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裁判例


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○ 主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
○ 事実
第一 当事者の求めた裁判
一 原告
1 被告が、原告の河川法第二四条の規定に基づく占用許可申請に対し、昭和五〇
年三月二七日付建関水第一九四号をもつてした処分のうち、不許可部分を取り消
す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決
二 被告
主文と同旨の判決
第二 請求の原因
一 原告は、神奈川県川崎市<地名略>及び<地名略>地先に存する多摩川右岸の
河川区域内の土地(以下「河川敷地」という。)について、ゴルフコース建設の目
的で占用許可を受け、同所にゴルフコースを設置してその占用を開始し、以後占用
面積を減少させながら逐次占用許可を受けて右占用を継続してきた(以下「本件占
用」という。)が、その占用許可等の経緯は別表一記載のとおりである。
二 原告は、従前から占用許可を受けて占用していた区域(別紙図面中赤線で囲ん
だ部分)について、その占用期間満了前の昭和五〇年二月二七日さらに河川法第二
四条の規定に基づく占用許可の申請をしたところ、被告は、昭和五〇年三月二七日
付建関本第一九四号をもつて、右区域のうち、別紙図面中イ、ロ、ハ、ニ、イの各
点を順次結んだ線で囲まれた部分(赤斜線部分)五万五一四〇平方メートルを除く
その余の区域一五万五三八三平方メートルについて、期間を昭和五〇年四月一日か
ら昭和五一年三月三一日までと定めて占用許可をしたが、右五万五一四〇平方メー
トルの部分については許可しない旨の処分をした(以下右処分のうち不許可部分を
「本件不許可」という。)。
三 しかしながら、本件不許可は以下に述べる理由により違法であるから、原告は
その取消しを求める。
1 本件占用は前述のとおりゴルフコースの設置を目的とするものであつて、当初
から相当期間の占用の継続が予定されているものであり、許可処分庁においてもこ
のことを充分認識して原告に対し占用許可を与えてきたものである。しかるに、多
摩川が一級河川に指定され、その管理権が建設大臣に移管した昭和四一年四月一日
以降の占用許可についてみても、その占用期間は別表一記載のとおりいずれも不相
当に短い定めとなつており、右占用期間によつては前記占用目的を達成しえないこ
とは明らかである。そして、右各占用期間満了の際の占用許可申請手続は、全く新
たな占用許可申請とは異なり、従来の占用を前提とした簡易かつ形式的なものであ
り、これに対しては極めて形式的にくりかえし更新が認められてきたものである。
このような場合における占用期間の性質は、その期間の満了によつて占用関係が当
然に消滅するというものではなく、占用関係の存続すなわち期間の更新がされるこ
とを前提とし、主として許可処分庁において従前の占用許可に係る許可条件を改訂
する機会を留保するとの意義を有するにすぎないものと解すべきであり、占用期間
の満了に伴つてされる占用者からの新たな占用許可申請は、実質的には占用期間更
新の申請であり、これに対してされる許可も、手続上は新たな占用許可の方式によ
つているが、実質上は新たな占用権の設定ではなく、既存の占用についてその期間
を更新するとともに従前の許可条件を承認ないし改訂するとの意味を有するにすぎ
ないものというべきであるし、右申請に対してされる不許可は、実質的には占用期
間の更新の拒絶であつて、右更新の拒絶については正当な理由を必要とし、これを
欠くものは違法と解すべきである。
右のように、本件不許可は、実質的には占用期間の更新の拒絶というべきところ、
右不許可については正当な理由は全くないから違法である。すなわち、本件占用に
よつて、治水上又は水利上の支障を生ぜしめあるいは河川の自由使用を妨げたり、
河川及びその付近の自然的、社会的環境を損う等の虞は一切ないし、原告において
昭和四四年一月一日返還した従前占用区域の一部一一万九四〇五平方メートルは、
原告が現在占用している区域に隣接しているが、返還後何らの利用もされず荒廃し
たまま放置されているのであり、このことからすれば本件不許可に係る区域につい
ても他に利用する必要性は全くないものというべきである。
2 本件占用に係る河川敷地は、戦前ゴルフ場の存したところであるが、、戦中、
戦後を通じて荒廃し、一部は農地として耕作がされていた。原告は、前述のとお
り、昭和二九年五月右区域につき占用許可を受けたうえ、一部耕作者に対して離作
補償し、土地を整備してゴルフ場を建設したものである(なお、原告の経営するゴ
ルフ場(以下「本件ゴルフ場」という。)は練習場及び九ホールのコースからなる
ものである。)。
ところで、原告の有する右の如き河川敷地の占用権は、排他的な使用権であつて、
公法上の物権ないしは財産権としての性格を有するものというべきところ、本件不
許可は、右原告の権利を喪失せしめるものであるから、財産権を保障する憲法第二
九条に違反する。
3 本件不許可は本件ゴルフ場の九ホールのコースのうち、四ホールについてされ
たものであり、残余の五ホールのみではゴルフ場としての機能は全く消滅してしま
い、原告のゴルフ場経営は不可能となるが、ゴルフ場が多数の従業員をかかえ、コ
ースの管理に多額の費用を投じて運営されていることからすれば、これが突然閉鎖
されることにより原告に多大の損失の生ずることは明白である。そして、仮に本件
不許可につき公益上の必要性が認められるとしても、憲法第二九条第三項の趣旨か
らして、右不許可により原告に生ずる損失はあらかじめ補償されなければならない
ものと解すべきである。
しかるに、本件不許可に際しては、同不許可に係る区域以外の区域についてされた
前記占用許可の許可条件第六項において、(1)芝等の撤去計画を京浜工事事務所
長に提出し、承認を受けること(2)撤去計画に基く、芝等の移植の履行期限は、
昭和五〇年五月三一日までとし、撤去に要する費用は許可を受けた者の負担とする
(3)特定区域(グリーン等その周辺)を除いた部分については、昭和五〇年四月
一日以降自由使用に供するものとすること等と定め、全く補償しないばかりか、右
不許可に係る部分のうち、右条件(3)にいう特定区域以外の部分の殆んどにわた
つて原告が植栽した芝等については、その移植の履行期限は右条件(3)により昭
和五〇年三月三一日までということとなり、財産的価値を有する右芝等の撤去の時
間さえ与えていない。
したがつて、本件不許可はこの点においても憲法第二九条に違反する。
第三 請求の原因に対する認否
請求の原因一及び二の事実は認める。同三1のうち、本件占用の目的がゴルフコー
スの設置であること、多摩川が一級河川に指定され、その管理権が昭和四一年四月
一日以降建設大臣に移管したこと、その後にされた占用許可の期間が原告主張のと
おりであること及び原告が昭和四四年一月一日従前占用していた区域の一部一一万
九四〇五平方メートルを返還したことはいずれも認めるが、その余は争う。同三2
のうち、原告が昭和二九年五月本件占用に係る河川敷地につき占用許可を受け、ゴ
ルフコースを建設したこと及び本件ゴルフ場が練習場と九ホールのコースからなる
ことは認めるが、その余の事実は知らない。その主張は争う。
同三3のうち、本件不許可部分に本件ゴルフ場の九ホールのコースのうち四ホール
分が存することは認めるが、その余は争う。
第四 被告の主張
一 本件不許可は、以下に述べる経緯によつてされたものである。
1 昭和三〇年代以降における都市の急激な発展、過密化の進展及び生活環境の変
化の中で、特に首都圏においては公園、緑地等の不足が著しく、公共の土地である
河川敷地を国民のいこいの場として公共的に利用させるべきであるとの社会的要請
が強まり、多摩川、荒川、江戸川の都市部に存する河川敷地の開放は国家的急務と
なつてきた。
2 昭和四〇年四月一日から施行された新河川法(昭和三九年法律第一六七号)に
おいては、国土保全、国民経済上の重要度、広域上の見地から河川を一級水系及び
二級水系に区分するとともに、一般水系の管理は建設大臣が管理を行うことにする
等の全面改正がされたのであるが、当時の占用許可に基づく河川敷地の利用状況
は、旧法時の河川管理者であつた都道府県知事がした許可処分に基づく占用が新法
施行後もそのまま継続しているものであつて、私企業が独占排他的にその運動場と
しているものや営利を目的とするものもあり、占用内容もゴルフ場、自動車練習
場、農耕地等種々雑多であつた。
これに対し、先に述べた河川敷地の利用に対する国民的要望に加え、新河川法の施
行にあたつて、河川敷地が洪水等を安全に流下せしめる目的を有する公共用物であ
るとの基本原則から、これを私企業の独占排他的使用から一般公衆の自由な利用に
供すべきであるとする河川行政に対する要求も一段と強まつてきた。
そこで、建設大臣は、昭和四〇年六月一日付をもつて河川審議会に対し、「河川区
域内の土地の占用許可の方針」について諮問をし、同諮問をうけた河川審議会は、
同年一一月一〇日付をもつて、「河川敷地は、河川の流路を形成し、洪水の際には
安全にこれを流過せしめ、洪水による被害を除去し、または軽減するという極めて
重要な目的に供されるべきものであるので、原則的には他の者の占用を認めるべき
ではないと考えるが、社会経済上の必要があつて、占用の許可を行う場合において
は適切な許可方針を定める必要がある。」として、「河川敷地占用許可準則」を答
申した。この答申をうけて、同年一二月二三日付で「河川敷地の占用について」と
いう建設事務次官通達が発せられ、同通達において、河川敷地の適正利用と治水上
の安全確保の観点から、右答申に沿つて「河川敷地占用許可準則」(以下「準則」
という。)が定められ、河川敷地の占用許可について準則に従つて処理すべき方針
が確立されるとともにその適正化が図られることとなつた。
ところで、準則にはれば、河川敷地は公共用物として本来一般公衆の自由な使用に
供すべきものであつて、特定人の使用に供すべきものではないことから、公園、緑
地、広場、運動場、採草放牧地等公衆の自由使用を妨げないもの以外は占用を許可
しないこととされ、したがつて、ゴルフ場の如きは占用許可の対象外となつた。し
かも、準則は既存の占用に対しても適用が予定されていたのであるが、右の通達に
おいて「既存の占用のうち、準則に適合しないものについては、当該占用の実態、
経緯等を勘案して、具体的な改善計画を樹立し、逐次準則に適合するように措置す
るものとする。」とされたため、本件ゴルフ場のような準則に適合しない既存の占
用については、開放計画を樹立することにより段階的にその解消を図ることになつ
た。
3 かくして昭和四一年に東京都市部における河川敷地(多摩川、荒川、江戸川)
の第一次開放計画が策定実施され、多摩川にいても、昭和四一年度を初年度とし、
三か年を目途とする河川敷地の第一次開放計画が策定され、既占用敷地のうち、橋
梁の付近等一般の利用しやすい箇所、占用状態が著しく不良である箇所、特定の個
人のみの利用に供されている箇所等については、全面的開放措置が、学校の運動場
等については、特定の日時を指定して一般公衆に自由使用される措置(以下「準開
放」という。)等が実施された。そして、これによつて本件ゴルフ場の一部一一万
九四〇五平方メートルが昭和四三年末占用期間の満了とともに返還され、公園緑地
として一般公衆に開放されたのである。
4 第一次開放により全面開放された区域は、地方公共団体等の要望があればそれ
に対し占用許可を与えたうえ同団体等において、またそれ以外については河川管理
者が自ら、運動場及び緑地として整備したうえ、一般公衆に提供され、また、準開
放については、開放・計画目標年次にとらわれず、許可条件において準開放日を継
続させるとともに可能な範囲において独占使用から公共用物の本来目的である一般
公衆の自由な使用に供すべき措置を継続してきた。
しかしながら、過密する都市部における公園、緑地の面積は著しく不足しており、
到底右措置をもつて賄えるものではなく、さらに、国民の間には、生活福祉を優先
する気運が高まり、都市部における河川の空間を積極的に利用したいとする生活環
境面からの河川行政への要望はその後ますます高まつてきた。
このような背景から、建設省では、河川敷地の第二次開放計画を策定し、多摩川に
ついても、昭和四九年度を初年度とする四か年計画で、既占用敷地のうち、ゴルフ
場については、ゴルフ練習場として計画を変更するものを除き、全面開放の措置を
講ずること、私企業の運動場については、地方公共団体等に移管するか又は準開放
を強化すること等の開放方針が決定され、実施された。
5 本件不許可は、多摩川の第二次開放計画に基づき、公共用物である河川敷を広
く一般公衆が利用できるようにするため、準則に従い、原告の占用許可申請に対し
これを許可しないことにしたものである。
二 本件不許可分実質的には占用期間の更新の拒絶であるとする原告の主張が失当
であることは、以下述べるとおりである。
河川敷地の占用は、公共用物たる河川の例外的利用であることから、その期間の設
定にあたつては、一般に占用目的を達成するため合理的にして、かつ、必要最小限
のものとするのが相当である。
本件においては、神奈川県知事は昭和二九年五月ゴルフ場としての占用目的を達成
するに足りる一〇年という合理的な期間を付して原告に対し河川敷地の占用許可を
与え、原告は爾来一〇年間右許可に係る河川敷地をゴルフ場として使用しその占用
目的を全うしたのである。しかし、原告から右期間満了後もなお継続して占用した
い旨の要望が出されたので、当時新河川法の施行に伴い多摩川が一級河川に指定さ
れ、その管理権が建設大臣に移ることが予定されていたことから、神捺川県川崎土
木事務所長は暫定的措置として短期間の占用許可を与えた。その後建設大臣に移管
後は、前述のとおり第一次開放計画が策定実施されたが、同計画の実施状況、進渉
状況を勘案しながら第二次開放計画の実施に至るまでの間被告において暫定的に占
用を許可してきたものである。すなわち、準則によれば、占用許可期間は「公園、
緑地、運動場その他これらに類する施設のためにする占用にあつては五年以内、そ
の他の施設のためにする占用にあつては三年以内において・・・・・・必要最小限
度のものとしなければならない。
」とされているところ、ゴルフ場については新規の占用許可の対象とはならないか
ら、右規定がそのまま適用されるものではないが、既存の占用に係るゴルフ場につ
いては、右の「その他の施設」に準じて三年以内において必要最小限度の期間を定
め暫定的に占用許可を与えてきたものである。
したがつて、被告の行つてきた占用期間の設定は合理的な理由に基づくものであ
り、その期間の満了は、単に占用期間の満了を意味するものであつて更新を前提と
する許可条件改定のための機会の発生とは異なり、また期間満了に伴う許可申請手
続についても、形式的な事務手続としてされてきたものではない。
さらに、原告が当初占用許可を受けた昭和二九年五月四日からの占用期間を通算し
てみれば、原告の占用目的を達成するに十分な期間が経過しており、建設大臣が管
理するようになつた後の占用期間を逐算してみても約一〇年に近い期間が経過して
おり、原告の占用目的は十分達成されたものというべきである。
三 原告は、本件不許可処分には正当な理由がない旨を主張する。
しかしながら、河川法第二四条に規定する河川敷地の占用許可は、一定の申請に基
づき、公物管理権の作用として、公共用物たる河川敷地を使用する権利を設定する
行政行為いわゆる講学上の特許であり、一定の要件をそなえた申請に対しても、占
用許可するか否かは河川管理者の自由裁量に属し、申請事業の公益適合性及び公共
性等を考慮して決せられるべき自由裁量行為というべきである。しかも、本件不許
可は、前述のとおり都市化の進展の中で公園、緑地等が著しく不足している現状に
かんがみ、河川のもつ環境、すなわち、水と緑の空間を積極的に開放すべきである
という社会的要請のもとに策定された「多摩川における河川敷地の第二次開放計
画」に基づき実施されたものであつて、河川敷地を広く一般公衆に開放しようとす
る点でより高度な公益性を有するものであり、原告の主張は失当である。
四 河川敷地開放計画に基づいて開放された河川敷地に設けられた公園、緑地は、
河川の持つ水と緑のオープンスペースという環境を十二分に発揮できる形、つまり
自然の川の流れの周辺に草が生えているという自然性あふれるものであれば、一般
公衆の自由使用には何ら差しつかえのないものであり、かえつてそのような形こそ
都市化の進展に伴い自然性の喪失している大都市周辺の住民のいこいの場としてふ
さわしいものである。
また、第一次開放計画によつて原告が返還した跡地は、川崎市が占用許可を得て公
園五地として適正に管理しており、毎年草刈りが行われるほか、サイクリング道路
も設置され、一般公衆に利用されている。
したがつて、右跡地が荒廃したまま放置されているとの原告の主張は失当である。
五 原告は、河川敷地の占用権は排他的な使用権であつて、公法上の物権あるいは
財産権としての性格が濃厚なものであるから、本件不許可処分は憲法二九条に違反
する旨主張する。
しかしながら、河川敷地の占用許可は、河川の機能及び河川という公共用物に期待
されている公益目的に抵触しない範囲内で河川敷地の利用による利益を亭受させる
ものにすぎず、占用許可を受けた者には、占用許可を恒久化すべきことを河川管理
者に要求するような権利は与えられていないのであつて、河川管理者が公共的又は
公益的判断の上から河川敷地を必要とする場合には、占用許可を受けた者は、占用
期間の満了と同時にこれを公共・公益のために返還すべき内在的制約を受けている
ものといわなければならない。
このことは、本件占用に係る敷地の占用料が一般の地代に比して極めて低廉である
ことによつても裏付けることができる。すなわち、右占用料は別表二のとおりであ
り、また普通財産の貸付料の算定には、固定資産課税台帳登録価額に一定の率を乗
じたものに固定資産税相当額を加える方式が採られているが、本件占用に係る河川
敷地のすぐ下流に位置する民有堤外地(川崎市<地名略>)について右基準を適用
してその貸付料を算定すると別表三のとおりとなり、前記占用料を右貸付料と比較
しても、その低廉なことは明らかである。
なお、原告は、昭和二九年五月占用許可を受けてゴルフ場を建設しようとした際、
一部耕作者に対し離作補償した等の主張をするが、仮にこのような事実があつたと
しても、そのことにより原告の本件占有の性質が変更されるものではない。
したがつて、河川敷地の公共的利用という社会的要請に対処するため、原告の許可
申請に対し、被告がその一部について占用許可を認めなかつたとしても憲法二九条
に違反するものではなく、原告の主張は失当である。
六 原告は、何らの補償なくしてされた本件不許可は違法であると主張するが、本
件不許可に係る河川敷地部分についての原告の使用権は、占用許可期間の満了日で
ある昭和五〇年三月三一日の経過とともに消滅しているから、原告に損失の生ずる
理由はない。しかも、第一次開放計画の策定にあたりすでに第二次開放計画が予定
されており、近い将来において同計画が樹立され実施されるであろうことは原告も
十分認識しており、またゴルフ場等特定の個人のみの利用に供されている箇所につ
いては当初から全面開放の方針であつたことに照らしても原告の右主張は失当であ
る。
また、原告は、本件不許可は本件ゴルフ場の九ホールのコースのうち四ホール分に
ついてされたものであり、残る五ホールではゴルフ場としての機能が全く消滅する
旨主張しているが、本件不許可は前述したとおり公益的必要性に基づきされたもの
であつて、これにより従前どおりのゴルフ場の機能を維持することが困難となつた
としても、それは公共用物たる河川敷地の占用許可を受けていた者において受忍す
べき範囲内のことであつて、やむを得ないところである。
なお、第二次開放計画によつても、本件ゴルフ場を含む多摩川の河川敷地に存する
三ゴルフ場については、占用許可を受けた者の転業等を考慮し、政策的な配慮か
ら、その者が希望すればその一部をゴルフ練習場として残すこととしており、した
がつて、第二次開放後もゴルフ練習場として占用を継続することは可能である。
さらに、芝等の移植の履行期間は、いわゆる特定区域以外の区域であつても、昭和
五〇年四月一日から同年五月三一日までの二か月間とされており、この点に関する
原告の主張は失当である。
第五 原告の反論等
一 被告の主張五のうち、本件占用に係る河川敷地の占用料が別紙二のとおりであ
ることは認める。
二 被告主張の準則は新たな占用許可をする際の許可基準として策定されたもので
あつて、前示のように準則制定以前に占用が開始され、占用許可期間の更新がくり
かえされている原告の本件占用に対し、その占用開始時より後に制定された準則を
適用することは、原告の本件占用による利益を無視することとなり許されない。
よつて、本件不許可は準則に従つたものであるから違法ではないとする被告の主張
は失当である。
三 河川敷地を一般公衆に開放するというためには、単に当該敷地について占用許
可を受けている者の占用を失わしめるだけでなく、当該敷地を一般公衆の利用に供
しうるように積極的な整備がされなければならない。しかるに被告主張の第一次及
び第二次開放計画は、開放後の跡地利用について全く無計画であり、かかる計画に
ついて、河川敷地の開放という公益性が存するとは認められない。現に第一次開放
計画に基づいて原告が返還した一一万九四〇五平方メートルの敷地について何らの
整備がされていないことは前述のとおりであり、このような状態をもつて第一次開
放計画の成果をあげたとし、ひきつづき第二次開放計画が定されたとしても、右計
画自体が不当というべきであり、同計画に基づいてされた本件不許可にも正当な理
由がない。
第六 証拠関係(省略)
○ 理由
一 請求の原因一及び二の事実は当事者間に争いがない。
二 そこで、本件不許可につき原告主張の違法事由があるか否かについて判断す
る。
1 原告は、本件不許可は、実質的には占用期間の更新の拒絶であり、更新の拒絶
については正当な理由を必要とするところ、本件不許可は右正当な理由を欠くから
違法であると主張するので、まず本件不許可の性質について検討する。
もともと河川敷地は、河川管理施設と相まつて雨水等の流路を形成し、洪水の際に
は安全にこれを疎通させ、洪水による被害を除却し又は軽減させるという重要な目
的に供せられるべき公共用物であり、平水時には本来一般公衆の自由な使用に供せ
らるべきものであるから、特定人に対し本来の用法を超えて特別の使用権を設定す
る占用許可に当たつては、その占用期間についても、右目的を阻害することのない
よう必要最小限の期間を設定すべきであつて、占用期間が占用目的に照らして極め
て短期間であり、従前の占用の経緯やその実態さらには右公共用物であることから
の制約を考慮に入れても、なお使用権の存続期間として到底合理的な意味を持ち得
ないような例外的事情の存する場合を除いては、占用期間の定めは更新を予定する
ものではなく、当該占用許可に基づく使用権は右期間の満了によつて当然消滅する
ものと解すべきである。
よつて以下前記認定の原告に対する累次の占用許可の経緯、右各許可に係る占用期
間を定めるについての事情等について検討する。
(一) (当初の占用許可)
証人A及び同Bの各証言並びに原告代表者尋問の結果によれば、次の事実が認めら
れる。
原告はゴルフ場経営を目的とする株式会社であり、ゴルフ場建設の目的で別表一
(1)の占用許可を受け(後に追加して同(2)の占用許可を受けた。)、右占用
許可に係る河川敷地に本件ゴルフ場を設置し(この事実は当事者間に争いがな
い。)、当初は一八ホールのコースを有する会員制のゴルフ場としてその経営に当
たつてきたが、右占用期間満了後原告に対してされたいずれも期間を一年とする別
表一(3)及び(4)の占用許可は、当時新河川法の施行及び同法の施行に基づき
多摩川が一級河川に指定されその管理権が建設大臣に移管することが予測されてい
たため、短期間の占用許可が付与されたものである。
(二) (「河川敷地占用許可準則」の制定)
成立に争いのない乙第一号証、第二号証、第三号証の一、二及び第二四号証並びに
証人Cの証言によれば、次の事実が認められる。
昭和三〇年代以降の経済発展に伴つて首都圏に人口が集中しいわゆる都市化現象が
進展するに伴い、従来あまり利用されていなかつた河川敷地が私企業等の厚生施設
等の用地として注目されることとなつた。ところが、旧河川法においては河川管理
は都道府県知事が行うこととされており、右企業等からの河川敷地の占用許可申請
に対してその都度いわば無計画に許可を与えるなどし、必ずしも一貫性をもつた河
川敷地の利用がされていない状況であつた。これに対し、昭和三〇年代の末ころか
ら都市化の進んだ区域における緑地・広場・運動場等の不足が叫ばれるようにな
り、昭和四〇年三月三一日には衆議院体育振興特別委員会において、同年五月二六
日には同決算委員会において、それぞれ河川敷地の公共用物たる性格に鑑み、特に
都市周辺の河川敷地につき一般公共の利用に供すべき措置を講じ、また河川管理の
適正を期するため占用許可基準を設けるべきことが決議されるに至つた。そして、
右各要望決議に加えて、昭和四〇年四月一日新河川法の施行に伴い、重要な河川に
ついては建設大臣がその管理を行なうこととなつたことから、同大臣は昭和四〇年
六月一日河川審議会に対し、河川敷地の占用許可の方針はいかにあるべきかについ
て諮問したところ、同年一一月一〇日これに対し河川審議会の答申がされ、同答申
において、河川敷地の占用に関する許可の基準が提示され、これにより河川敷地の
占用許可の適正化を図るべきものとされたので、これを受けて昭和四〇年一二月二
三日付建設省発河第一九九号「河川敷地の占用許可について」と題する別紙一の内
容の建設事務次官通達が発せられ、その中で準則が定められた。
(三) (いわゆる第一次開放計画の策定実施と原告占用に係る河川敷地の一部開
放)
(1) 成立に争いのない乙第五号証、第六号証、第七号証の一、二及び第二五号
証並びに前掲C、A、Bの各証言及び証大Dの証言によれば、次の事実が認められ
る。
前示河川審議会の答申が出された後、特に公園・緑地の不足している都市部に存す
る河川敷地で従前ゴルフ場、自動車練習場その他私企業が占有許可を受けて使用し
ている区域について、一般公衆に開放すべきことを求める声が新聞等に見られるよ
うになり、また前示通達において、既存の占用のうち準則に適合しないものについ
ては、当該占用の実態、経緯等を勘案して具体的な改善計画を樹立し、逐次準則に
適合するよう措置するものとされていたことから、建設省内部においても、準則の
精神に沿つて、都市部に存する河川敷地で準則に適合しない既占用に係る区域を積
極的に一般公衆に開放する措置を講ずべく検討が進められ、建設省河川局におい
て、荒川、江戸川とともに別紙二記載の内容の多摩川河川敷地の開放計画いわゆる
第一次開放計画が策定された。すなわち、多摩川は昭和四一年四月一日一級河川に
指定され、建設大臣の管理するところとなつた(この事実は当事者間に争いがな
い。)が、当時多摩川の河川敷地のうち右計画の対象となつた部分には、私企業の
運動場等準則に適合しない既占用区域が相当の面積を占めており、しかも堤内地は
人口密集地であつて住民から公園・広場等の要求が強かつたにもかかわらず、河川
敷地内に新たに右用途に供する場所を求める余地がなかつたことから、右開放計画
の策定に至つたものである。
(2) 成立に争いのない乙第八号証ないし第一一号証、前掲Aの証言及び原告代
表者尋問の結果によれば、次の事実が認められる。
別表一(5)の占用許可は、右のように当時建設省内部において準則に基づく第一
次開放計画が検討されていたところ、これを実施するのにはなお若干の時間を要す
るとの理由から、特に短期間に限つて占用許可が付与されたものである。
ところで、第一次開放計画は昭和四一年七月一八日新聞等に公表されたが、被告
は、同日原告を含むゴルフ場等全面開放の対象となる区域の占用者について、関東
地方建設局に来庁を求め、右計画の趣旨を説明するとともに協力を要請し、かつ全
面開放の対象となる部分の占用については昭和四三年一二月三一日までの占用しか
認めない旨を通告した。そして、原告に対しては、一八ホールのコースのうち九ホ
ール分一一万九四〇五平方メートルの部分については右昭和四三年一二月三一日ま
でと期間を定め、その余の部分については、本件占用は本来準則に適合するもので
はないが、開放計画に組み入れられて開放の対象となるまでの間はなお占用を認め
ることとし、準則に占用期間として「その他の施設のためにする占用にあつては三
年以内」と定められていることを斟酌して、前示(5)の占用許可に係る占用期間
と合せて三年となるよう期間を定め、別表一(6)の占用許可が付与された。
全面開放の対象となつた前示九ホール分の部分は昭和四四年一月一日原告から返還
され(この事実は当事者間に争いがない。)、その後本件ゴルフ場は、九ホールの
コース及び練習場を有するゴルフ場となり(この事実は当事者間に争いがな
い。)、会員制クラブを解散し、いわゆるパブリツク・コースとして経営が継続さ
れることとなつたが、その後原告に対しさらに前同様準則の定める三年の期間を定
めて別表一(7)の占用許可がされた。そして、同(8)の占用許可は、本件占用
が本来準則に適合しないものであり、近い将来その占用の許可が与えられない事態
となることが予測されたことから、かかる事態に対する準備期間という意味で短期
間の占用許可が付与されたものである。
(3) 前掲乙第七号証の一、二及び第二五号証並びに前掲C及びDの各証言によ
れば、次の事実が認められる。
右第一次開放計画は、昭和四一年度から昭和四三年末を目途に実施に移され、全面
開放された場所はゴルフ場、自動車練習場等約一三八ヘクタール、準開放された場
所は私立、公立学校及び私企業の運動場等約五三ヘクタールにのぼり、昭和四五年
末に完了した。そして、右第一次開放計画により返還された河川敷地について
は、、東京都、川崎市等の地方公共団体が占用許可を受け、公園・緑地・運動場と
して整備し、当該河川敷地付近の住民を中心として一般公衆の利用に供せられてい
る。
(四) (第二次開放計画の策定実施と本件不許可)
(1) 成立に争いのない乙第一二号証の一ないし九、第一三号証ないし第一五号
証、第一七号証の一、二及び第二二号証並びに前掲C、D、A及びBの各証言によ
れば、次の事実が認められる。
前認定の第一次開放計画の内容によれば、準則に適合しない既占有に係る河川敷地
についての第二次開放計画は、右第一次開放計画において、同計画実施後の状況を
勘案して定めるものとするとされており、既に第一次開放計画策定時にその策定実
施が予定されていたものであるが、建設省では第一次開放計画実施完了後も、なお
地方公共団体の受入態勢、管理能力等の状況を検討していた。しかしながら、昭和
四三年以降都市化が一層進行する一方で社会資本の充実、生活環境整備等の要求が
叫ばれるようになり、多摩川の河川敷地に関しても、地元川崎市長、同市議会議長
その他地元住民から、建設大臣その他関係機関に対し、第二次開放計画を求める請
願がされ、さらに昭和四八年八月二三日参議院地方行政委員会において、同年一一
月二九日同決算委員会において、昭和四九年三月九日衆議院予算委員会第五分科会
において、それぞれ右開放の問題が取り上げられて議論されるに至つたことなどか
ら、昭和四九年五月一日荒川、江戸川とともに多摩川における河川敷地につき別紙
三の開放計画いわゆる第二次開放計画が策定された。
そして、右計画においては、既占用敷地のうち本件ゴルフ場外二か所のゴルフ場に
ついてはゴルフ練習場に変更するものを除き全面開放の措置を講ずるものとされ
た。
(2) 成立に争いのない乙第一八号証ないし第二一号証、前掲D、Bの各証言及
び原告代表者尋問の結果によれば、次の事実が認められる。
別表一(8)の占用許可に係る占用期間満了時の昭和四九年三月三一日ころには右
のとおり第二次開放計画が具体化し、原告に対する占用許可に係る河川敷地につい
ても同計画に基づく全面開放の措置がとられることが予定されていたことから、原
告に対し開放の際の協力を要望したうえ、占用期間を一年として同(9)の占用許
可が付与されたものである。
第二次開放計画は昭和四九年五月二日新聞等に発表されたが、同日多摩川の河川敷
地について同計画の実施を担当することとなる関東地方建設局京浜工事事務所は、
原告を含む同計画により全面開放の対象となるゴルフ場の代表者の来所を求め、同
計画の内容等を説明し、計画の具体的な実施案を各ゴルフ場側において作成するこ
となど協力を要請し、その後も関係者に対し同旨の要請を重ねた。
しかし、原告は別表一(9)の占用期間満了前の昭和五〇年二月二七日さらに右
(9)め占用許可に係る河川敷地と同一の地域につき同年四月一日以降の占用許可
を申請したので本件不許可となつたことは前示のとおりである。
以上認定したところによれば、当初原告の得た占用許可は、ゴルフ場建設、経営の
目的ではあるが、期間一〇年間であつてその占用目的に照らし決して短期間とはい
えないし、その期間満了後引き続いて与えられた占用許可の期間はいずれも比較的
短期のものではあるが、かかる期間が設定されるに至つたのは、公園・緑地の不足
する都市部において河川敷地を一般公衆のための公園・緑地として確保すべきであ
るとの世論に応じ、河川敷地を私企業の占用から一般公衆に開放していくという政
策を実現するための前示準則、第一次及び第二次開放計画との関連などからである
ことが認められ、占用の対象が本来一般公衆の自由な使用に供せられるべき公共用
物である河川であることに由来する当然の制約というべきものであり、しかもこれ
ら短期間の占用許可は当初の一〇年間の占用許可の期間満了後に与えられたもので
あること、さらに本件不許可に至るまでの累次の占用許可に係る占用期間を通算す
れば既に二〇年余の期間を経過しており、ゴルフ場の設置という占用目的に照らし
ても、不十分とはいえないこと、本件不許可の直前の占用許可(別紙(一)
(9))を与えるに際しては近く予定されている第二次開放の際の協力を要望して
占用許可を与えていることなどからすれば、本件不許可の直前にされた占用許可
(別紙一(9))の期間は一年間という短期のものではあるけれども、右期間が占
用許可の存続期間として合理的な意味を持ち得ないものとはいえず、右占用許可に
係る使用権は右期間の満了によつて当然消滅すると解すべきで、本件不許可をもつ
てその実質は更新の拒絶であるということはできず、新たな占用許可申請に対する
拒否処分と解すべきである。
成立に争いのない甲第一四号証及び原告代表者尋問の結果により認められるところ
の原告が本件ゴルフ場開放に際し当時当該河川敷地を耕作していた耕作者に対し離
作料を支払つている事実も、右判断を左右するに足るものではない。
また原告は、従来本件占用許可に関する手続は極めて形式的に行なわれてきたもの
で、右は実質的に期間の更新にほかならない旨主張し、証人Eの証言中にはこれに
沿う供述があるけれども、原告からの累次の占用許可申請に対する許否及び許可を
与える場合の期間の定めは、それぞれその当時における河川敷地の開放計画の実施
計画等に照らし判断されてきたことは、前記認定から明らかであり、また前掲Bの
証言によつても、占用期間の満了に際しさらに同一の河川敷地につき占用許可申請
がされた場合における審査等については新たに占用許可を付与する場合と異なると
ころがないことが認められるから、原告の右主張は失当である。
そうだとすれば、本件不許可は実質的には占用期間の更新の拒絶であるとし、本件
不許可は更新の拒絶に必要とされる正当な理由を欠くから違法であるとする原告の
主張は、その前提、において失当である。
2 原告の主張は、前示のとおり本件不許可を占用期間の更新の拒絶であるとし、
本件不許可は更新の拒絶に必要とされる正当な理由を欠くから違法であると主張す
るものであるが、原告が河川敷地の占用許可の拒絶処分としての本件不許可の違法
をも主張するものと解しても、その理由のないことは、以下のとおりである。
即ち、河川法第二四条の規定に基づく河川敷地の占用の許可は、特定人に対し河川
敷地の本来の用法を超えて特別の継続的な使用権を設定するものであり、講学上特
許といわれる性質の行政行為であつて、右許可を与えるか否かは、公物管理者の自
由裁量に属するものと解せられる。そして河川敷地の占用許可については昭和四〇
年一二月二三日付建設事務次官通達により準則が定められ、被告は右準則の定める
基準に依り占用の許否を決すべきこととなつたことは前記1の(二)に認定のとお
りであるところ、右準則制定に関する前記認定の経緯及びその内容に照らせば、右
準則が下級行政庁たる被告においてその自由裁量に基づき行使すべき権限を違法に
拘束しているとは認められず、右準則に定める基準によれば、ゴルフ場の設置を目
的とする河川敷地の占用許可申請については、許可を与えらるべき場合に該当しな
いことは明白であり、既占用に係るゴルフ場についても逐次準則に適合するように
措置するものとされていたのであるし、その他前記1に認定の第一次、第二次開放
計画の策定実施と本件占用の経緯に照らしても、本件不許可には何ら自由裁量権の
範囲の逸脱又はその濫用がないことは明白である。
なお、原告は、準則は本件占用に適用さるべきではないと主張するけれども、本件
不許可は従前からの占用許可の許可期間の更新の拒絶ではなく、新たな占用許可申
請に対する拒否処分であることは前記1に認定のとおりであるから、右主張の理由
のないことは明らかである。
また、成立に争いのない甲第三号証ないし第九号証及び原告代表者尋問の結果によ
り原本の存在及びその成立の真正が認められる甲第一八号証、前掲Eの証言並びに
原告代表者尋問の結果によれば、本件ゴルフ場は比較的低廉な料金で利用できるこ
とから、各階層にわたる相当多数のゴルフアーに利用されており、その存続を望む
声もあることがうかがわれ、また一般に近時ゴルフ人口が著しく増加し、スポーツ
ないしは健全な娯楽としてゴルフを楽しむ者が多数存することは周知のところであ
る。しかしながら、本件ゴルフ場が営利企業により経営されているものであつて、
一定の料金を支払つた特定の者のみが当該施設を利用しうるにとどまるという点に
おいては、何時何人でも自由に出入りして利用できるいわゆる開放された公園・緑
地とは趣きを異にするものであるし、本件ゴルフ場の存する河川敷地付近の堤内地
が極めて人口の密集した地域でありその住民らから公園等の用地として本件ゴルフ
場の開放を求める要望が強く出されていたことなど前記1に認定の事実を考慮すれ
ば、本件不許可により本件ゴルフ場のゴルフ・コースが存続しえない結果となると
しても、本件不許可に裁量権の範囲や逸脱又は濫用があるとすることは到底できな
い。
さらに、原告は、第一次開放により原告が返還した部分は荒廃したまま放置されて
おり、本件不許可に係る部分についても他に利用する必要性は全くないし、右のよ
うな状況を前提に策定された第二次開放計画自体が不当であると主張する。
しかしながら、第一次開放計画に基づいて全面開放された河川敷地が公園等として
一般公共の利用に供されていることは既に判示したとおりであり、また前掲乙第二
五号証並びにC及びDの各証言によれば、右原告からの返還部分についても、川崎
市が占用許可を受けてその維持管理に当たつており、緑地・運動場とされ、一部は
サイクリング・コースとなつており、年に二回程度除草等が行われ、付近住民を中
心として一般公衆に利用されていることが認められる(前掲Eの証言及び原告代表
者尋問のうちこの認定に反する部分は措信し得ない。)ところ、本件ゴルフ場及び
その付近の写真であることは当事者間に争いがなく、前掲Eの証言により昭和五〇
年四月一日撮影されたことが認められる甲第二号証の一ないし一三、第一次開放計
画により原告が返還した河川敷地の写真であることは当事者間に争いがなく、右証
言により昭和五〇年九月一日撮影されたことが認められる甲第一〇号証の一ないし
四並びに同証言によれば、なるほど右原告からの返還部分については、原告がゴル
フ場として使用していた状況に比肩しうるほどの管理がされているとはいい難い状
態にあるものと認められるけれども、営利企業が設置し、その管理に当たつている
ゴルフ場と同程度の管理をしなければ公園・緑地等として使用できないということ
にはならないし、準則の意図するところは、むしろ特定人による河川敷地の使用を
廃して、一般公衆がいつでも自由に当該河川敷地に出入りし、その空間を利用でき
るようにするところに重点があるものと解せられるから、たとえ物的な施設の整
備、その維持、管理が万全とはいい難い状況であつても、いわゆる開放の意義を失
わしめるものではない。また、前掲乙第一二号証の七及び成立に争いのない乙第二
三号証並びに前掲C証言によれば、本件不許可に係る河川敷地については、川崎市
ないしは河川敷地に公園・緑地・運動場等を整備し、その維持管理を行うこと等を
事業目的として昭和五〇年九月一日発足した財団法人河川環境管理財団に対し占用
許可が与えられることが予定され、これらの者によつて公園等の施設の設置及びそ
の維持管理がされ、一般公衆の利用に供せられることが予定されていることも認め
られるから、右原告の主張は失当である。
3 原告は、本件占用に係る使用権は財産権としての性格を有するところ、本件不
許可は右権利を喪失させるものであるから、憲法第二九条に違反すると主張する。
しかしながら、原告の使用権は、その占用期間が満了すれば、それに伴つて当然に
消滅すべき性質のものであつて、その占用期間において存続するにすぎないことは
既に示したとおりであるから、本件不許可の如く、右使用権が期間満了により消滅
した後新たに占用許可を与えないという拒否処分がされたからといつて、何ら財産
権を侵害したことにならないことは明らかである。これを実質的にみても、本件占
用に係る占用料が別表二のとおりであることは当事者間に争いがなく、右占用料は
極めて低廉であつて、右使用権についてかかる低廉な対価の支払しかされていなか
つたことからすれば、前示のとおり解したからといつて原告に酷とはいえない。そ
して、以上のことは、前記認定のように原告が本件ゴルフ場の設置に当たつて耕作
者に対し離作補償料を支払つていることその他原告主張の事実によつて何ら結論な
左右されるものではない。
よつて、前示原告の主張は失当といわねばならない。
4 原告は、また、本件不許可は、予めそれによつて原告に生ずる損失の補償がさ
れていないから違法であると主張する。
しかしながら、本件不許可は、新たに占用許可に基づく使用権の設定がされなかつ
たというにとどまり、原告の有する使用権を喪失せしめたものでないことは、既に
判示したところから明らかであり、河川法第七五条第二項第四号又は第五号に規定
するように、占用許可に基づく有効な使用権を有するものに対し、公益上やむをえ
ない必要が生じた場合において、その占用期間中に占用許可を撤回し、その使用権
を消滅させる場合(この場合には同法第七六条により損失補償を要するものとされ
ている。)とは全く場合が異るのであるから、原告が本件不許可に係る河川敷地を
継続して使用できなくなることによる損失の補償を要するとは解せられないし、こ
れを義務づける特別の規定も存しない。そして、右使用権の存在を前提とする原告
のゴルフ場経営等の利益が、右使用権が権利自体の存続期間の満了により消滅した
ことにより失われる結果となつたとしても、そのことは原告において当然受忍すべ
きものであるし、一般に公共用物の占用者は、その占用期間が満了した場合には、
原状回復義務を負うものと解せられるから、本件不許可に係る河川敷地についての
原状回復に関する費用についても原告において負担すべきものである。なお、成立
に争いのない甲第一号証によれば、本件不許可部分に存する芝等の移植の履行期限
は昭和五〇年五月三一日までとされていることが明らかであるから、右撤去の時間
さえ与えられていないとの原告の主張は失当である。
そして、前認定の本件不許可に至る経緯によれば、原告においても、既に第一次開
放計画が発表された時点から、早晩本件占用の継続が認められないこととなり、本
件ゴルフ場の経営が不可能となる事態が十分に予測できたものと認められ(なお、
原告本人尋問の結果中には、第一次開放計画発表時建設省の担当者から、本件ゴル
フ場寺いわゆるパブリツク化すれば、将来にわたつて長期間当該河川敷地の使用が
可能である旨の助言を受けたとの供述があるけれども、右供述は、その助言者や助
言の趣旨、内容が明確でなく、前示認定の妨げとはならない。)、右計画発表時か
ら本件不許可に至るまでには、右事態に対処するに十分な時間的余裕があつたし、
第二次開放計画が発表され、協力を要望されてからも本件不許可に至るまでには、
一年近くの期間が置かれたことが認められるから、前示のとおり原告に対し損失補
償が与えらるべきではないと解しても、酷とはいえない。
よつて、前示原告の主張もまた失当といわねばならない。
5 以上判示したとおり、本件不許可の違法をいう原告の主張はすべて失当であ
る。
三 よつて、本訴請求は理由かないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担
につき、行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条の規定を適用し、主文のとお
り判決する。
(裁判官 三好 達 菅原晴郎 山崎敏充)
(別紙一)
建設省発河第一九九号
昭和四〇年一二月二三日
関東地方建設局長殿 建設事務次官
河川敷地の占有許可について
昭和四〇年一一月一〇日付け河川審議会の答申に基づき、別紙のとおり、河川敷地
占用許可準則を定めたので、下記事項に御留意のうえ、河川敷地の占用許可の適正
な執行を図られたく、命により通達する。

1 占用許可の基本方針について
河川敷地は、河川の流路を形成し、洪水の際には安全にこれを流過せしめ、洪水に
よる被害を除却し又は軽減させるためのものであり、かつ、公共用物として本来一
般公衆の自由なる使用に供されるべきものであるので、原則としてその占用は認め
るべきではないが、社会経済上必要やむを得ず許可する場合においては、河川敷地
占用許可準則(以下「準則」という。)第3に従い処理するものとすること。
なお、次の各号に掲げる施設のためにする占用以外の占用は、許可しないものとす
ること。
一 公園、緑地及び広場
二一 般公衆の用に供する運動場(営利を目的とするものを除く。)
三 児童、生徒等が利用する運動場で学校教育法(昭和二二年法律第二六号)に規
定する学校が設置し、管理するもの
四 採草放牧地その他これに類するもの
五 その他営利を目的としないもので、その占用の方法が河川管理に寄与するもの
2 公共性の高い計画との調整について
(1) 道路橋、公園等の公共性の高い事業のための占用の計画が確定している場
合においては他の者に対する占用の許可は、これを抑制し、又は許可期間を制限す
る等の適切な措置を講ずることにより、当該公共性の高い事業のための占用の計画
に支障を及ぼさないようにするとともに、占用に伴う補償等の問題の発生を防止す
るものとすること。
(2) 従来、公共性の高い事業のための占用の許可をするに際し、既存の占用と
の調整を要するときは、占用当事者間の協議が整つたうえで許可処分をしていた例
がみられたが、今後は、河川管理者が積極的に調整に努め、必要な場合は、既存の
占用許可の取消し等の措置を講ずることにより、当該公共性の高い事業の円滑な実
施に資するよう努めるものとすること。
3 占用の方法について
準則第5は、占用の方法についての最低基準を定めたものであること。
なお、「治水上又は利水上特に重要な区間の河川」は、あらかじめ定めておくもの
とし、定めた場合には、遅滞なく、河川局長に報告するものとすること。
4 占用の許可の期間及び内容について
(1) 占用の許可の期間は、従来、占用の目的、態様にそぐわない短期の期間を
設定する例がみられたが、今後は、当該占用の目的を達成するため合理的にして、
かつ、必要最小限度の期間を準則第6の期間の範囲内において設定するとともに、
許可の内容は当該占用の期間内に当該占用の目的を達成するため必要を認められる
最小限度のものにするよう許可申請の内容を十分審査して許可することとし、当該
期間の経過後、期間の更新を拒否しても損失補償の問題を生じないようにするもの
とすること。
(2) 許可の期間内においても、常時許可の内容どおり占用を行なつているかど
うかを監視するとともに、少なくとも、一年ごとに占用者から占用状況の報告を求
め、河川管理上必要があるときは、許可条件の附加、改訂を行なう等の措置を講ず
ることにより、河川敷地の占用が適正に行なわれるよう努めるものとすること。
5 都市における河川の敷地占用の特例について
地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二五二条の一九に規定する指定都市又は
その周辺に存する河川敷地については、準則第9の特例を適用するのが適当である
と考えるが、その他の都市についても当該都市における公園、緑地等が不足してい
る状況に応じ、同特例を適用するものとすること。
なお、その適用にあたつては、河川敷地の状況及び当該都市における公園、緑地等
が不足している状況に応じ、あらかじめ同特例を適用する河川の区間を定めておく
ものとし、定めた場合には、遅滞なく、河川局長に報告するものとすること。
6 既存の占用に対する措置について
(1) 既存の占用のうち、準則に適合しないものについては、当該占用の実態、
経緯等を勘案して、具体的な改善計画を樹立し、逐次、準則に適合するように措置
するものとすること。
(2) 公園、緑地等が不足している都市又はその周辺の河川敷地については、地
方公共団体の公園担当部局等と連絡を密にして、河川敷地の公園、緑地等への開放
計画を樹立し、すみやかに、一般公衆の利用に供しうるよう措置するものとするこ
と。
河川敷地占用許可準則
(趣旨)
第1 この準則は、河川が公共用物であることにかんがみ、河川敷地の占用が河川
本来の供用目的に即応して適正に行なわれるよう
許可の基準を定め、もつて河川管理の適正化を図ることを目的とする。
(定義)
第2 この準則において「河川敷地」とは、河川法(昭和三九年法律第一六七号)
第六条第一項の河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権原に基づき管理す
る土地を除く。)をいう。
2 この準則において「占用の許可」とは、河川法第二四条の許可(水利使用又は
工作物の新築若しくは改築に伴うものを除く。)をいう。
(占用許可の基本方針)
第3 河川敷地の占用は、当該占用が次の各号に該当する場合であつて、かつ、必
要やむを得ないと認められるものに限り許可することができる。この場合において
は、その地域における土地利用の実態を勘案して公共性の高いものを優先させなけ
ればならない。
一 当該占用により治水上又は利水上支障を生じない場合
二 当該占用により河川の自由使用を妨げない場合
三 当該占用により河川及びその附近の自然的及び社会的環境を損わない場合
(公共性の高い事業の計画との調整)
第4 公共性の高い事業のための計画が確定し、当該占用の計画について河川管理
者が知り得た場合又は河川管理者に申出があつた場合においては、他の者に対する
占用の許可は、当該占用の計画に支障をおよぼさないようにしなければならない。
(占用の方法の基準)
第5 占用の許可をする場合における当該占用の方法は、少なくとも、次表に掲げ
る基準に適合するものでなければならない。
2 占用の許可にあたつては当該占用に伴う危険を防止するために必要な措置を講
じさせなければならない。
(占用の許可の期間)
第6 占用の許可の期間は、公園、緑地、運動場その他これらに類する施設のため
にする占用にあつては五年以内、その他の施設のためにする占用にあつては三年以
内において、当該河川の状況、当該占用の目的及び態様等を考慮して必要最小限度
のものとしなければならない。
2 前項の許可の期間が満了したときは、当該許可は効力を失うものとする。
(許可の内容)
第7 占用の許可又は当該占用に伴う工作物の新築又は改築の許可は、当該占用の
期間内に当該占用の目的を達成するために必要と認められる最小限度の内容とする
ものとする。
(一時占用の特例)
第8 工事、季節的な行事等を行なうための河川敷地の一時的な占用の許可につい
ては、この準則によらないことができる。
(都市における河川の敷地占用の特例)
第9 公園、緑地等が不足している都市内の河川又はその近傍に存する河川の敷地
で、一般公衆の自由なる利用を増進するため必要があると認められるものについて
は、公園、緑地及び広場並びに一般公衆の用に供する運動場のためにする占用に限
つて許可するものとする。
(別紙二)
多摩川河川敷地の開放計画
東京都及びその周辺の都市における公園、緑地等の不足が著しい現状にかんがみ、
多摩川河川敷地等を一般公衆の利用に供するための第一次の開放計画を次のように
定める。なお、第二次の開放計画については、第一次の開放計画実施後の状況を勘
案して定めるものとする。
1 実施期間
開放計画の実施期間は、
昭和四一年度を初年度とし、三ケ年を目途とする。
2 対象区間
開放計画の対象区間は、多摩川の日野橋から河口に至るまでの約四〇Kmとする。
3 開放の方針
イ 既占用敷地のうち橋梁の附近等一般公衆の利用しやすい場所を占用している箇
所、占用状態が著しく不良である箇所、特定の個人のみの利用に供されている箇所
等については、全面開放の措置を講ずるものとする。
ロ 学校の運動場等については、特定の日時を指定して一般公衆に自由使用させる
措置(以下「準開放」という。)を講ずるものとする。
ハ 都市河川整備事業の実施により所要の河川敷地の造成を行なうものとする。
ニ 既に公園、緑地等として占用されている箇所については、その整備を促進す
る。
ホ イ及びハの措置を講じた河川敷地については、引続き公園、緑地整備事業を実
施するものとする。なお、開放計画の実施に伴い今後公園、緑地及び広場並びに一
般公衆の利用に供する運動場以外には新たに占用を許可しないものとする。
4 開放面積
イ 既占用敷地(約三一〇ヘクタール)のうち新たに開放するもの・・・・・・約
一五〇ヘクタール
全面開放 約一〇〇ヘクタール
準開放 約 五〇ヘクタール
ロ 都市河川整備事業により新たに造成するもの・・・・・・約四〇ヘクタール
ハ 既占用敷地のうち開放済みのも
の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・約五五ヘクタール
以上により、公園、緑地等として一般公衆の利用に供しうる面積は、合計約二四五
ヘクタールとなる。
5 計画の実施
開放計画は、関東地方建設局長が公園、緑地等の整備計画を勘案して、その実施に
あたるものとする。
(別紙三)
東京都市区間における国有河川敷地の開放について
東京都及びその周辺の都市における公園、緑地等が著しく不足している現状にかん
がみ、多摩川、荒川、江戸川のいわゆる都市区間の河川敷地については、すでに、
昭和四一年度を初年度とする第一次開放計画(三箇年計画)の実施により、一応の
成果をあげたが、国民の生活水準の向上等に伴つて、以前にもまして、一般公衆が
河川のもつ環境、すなわち、水と緑の空間を積極的に利用したいとの機運が高まつ
てきている。
このような強い国民的要望に応えるため、多摩川について、次のとおり、昭和四九
年度を初年度とする河川敷地開放四箇年計画を樹立し、
公共の土地である国有河川敷地を国民の憩いの場として提供することとした。
また、荒川及び江戸川については、第一次の開放後も高水敷の整備により、公園、
緑地、運動場等に適する土地の造成、未利用地の利用の促進等を積極的に行つてき
たが、当面次のとおり、計画を推進するとともに、将来、必要に応じ多摩川と同様
に措置することを検討する。
多摩川における河川敷地の開放計画について
1 実施期間
開放計画の実施期間は、昭和四九年度を初年度とし、四箇年を目途とする。
2 対象区間
開放計画の対象区間は、第一次開放区間と同様、多摩川の日野橋から河口に至るま
での約四〇Kmとする。
3 開放の方針
イ 既占用敷地のうち、川崎パブリツク、多摩川ゴルフ倶楽部及び東急ゴルフ場
は、ゴルフ練習場として計画を変更するものを除き、全面開放の措置を講ずるもの
とする。
ロ 既占用敷地のうち、私企業の運動場については、地方公共団体又はこれに準ず
るもので、管理能力がある場合には、これに移管させるものとし、それ以外の場合
及び学校等の運動場については、特定の日時を一週間のうち三日以上指定して一般
公衆に使用させる措置(以下「準開放」という。)を講ずるものとする。
ハ 直轄河川都市環境整備事業の実施により高水敷の造成を推進するものとする。
4 現在の占用実態及び開放計画
5 計画の実施
関東地方建設局長が、地方公共団体の公園、緑地等の整備計画を勘案し、開放の方
針によつて四年以内に占用敷地を河川管理者に返還させるものとする。
6 その他
多摩川における私企業及び学校の運動場等の期間更新は、昭和五〇年度が大半であ
るが、準開放については、昭和四九年度から行うよう積極的に行政指導するととも
に、ゴルフ場については、公共の土地を占用していることを十分認識させ、低料金
化を図るよう努めさせるものとする。

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弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
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仕事がない弁護士は無力です。
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今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
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条件は以下のとおりです。
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◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
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◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

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〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
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