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(本案事件 平成14年(行ウ)第68号)
           決        定
主        文
 1 被申立人が,申立人に対し,平成14年12月24日付けでした,名古屋市
教育センター講堂の使用許可処分の取消処分の効力を本案判決が確定するまで停止
する。
 2 申立費用は,被申立人の負担とする。
 事実及び理由
第1 本件申立ての趣旨及び理由並びに被申立人の意見
 本件申立ての趣旨及び理由は,別紙行政処分執行停止申立書及び第1ないし第4
準備書面の各記載のとおりであり,これに対する被申立人の意見は,別紙第1ない
し第3意見書に各記載のとおりである。
第2 前提事実(争いのない事実及び疎明資料により一応認められる客観的事実)
1 当事者
 (1) 申立人
申立人は,愛知県立高等学校等に勤務する教職員約2300人によって組織されて
いる職員団体であり(疎甲1),全日本教職員組合(事務所 東京都千代田区二番町
12の1 全国教育文化会館内,加盟組合員数約15万人,以下「全教」とい
う。)を構成している団体の一つである(疎甲2,3)。
  (2) 被申立人
被申立人は,地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下「地教行法」とい
う。)2条に基づき組織された委員会であり,同法23条2号,名古屋市教育セン
ター条例(以下「本件条例」という。疎甲8)5条,同条例施行規則(以下「本件
規則」という。疎甲9,疎乙5)3条,10条に基づき,名古屋市熱田区神宮三丁
目6番14号所在の名古屋市教育センター(以下「本件施設」という。疎甲7)の
管理者として,その使用許可及びその取消しの権限を有する者である。
しかるところ,被申立人は,地教行法26条1項,教育委員会規則に基づき,争訟
手続において当事者として行わなければならない事務を教育長に委任している。
 2 事実経過等
(1)申立人は,全教,日本高等学校教職員組合,全国私立学校教職員組合連合,教
職員組合共同闘争推進連絡会,子どもの権利・教育・文化全国センター,岐阜県教
職員組合,岐阜県私立学校教職員組合とともに,教育研究全国集会実行委員会を組
織し(疎甲11),平成15年1月12日から14日の日程で,岐阜県内を中心に
2002年度の教育研究全国集会(以下「本件教研集会」という。)を開催するこ
ととなった。
例年の教育研究全国集会においては,第1日目に全体集会を行っていたが,開催地
である岐阜県において,その会場を確保することができなかった(疎甲12)た
め,これまで事務担当者らが全体集会の当日に全体集会会場において行っていた分
科会の運営方法等についての実務的打合せを全体集会の会場以外の場所で行う必要
が生じたことから,申立人は,全教からの要請を受け,本件教研集会前日の平成1
5年1月11日に上記実務的打合せの場所として本件施設の講堂を借り受けること
を決めた(疎甲32)。
(2) 申立人は,平成14年10月29日,被申立人に対して下記の内容(その内容
に係る会合を,以下「本件会合」という。)で使用許可を申請した(申請人である
使用申込者は申立人代表者。以下「本件申請」という。疎乙14)ところ,同日,
使用許可を受けた(以下「本件使用許可処分」という。疎甲5)。そこで,申立人
は,同日,講堂使用料として12万1000円を支払った(疎甲10)。
  ア 使用目的
   (ア) 行事の名称 「教育を語るつどい」
   (イ) 行事の内容 「学習会」
イ 使用責任者 A
ウ 使用日時  平成15年1月11日(土)午前9時から午後9時まで
エ 入場(集会)予定人員 800人
オ 使用施設  本件施設講堂
(3) ところが,被申立人は,申立人に対し,平成14年12月24日付けで,本件
使用許可処分を取り消す旨の処分をした(以下「本件取消処分」という。疎甲
6)。取消しの理由は,申立人の本件施設の使用が本件規則8条及び10条1号な
いし4号に該当するというものである。
(4) 申立人は,平成14年12月26日,本件取消処分の取消しを求める本案の訴
えを提起するとともに,本件取消処分の効力の執行停止の申立てをした。
(5) なお,申立人は,本件施設の講堂と並んで,名古屋市教育センター分館(教育
館)の第5研修室の使用許可も申請し(疎乙17),その使用許可を受けたが,本
件取消処分と同日付けで,その取消処分を受けている(疎乙19)。
 3 本件会合の予定内容について
 申立人が予定している本件会合の内容は,次のとおりである(疎甲11)。
(1) 11時30分から12時30分まで
  全国教研教文部長・事務担当者会議
(2) 13時30分から15時まで
  レポーター・司会者・共同研究者・教文部長合同会議
(3) 15時以降
司会者・共同研究者会議
 4 本件取消処分に関する本件条例及び本件規則の各規定
 本件取消処分に関して,本件条例及び本件規則には,次の各規定が存する。
(1) 本件条例
 (設置)
第1条
 1項 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)
第30条の規定に基づき,教育の振興を図るため,次のように教育機関を設置す
る。
名称 名古屋市教育センター
位置 名古屋市熱田区神宮三丁目6番14号
(以下,略)
(事業)
第2条 名古屋市教育センター(以下「センター」という。)は,前条第1項の目
的を達成するため,次の事業を行う。
1号 教育に関する専門的,技術的な調査研究
2号 教職員の研修
3号 教育相談及び教育指導
4号 教育に関する図書その他の資料の作成,収集及び提供
5号 その他教育委員会(以下「委員会」という。)が必要と認める事業
(施設の使用)
第3条 
1項 センターは,前条の事業を妨げない限度において,教育及び市民文化の向上
のため,別表使用区分の欄に掲げる施設を使用させることができる。
  (以下,略)
(2) 本件規則
(使用の許可)
第3条
1項 センターの施設を使用しようとする者は,使用申込書(第1号様式)に所要
事項を記入して委員会に提出し,その許可を受けなければならない。ただし,次の
各号に掲げる場合には,使用を許可しない。
1号 (略)
2号 管理上支障があるとき,その他委員会が必要があると認めるとき。
  (以下,略)
 (使用権の譲渡等の禁止)
 第8条 使用者は,使用の権利を譲渡し,又は転貸してはならない。
 (使用の許可の取消し等)
第10条 委員会は,次の各号の一に該当するときは,使用の許可の条件を変更
し,若しくは使用を停止し,又は使用の許可を取り消すことができる。
1号 この規則に違反したとき。
2号 許可された使用の目的に違反したとき。
3号 使用の許可の条件に違反したとき。
4号 第3条第1項第2号に該当する事由が生じたとき。
第3 当裁判所の判断
1 「回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があるとき」(行政事件訴訟法
25条2項)の要件について
前記前提事実及び疎明資料(疎甲11,17,18,27,32)によれば,本件
教研集会は,本件会合の翌日の平成15年1月12日から同月14日までの日程で
開催される予定であること,本件教研集会については,会場の確保,参加者の宿泊
先の確保等その他開催に向けた準備がほとんど終了していること,本件会合は,そ
の事務打合せのために800名(予定)が参加して開催されるものであること,本
件会合は,本件教研集会を円滑に進めるため,29の分科会の運営方法や本件教研
集会全体の持ち方等について事務担当者らが事前に打合せをすることを目的とした
ものであること,本件会合の開催準備も相当程度進められていること,以上の事実
が一応認められる。これらのことからすれば,現時点において,申立人が本件会合
の日程を変更し,あ
るいは本件会合の開催予定日までに代替会場の確保その他の新たな開催準備をする
ことは,事実上不可能というべきであり,それによって申立人が被る損害は,その
性質上,金銭的賠償によって回復することが困難なものと認められるから,本件に
おいては,本件取消処分により生ずる回復の困難な損害を避けるため,その効力を
停止する緊急の必要性があるというべきである。
この点につき,被申立人は,申立人が本件会合と同一日,同一時間に愛知県勤労会
館の使用許可を受けていることなどを理由に,上記必要性を否定するが,その使用
目的は,「知事選勝利愛高教総決起集会」であり,本件会合の趣旨,目的と異なる
ことが一応認められる(疎乙47)から,前記判断を覆すには足りない。
 2 「本案について理由がないとみえるとき」(行政事件訴訟法25条3項)の
該当性について
(1) 被申立人は,本件施設が,地方自治法238条3項の行政財産のうち,同法2
44条の「公の施設」を構成する物的要素たる場合が多い「公共用」に供される財
産ではなく,「公用」に供される財産に当たり,その使用許可は,同法238条の
4第4項の目的外使用許可の性質を有することを前提として,その許可,不許可等
の判断は,その権限主体たる被申立人の広範囲な裁量権に委ねられていると主張す
る。
その上で,被申立人は,本件取消処分の理由として,
ア 本件許可処分は,愛知県立高等学校教員による「学習会」(研修目的)という
使用目的でなされたところ,その実態は,全教(ないしそれと同視すべき団体)に
よる本件教研集会ないしその準備・設営にあることが判明し,その実態に照らせ
ば,申立人は本件施設の使用権を無断で譲渡,転貸したものであること(本件規則
8条,10条2号),
イ 使用主体,使用目的の顕在化ないし変更の結果,本件教研集会に反発,敵対す
る右翼団体の街宣活動,騒擾行為が当然に予想されるため,様々な悩みを抱える子
供達が,平穏かつ静謐な環境のもとで本件施設を利用する権利が不当に侵奪される
現実的危険性が認められること(本件条例3条1項,本件規則3条1項2号,10
条4号),
ウ イと同様の状況及び周辺地域の都市機能,道路事情から,周辺地域の交通事情
の混乱,渋滞を来す現実的危険性が認められるため,上記子供達を含む本件施設利
用者のアクセス障害が起きる可能性が高いこと(本件条例3条1項,本件規則3条
1項2号,10条4号),
以上の3点を主張するところ,要するに,①申請に係る使用主体,使用目的と実態
が異なっていることが判明したこと,②右翼団体による街宣活動等によって,本件
施設設置の行政目的を達成し得ない現実的危険性が生じたことをもって,適法要件
として主張するものと解される。
(2) そこで,まず,本件施設の法的性格について判断するに,地方自治法238条
3項の行政財産のうち,公用財産とは,庁舎,議事堂のように,当該地方公共団体
がその事務又は事業を執行するために,直接使用することを本来の目的として定め
られた財産を指すのに対し,公共用財産とは,学校,公園のように,住民の一般的
共同利用に供することを本来の目的として定められた財産を指すところ,疎明資料
(疎甲7,疎乙3,6,26,27)によれば,本件施設は,①基本研修,専門研
修,経営研修,長期研修等の教職員を対象とする研修事業,②電話相談,来所相
談,訪問相談等の児童及び保護者等を対象とするものや教職員を対象とするものを
含む教育相談事業,③教育実践研究を支援するための研究調査事業等を目的とする
ものであり,これを達
成するための組織として,総務課,研修部,研究調査部,教育相談部が置かれてい
ること,以上の事実が一応認められ,これによれば,本件施設は,全体としては公
用財産に該当すると判断できる。
もっとも,ある施設が公用財産に該当し,その使用許可が地方自治法238条の4
第4項によって規律されるものであるとしても,その許可,不許可の判断について
有する権限主体の裁量権の範囲がどの程度まで及ぶかは,当該施設の設置目的,利
用の実態に加えて,当該施設の種類,規模,構造,設備等の具体的状況を勘案して
決すべきものであり,公用財産に該当するからといって,直ちに,その権限の行使
について何らの制約を受けないと解すべき根拠はない。
しかるところ,疎明資料(疎甲7,疎乙15,16)によれば,本件施設は,その
事業に支障がない限りとの条件付きではあるが,講堂及び展示ホールの施設貸与を
も事業目的としており,その設備内容や利用可能な機器等の一覧表を添付した「名
古屋市教育センター利用のご案内」と題するパンフレットを作成し,一般に配布し
て利用を呼びかけている事実が一応認められ,これによれば,本件施設のうち講堂
及び展示ホール部分は,住民の一般的共同利用に供されることを予定しているとい
うべきである(この意味で,本件施設のうち,講堂等の使用関係は,地方自治法2
44条の「公の施設」に準じて規律されるべきであるとの申立人の主張は,理解で
きないものではない。)。
したがって,本件取消処分の適否を判断するに際しては,その使用に関する直接的
法的根拠である本件条例及び本件規則の定める使用許可取消事由が存するか否か
を,本件施設の上記性格をも考慮しつつ,判断すべきものである。
(3) そこで,前記(1)の①について判断するに,疎明資料(疎甲4ないし6,3
2,疎乙14)によれば,本件会合の使用許可申請書(名古屋市教育センター施設
使用申込書)には,申請者の名称として「愛知県高等学校教職員組合 執行委員長
A」の,使用目的の「行事の名称」欄には「教育を語るつどい」の,「行事の内
容」欄には「学習会」の,「使用責任者」欄には「A」の,「入場(集会)予定人
員」欄には「800人」の各記載があることが一応認められる(これに対応した使
用許可処分がされたことは,前記前提事実2(2)のとおりである。)。
そうすると,まず,本件申請は,「教育」,「学習会」という用語が使用されてい
ることから明らかなとおり,その趣旨,目的が抽象的に記載されており,本件会合
の目的である,本件教研集会の分科会の運営方法等についての実務的打合せ(前記
前提事実2(1),3)を具体的に連想することが容易でないというべきである(疎甲
32には,大勢での教育研究全国集会のための打合せをするという点から,便宜上
「教育を語るつどい」と書いて出したにすぎない旨の記載があるが,むしろ,被申
立人による使用不許可処分を恐れて,かかる抽象的な用語を用いたと推認し得ない
ではない。)。しかしながら,本件教研集会の分科会の運営方法等についての実務
的打合せが,「教育」や「学習会」と関連性を有し,その範疇に入り得ることは否
定できない(被申立
人が指摘するように,本件会合ないしその基となる本件教研集会が,一定の政治
的,運動的背景を有しているとしても,上記判断と矛盾するものではなく,本件施
設の設置目的に反するとまではいえない。)から,本件申請における使用目的は,
具体化が不十分なものとの非難を受けることがあり得ても,事実と異なる虚偽のも
のとは判断できない。
次に,使用の主体について検討するに,本件教研集会自体の主催者は,前記前提事
実2(1)のとおり,教育研究全国集会実行委員会であり,申立人は,全教やその他の
団体とともに,その構成団体の一つにすぎないことが明らかである。したがって,
本件会合の主催者も上記実行委員会であると推認することが可能である(疎甲32
には,教育研究全国集会は,例年,各地の教職員組合が申し込むことになってお
り,主催者名を書く欄がなかったことから,申立人の名義で申し込んだとの記載が
あるが,前記と同様,被申立人による使用不許可処分を恐れて,上記実行委員会を
使用申込者として記載しなかったと推測し得ないではない。)。しかしながら,使
用申込者すなわち使用主体は,そこでの参加者の多数が所属する団体と常に一致し
なければならないもの
ではなく,社会通念上,そこにおける具体的な人的活動を調整し,管理し,対外的
にも責任を負担する主体として認められるか否かをその意思及び実態に即して判断
し,これによって決定すべきものであるところ,疎明資料(疎甲41)によれば,
本件会合の参加者の誘導,講堂の開場,整備,整頓,引渡し,本件施設の担当者と
の連絡調整等は,申立人によって行われることが予定されていると一応認められ,
これに,前記のとおり,使用責任者として申立人の代表者が記載されていることを
も考慮すれば,申立人を使用主体として評価し得ないものではないし,上記実行委
員会が,本件の教研集会を開催するために一時的に組織されるものにすぎないこと
を考慮すると,少なくとも虚偽の使用申込者を記載し,あるいは申立人が教育研究
全国集会実行委員会
に本件施設の使用権を譲渡又は転貸したとまでは断じ難い。
(4) すすんで,前記(1)の②について判断するに,疎明資料(疎乙1ないし4,7
0ないし77)によれば,過去の教育研究全国集会の際に,これに反対する右翼団
体が多数の街宣車を連ねて執拗な街宣活動を行い,その発する騒音等によって,市
民に生活上の支障が生じたこと,本件の教研集会についても,既に一部の右翼団体
が街宣活動を開始し,名古屋市長らに対して抗議行動を行ったこと,以上の事実が
一応認められ,これによれば,本件会合が開催された場合,これに反発する右翼団
体の街宣活動が活発化し,密集する周辺の民家(疎乙25)に居住する市民等に対
して,騒音等による被害を与えるおそれの存在を否定できない。さらに,疎明資料
(疎乙81ないし83)によれば,1台の街宣車が街宣活動を行ったことによっ
て,本件施設の相談業務
に支障を生じたことが一応認められ,これに,疎明資料(疎乙3,84)を総合す
ると,右翼団体による上記街宣活動が相当な規模で敢行された場合,教育相談のた
めに本件施設を訪れる児童らに対して,かなりの恐怖感ないし抑圧感を与え,ある
いは電話による相談業務が円滑に行われないおそれの存在も否定できない。この意
味で,被申立人が,本件会合による業務上の支障の発生を憂慮することは,理解で
きないことではない。
しかしながら,上記の支障は,本件会合の開催自体によってもたらされるものでは
なく,これに反対する者らの行動によって惹起されるのであって,いわば申立人に
何らかの帰責事由が存するわけではないから,本件規則3条1項2号の「管理上支
障があるとき」の判断は,慎重になされるべきものであるところ,本件施設の前記
性格をも勘案すれば,申立人らが本件会合を平穏に行おうとしているのに,これに
反対する者らがこれを妨害しようとして街宣活動等を行うため業務上の支障が生ず
るおそれがあることを理由に本件施設の使用許可処分を取り消すことができるの
は,警察の警備や施設管理者の工夫によっても,なお著しい支障を防止することが
できないほど特別な事情がある場合に限られるというべきである(最高裁判所平成
8年3月15日第二小
法廷判決・民集50巻3号549頁参照)。
しかして,我が国の警備警察の情報収集力,装備,警備のノウハウ等に基づく治安
維持能力及びこれに向けた意思は,高く評価されるところであり,使用申込者側が
これに非協力な態度を示さない限り,不測の事態の発生を避けることが可能と考え
られるところ,疎明資料(疎甲30ないし32)によれば,全教が警察庁に対して
本件会合当日の警備のあり方等について申入れを行っていること,申立人において
も愛知県警察本部と同様の協議を行っていることが一応認められ,これによれば,
使用申込者側は,警察当局に対して,必要な協力を提供する意思を有していること
がうかがわれる。
もっとも,警察当局が,いかに条例(疎乙78)を含む関係法令を駆使しても,騒
音に起因する上記支障の防止には限界があることは否定できないが,前記前提事実
2(2)のとおり,本件会合は平成15年1月11日(土曜日)の1日限りの開催予定
であるところ,疎明資料(疎乙3,20,26ないし30)によれば,教育相談の
うち,相談者が実際に本件施設に訪れて行う来所相談は予約制であることが一応認
められるから,当日の来所を避けるように勧告し,あるいは電話相談についても,
翌日以降の再相談を勧告するなどの方法を採ることによって,上記支障を最小限度
に抑えることが可能と考えられる上,上記疎明資料によれば,そもそも本件施設に
よる教育相談は,来所相談については土曜日及び日曜日,電話相談については土曜
日の午後と日曜日に
は行われていないことが一応認められるから,本件会合の開催日における教育相談
業務に著しい支障が生ずるとまでは肯認し難い。
(5) よって,本件取消処分は,その裁量権を逸脱ないし濫用したと評価される余地
があり,その取消しを求める本案の請求は,現段階における双方の主張及び疎明を
前提とする限り,本案審理を経る余地がないほどに理由がないと即断することはで
きないから,本件申立てが,「本案について理由がないとみえるとき」に該当する
とはいえない。
 3 結論
   以上の次第で,本件申立ては理由があるから認容し,申立費用の負担につ
き,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり決定する。
  平成15年1月10日
名古屋地方裁判所民事第9部
      裁判長裁判官     加藤幸雄
裁判官     舟橋恭子
裁判官富岡貴美
 
(別紙の添付は省略)

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