弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人西村金十郎の上告理由第一点、第二点について。
 民法四五七条一項は、主たる債務が時効によつて消滅する前に保証債務が時効に
よつて消滅することを防ぐための規定であり、もつぱら主たる債務の履行を担保す
ることを目的とする保証債務の附従性に基づくものであると解されるところ、民法
一七四条ノ二の規定によつて主たる債務者の債務の短期消滅時効期間が一〇年に延
長せられるときは、これに応じて保証人の債務の消滅時効期間も同じく一〇年に変
ずるものと解するのが相当である。そして、このことは連帯保証債務についても異
なるところはない。これと同一の見解に立つて上告人の消滅時効完成の抗弁を排斥
した原審の判断は正当であつて、所論引用の大審院判例は本件と事案を異にして適
切でない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    大   隅   健 一 郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    岩   田       誠

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