旨を被上告人と約したこと、更に昭和三三年五月七日、D
は同年一〇月末日までに右金一〇〇万円を支払わないときは被上告人に対し右建物
を収去して本件宅地を明け渡す旨の調停が成立し、その旨調書に記載されたという
のであつて、右事実の確定は当事者間に争なき事実および原判決挙示の証拠関係に
照らして肯認できる 論旨は、原判決の理由不備、経験則違反、採証法則の誤りを
いうが、結局、原審の裁量に委された証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰
し、いずれも採用できない。
 同第三点について。
 本件建物の賃借人たる上告人らを右建物から立ち退かせるために右建物の実質上
の買主たる被上告人がDと通謀して、あだかもDが、右建物を買い受けたように装
い、前示合意ならびに調停成立の形式をとつたにすぎないとする上告人らの主張事
実は、原判決が認定できないとしているところであるから、右通謀仮装の意思表示
のなされたことを前提として被上告人とDとの間の前記合意ならびに調停の無効を
いう所論は、採用できない。
 本件建物の適法な賃借人である上告人らの同意なくして被上告人とDとが右建物
の収去を約しその旨の調停を成立させることは、建物賃借人の権利を侵害するもの
であつて許されないか、または、権利の正当な行使を逸脱するものであつて、権利
の濫用に当るとの上告人らの主張に対し、上告人らを立ち退かせる手段として右合
意ないし調停の方法がとられたような場合は格別として、かかる事実の認められな
い本件にあつては、右主張は採用できないとした原判決の判断は、首肯できる。論
旨は、上告人らが適法な賃借権に基づいて、本件建物に永年居住していることを熟
知しながら右建物の収去を約することは公序良俗に反し無効であるというが、原審
確定の事実関係のもとで右合意の公序良俗違反をいうことはできないから、該論旨
は採用できない。
 よつて、民訴法三九六条、三八四条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全
員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    岩   田       誠

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