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平成24年10月17日判決言渡同日原本領収裁判所書記官
平成23年(ワ)第26696号ロイヤルティ等請求事件(被告株式会社サンク
ス・ライフパートナー関係)
口頭弁論終結日平成24年8月29日
判決
東京都港区<以下略>
原告株式会社エイブル
同訴訟代理人弁護士坂東司朗
同池田紳
同小松淳一
(送達をすべき場所)不明
(商業登記簿上の本店所在地)福島県郡山市<以下略>
被告株式会社サンクス・ライフパートナー
主文
1被告は,原告に対し,216万8554円及びうち122万3554円に対
する平成23年1月28日から,うち94万5000円に対する平成24年
8月8日から,各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2被告は,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売
買,建物の売買の代理又は媒介,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土
地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介の役務に関する広告に,別
紙被告標章目録記載の標章を付して展示してはならない。
3被告は,別紙被告標章目録記載の標章を付した別紙物件目録①の1,2,4
ないし50記載の看板を廃棄せよ。
4被告は,別紙物件目録①の3記載のシャッターから,別紙被告標章目録記載
の標章の表示を抹消せよ。
5被告は,別紙物件目録②の1ないし4記載の自動販売機から,別紙被告標章
目録記載の標章の表示を抹消せよ。
6訴訟費用は被告の負担とする。
7この判決は,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1請求
主文同旨
第2当事者の主張
1請求原因
(1)当事者
ア原告は,主に不動産賃貸借仲介及び不動産管理を目的とする株式会社で
ある。
イ被告は,主に不動産の売買,賃貸,管理,仲介等を目的とする株式会社
である。被告の旧商号は有限会社住マイルホームであり,平成21年1月
20日に株式会社住マイルホームに,平成23年1月9日に現商号に商号
変更されている。
(2)本件加盟契約の締結等
ア原告は,平成21年2月1日,被告との間で,福島県郡山市<以下略>
所在,エイブルネットワーク郡山中央店に関する「エイブルネットワーク
加盟契約」(以下「本件加盟契約①」という。)を締結した。
イ原告は,平成20年3月31日,被告との間で,福島県郡山市<以下略
>所在,エイブルネットワーク日大通り店に関する「エイブルネットワー
ク加盟契約」(以下「本件加盟契約②」といい,合わせて「本件加盟契
約」という。)を締結した。
ウ本件加盟契約においては,以下のような条項が定められている。
(ア)ロイヤルティ等(22条)
①ロイヤルティ,広告分担金及びANS(エイブルネットワークシス
テム)システム利用料は,契約始期日から発生するものとする。開業
から1か月に満たない場合,日割計算によって算定するものとし,毎
月月末締め分を翌月26日までに原告に着金するように,原告が別途
指定する銀行口座へ振り込むものとする。なお,振込手数料は被告の
負担とする。
②ロイヤルティは月額5万2500円(税込)とする。
③広告分担金は月額5万2500円(税込)とする。
④ANSシステム利用料は月額5万2500円(税込)とする。
(イ)契約解除(45条)
被告において次の各号の1つにでも該当する事由が発生したときは,
原告は,被告に対して,2週間の猶予期間を設けて文書にて是正を求
め,猶予期間満了後においても,その事由が改められない場合は,本契
約を解除することができ,解除とともに違約金として,22条に定める
月額徴収料の3か月分相当額の金員を請求することができる。
①22条に規定する債務の滞納があるとき。
(ウ)終了に伴う債務等の決済(49条)
本契約が期間満了,解約,解除などにより終了した場合,その理由の
如何を問わず,被告は原告及びその関係会社に対し,負担している金銭
債務を直ちに支払うものとする。
(エ)契約終了の効果(50条)
契約が解除・解約または期間満了等により終了したときは,その理由
の如何を問わず,被告の本契約に基づく一切の権利は消滅し,被告は次
に掲げる事項を履行するものとする。
②「エイブル商標等」を表示する全ての商標類,看板等の一切の使
用を直ちに中止する。
(3)本件加盟契約の解除
ア被告は,平成22年11月及び12月の各26日が経過したにもかかわ
らず,平成22年10月から同年11月までの,郡山中央店分のロイヤル
ティ等(ロイヤルティ・広告分担金・ANSシステム利用料・物品販売)
31万7100円の支払いを怠った。
イ被告は,平成22年11月及び12月の各26日が経過したにもかかわ
らず,平成22年10月から同年11月までの,日大通り店分のロイヤル
ティ等(ロイヤルティ・広告分担金・ANSシステム利用料)31万50
00円の支払いを怠った。
ウ原告は,被告に対し,平成23年1月13日到達の書面により,本件加
盟契約に基づく未払ロイヤルティ等を平成23年1月17日までに支払う
よう催告するとともに,同期間の経過により契約を解除する旨の意思表示
をした。
エしかし,平成23年1月17日になっても被告から支払はなく,さらに
本件加盟契約45条1項が規定する2週間が経過してもなお支払がなされ
なかったことから,本件加盟契約は,遅くとも平成23年1月27日の経
過をもって解除された。
(4)未払ロイヤルティ等
ア被告は,原告に対し,本件加盟契約49条1項の規定に基づき,平成2
2年10月分から同年12月分までのロイヤルティ等相当分及び本件加盟
契約の終了日である平成23年1月27日までの日割り分のロイヤルティ
等相当分合計122万3554円を支払う義務を負う。
イ原告は,被告に対し,平成24年8月7日送達の平成24年4月4日付
け訴状訂正申立書により,本件加盟契約45条1項に基づき,同22条に
定める月額徴収料の3か月分相当額(2店舗分)合計94万5000円の
支払を請求する。
(5)商標権侵害
ア原告は,下記商標権を有する。

登録番号登録第5023413号
出願番号商願2005-090862
出願年月日平成17年9月29日
商標登録日平成19年2月2日
商標別紙商標目録記載のとおり(以下「原告商標」という。)
商品及び役務の区分第36類
指定役務建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の
売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管
理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買
の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供等
イ被告の行為
被告は,本件加盟契約が終了したにもかかわらず,平成23年1月28
日以降現在に至るまで,依然として原告商標と類似する別紙被告標章目録
記載の標章(以下「被告標章」という。)を別紙物件目録①の1,2,4
ないし50の看板に付して,被告標章を広告使用している。
また,被告は,平成23年1月28日以降現在に至るまで,依然として
被告標章を付した別紙物件目録②の1乃至4記載の自動販売機を各オーナ
ーの所有物件に展示することで,被告標章を広告使用している。
さらに,被告は,オーナー所有の別紙物件目録①の3記載のシャッター
に,被告標章を付することにより,平成23年1月28日以降現在に至る
まで,依然として被告標章を広告使用している。
ウ原告商標と被告標章との対比
(ア)原告商標
①外観
原告商標の外観は,「エイブル」の文字を中心に据え,文字自体は
緑色で塗り潰された太文字で構成される。そして,「エ」の文字の真
下付近に緑色と白色の格子模様の太線が引かれ,「ブル」の文字の真
上付近に同様に緑色と白色の格子模様の太線が引かれている。
②称呼
原告商標は,「エイブル」との称呼を生じる。
③観念
原告商標は,不動産賃貸仲介事業,不動産管理事業等を主な業務と
して全国展開している株式会社エイブルとの観念を生じる。
また,英単語の「able」との関係で,「できる」という意味合いが
ある。
(イ)被告標章
①外観
被告標章の外観は,エイブルの文字を中心に据え,文字自体は白色
で塗り潰された太文字で構成される。そして,「エ」の文字の真下付
近に白色の太線が引かれ,「ブル」の文字の真上付近に同様に白色の
太線が引かれている。
②称呼
被告標章は,「エイブル」との称呼を生じる。
③観念
被告標章は,不動産賃貸仲介事業,不動産管理事業等を主な業務と
して全国展開している株式会社エイブルとの観念を生じる。
また,英単語の「able」との関係で,「できる」という意味合いが
ある。
(ウ)原告商標と被告標章との類似
原告商標と被告標章とは,称呼及び観念が同一であり,外観も全体的
な構成等の点において極めて類似している。
よって,原告商標と被告標章とは類似する。
エ原告商標の指定役務と被告提供役務との対比
被告が,看板・自動販売機等の広告設置により提供しようとしている役
務内容は,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の
売買,建物の売買の代理又は媒介,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒
介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介の役務であると
ころ,これらはいずれも原告商標の指定役務に含まれる。
オ以上より,被告による被告標章を付した看板,自動販売機,シャッター
等の広告物の展示行為は,原告商標権を侵害する行為である。
したがって,原告は被告に対し,商標法36条1項・2項に基づき,被
告標章を付した看板,自動販売機,シャッター等の広告物を展示する行為
を停止するとともに,被告標章を付した別紙物件目録①の1,2,4ない
し50記載の看板を廃棄し,別紙物件目録①の3記載のシャッターから被
告標章の表示を抹消し,別紙物件目録②の1ないし4記載の自動販売機か
ら被告標章の表示を抹消するよう請求する。
(6)不正競争行為
ア原告表示の商品等表示性
原告は,別紙商標目録記載の表示(以下「原告表示」という。)を営業
活動において使用している。
したがって,原告表示は,原告の営業表示である。
イ原告表示の周知性・著名性
原告は,1968年にアパート・マンションの賃貸仲介業務を開始して
以来,不動産賃貸仲介事業,不動産管理事業,フランチャイズ事業,パー
キング事業等を展開することで順調に企業規模を拡大させ,今現在におい
ては,資本金26億2200万円,従業員数3020名,国内店舗網とし
て直営店471店,ネットワーク店339店を擁する日本屈指の不動産賃
貸仲介業者である。
そして,原告は,原告表示を統一営業表示として使用する会社として,
テレビCM・インターネット上で大々的に公告宣伝を行うとともに,エイ
ブルネットワーク各加盟店においては原告表示を付した広告看板・名刺・
封筒等を用いて業務が行われており,上記原告表示を見れば原告が営業主
体として行っている業務であることが強く認識されるところである。
よって,原告表示は,原告が営業主体であることを示す営業表示とし
て,その「需要者の間に広く認識され」周知性が認められるとともに(不
正競争防止法第2条1項1号),全国的に「著名」な商品等表示であると
いえる(同法第2条1項2号)。
ウ被告による使用行為
被告は,本件加盟契約が終了したにもかかわらず,平成23年1月28
日以降現在に至るまで,原告表示と類似する別紙被告営業表示目録記載の
表示(以下「被告表示」という。)を,別紙物件目録①の1,2,4ない
し50記載の看板に付して使用している。
また,被告は,平成23年1月28日以降現在に至るまで,依然として
別紙物件目録②の1ないし4記載の自動販売機に被告表示を付して使用し
ている。
さらに,被告は,平成23年1月28日以降現在に至るまで,オーナー
所有の別紙物件目録①の3記載のシャッターに被告表示を付して使用して
いる。
エ原告表示と被告表示との類似
原告表示と被告表示とが類似していることについては,上記(5)ウのと
おりである。
オ混同を生じさせる行為
原告は,主に不動産賃貸仲介事業及び不動産管理事業を主な業務として
展開している一方で,被告も不動産の売買・賃貸・管理等を主な業務とし
ており,その需要者は共通していることからすれば,需要者において,原
告と被告とが同一の営業主体であると誤信する可能性が極めて高く,被告
の営業又は商品がそれぞれ原告の営業又は商品と混同を生じさせるおそれ
がある。
カ営業上の利益の侵害
被告が,原告表示と類似の被告表示を使用することにより,原告表示の
ブランド力が持つ顧客吸引力を容易に取得し,潜在的に存する原告の顧客
を奪うことで,原告の営業上の利益を侵害することになり,今後も侵害さ
れるおそれが大きい。
キしたがって,原告は被告に対し,不正競争防止法2条1項1号及び2
号,3条1項及び2項に基づき,被告表示の使用の差止めを求めるととも
に,被告表示を付した別紙物件目録①の1,2,4ないし50記載の看板
を廃棄し,別紙物件目録①の3記載のシャッターから被告表示を抹消し,
別紙物件目録②の1乃至4記載の自動販売機から被告表示を抹消するよう
請求する。
(7)よって,原告は,被告に対し,①未払ロイヤルティ等及び違約金合計2
16万8554円及びうち未払ロイヤルティ等122万3554円に対する
本件加盟契約解除の日の翌日である平成23年1月28日から,うち違約金
94万5000円に対する請求日の翌日である平成24年8月8日から各支
払い済みまで,商事法定利率年6分の割合による金員を支払うよう求めると
ともに,②広告物等に別紙被告標章目録記載の標章を付して展示してはなら
ず,③別紙被告標章目録記載の標章を付した別紙物件目録①の1,2,4な
いし50記載の看板を廃棄し,④別紙物件目録①の3記載のシャッターか
ら,別紙被告標章目録記載の標章の表示を抹消し,⑤別紙物件目録②の1な
いし4記載の自動販売機から,別紙被告標章目録記載の標章の表示を抹消す
るよう求める。
2請求原因に対する認否
被告は,公示送達による呼出を受けたが,本件口頭弁論期日に出頭しない。
第3当裁判所の判断
1被告は,公示送達による呼出を受けたが,本件口頭弁論期日に出頭しない。
2甲1,2,9及び弁論の全趣旨によれば,請求原因(1)(当事者)の事実が
認められる。
3甲3,4によれば,請求原因(2)(本件加盟契約の締結等)の事実が認めら
れる。
4請求原因(3)(本件加盟契約の解除)につき,甲5,6,7の1・2及び弁
論の全趣旨によれば,被告が平成22年10月分及び11月分のロイヤルティ
等合計63万2100円(本件加盟契約①につき31万7100円,本件加盟
契約②につき31万5000円)の支払を怠ったこと,原告が,被告に対し,
平成23年1月13日到達の書面により,本件加盟契約に基づく未払ロイヤル
ティ等を平成23年1月17日までに支払うよう催告するとともに,同期間の
経過により契約を解除する旨の意思表示をしたこと,同書面到達の2週間後で
ある平成23年1月27日が経過しても,被告は上記未払ロイヤルティ等を支
払わなかったことが認められる。なお,本件加盟契約書45条には,2週間の
猶予期間を設けてロイヤルティ等の支払を催告した場合において,上記猶予期
間経過後に,なお支払がされない場合には,原告は本件加盟契約を解除するこ
とができる旨の記載があるが(甲3,4),上記約定は,原告が,指定した期
間内の支払を催告し,その催告期間の経過により契約を解除する旨の意思表示
をしていた場合において,遅くともその意思表示後に約定所定の猶予期間(2
週間)が経過することにより,契約解除の効力が生じるとする趣旨を含んで合
意されたものであると認められる。
そうすると,本件加盟契約は,平成23年1月27日の経過をもって解除さ
れたものと認められる。
5請求原因(4)(未払ロイヤルティ等)につき,甲3ないし6及び弁論の全趣
旨によれば,被告の支払うべき金員は以下のとおりである。
(1)郡山中央店平成22年10月分から同年12月分までのロイヤルティ
・広告分担金・ANSシステム利用料・物品販売分47万6700円
郡山中央店平成23年1月1日から同月27日までのロイヤルティ・広
告分担金・ANSシステム利用料日割分13万7177円
(2)日大通り店平成22年10月分から同年12月分までのロイヤルティ
・広告分担金・ANSシステム利用料47万2500円
日大通り店平成23年1月1日から同月27日までのロイヤルティ・広
告分担金・ANSシステム利用料日割分13万7177円
(3)違約金15万7500円×3か月分×2店舗分94万5000円
(4)合計216万8554円
なお,本件加盟契約49条により,被告は,本件加盟契約が解除により終
了した場合,負担している金銭債務を直ちに支払うべき義務を負うところ
(甲3,4),前記4のとおり,本件加盟契約は,平成23年1月27日の
経過によって解除されたものと認められるから,被告は,上記(4)の金員の
うち,未払ロイヤリティ等(上記(1)及び(2)の金員)合計122万3554
円につき,上記解除日の翌日である同月28日から支払済みまで商事法定利
率年6分の割合による遅延損害金を支払うべき義務を負う。また,前記第3
の1のとおり,被告は,公示送達による呼出しを受けたものであるところ,
上記送達は,平成24年8月6日の経過により,同月7日をもって効力を生
じたものと認められるから(当裁判所に顕著),被告は,上記(4)の金員の
うち,違約金(上記(3)の金員)94万5000円につき,上記送達日の翌
日である同月8日から支払済みまで,商事法定利率年6分の割合による遅延
損害金を支払うべき義務を負う。
6請求原因(5)(商標権侵害)について検討する。
(1)甲8によれば,請求原因(5)アの事実が認められる。
(2)甲13,14によれば,請求原因(5)イの事実が認められる。
(3)原告商標と被告標章との対比
ア原告商標
(ア)外観
原告商標の外観は,「エイブル」の文字を中心に据え,白地に文字自
体は緑色で塗り潰された太文字で構成される。そして,「エ」の文字の
真下付近から「イ」の文字の第1画の終筆部分の直下まで,白色から緑
色へ次第に緑色が濃くなっていくように細かい点で構成された太線が引
かれ,「イ」の文字の第1画の始筆部分の直上から「ル」の文字の真上
付近まで,緑色から白色へ次第に緑色が薄くなっていくように細かい点
で構成された太線が引かれている。
(イ)称呼
原告商標は,「エイブル」との称呼を生じる。
(ウ)観念
「エイブル」は,英語で「できる」を意味する英単語(able)である
が,それほどなじみのある言葉ではなく,原告商標からは,特段の観念
は生じないというべきである。
イ被告標章
(ア)外観
被告標章の外観は,「エイブル」の文字を中心に据え,緑地に文字自
体は白色で塗り潰された太文字で構成される。そして,「エ」の文字の
真下付近から「イ」の文字の第1画の終筆部分の直下まで白色の太線が
引かれ,「イ」の文字の第1画の始筆部分の直上から「ル」の文字の真
上付近まで,白色の太線が引かれている。
(イ)称呼
被告標章は,「エイブル」との称呼を生じる。
(ウ)観念
被告標章からは,特段の観念は生じない。
ウ原告商標と被告標章とは,称呼が同一であり,緑色と白色を基調とする
外観は類似しており,原告商標と被告標章のいずれからも特段の観念は生
じないのであるから,原告商標と被告標章は全体として類似するというべ
きである。
エ甲13,14及び弁論の全趣旨によれば,被告は,建物の管理,建物の
貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒
介,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,
土地の売買の代理又は媒介の役務を提供するものであり,上記役務に関す
る広告に被告標章を付して展示しているものと認められる。
被告の上記役務は,いずれも原告商標の指定役務に含まれる。
(4)以上によれば,被告による被告標章を付した看板,自動販売機,シャッ
ター等の広告物の展示行為は,原告の商標権を侵害するものとみなされる
(商標法37条1号)から,原告は,被告に対し,商標法36条1項・2項
に基づき,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売
買,建物の売買の代理又は媒介,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,
土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介の役務に関する広告に
被告標章を付して展示することを差し止め,被告標章を付した別紙物件目録
①の1,2,4ないし50記載の看板を廃棄し,別紙物件目録①の3記載の
シャッターから被告標章の表示を抹消し,別紙物件目録②の1ないし4記載
の自動販売機から被告標章の表示を抹消するよう求めることができる。
7請求原因(6)(不正競争行為)については,請求原因(5)(商標権侵害)と選
択的な請求と解されるところ,商標権に基づく請求が全て認められるから,不
正競争行為の成否については判断するまでもない。
8以上によれば,原告の請求はすべて認められる。
よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官大須賀滋
裁判官西村康夫
裁判官森川さつき

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