弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決及び第一審判決を破棄する。
     第一審判決の判示第一の(イ)の犯罪中別表第一掲記の5乃至7、10
乃至13、16乃至25及び29乃至33の各犯罪、同(ロ)の犯罪中別表第二掲
記の5の犯罪を除いた爾余の各犯罪並びに同(ハ)の犯罪中別表第三掲記の14、
24、32及び33の各犯罪につき被告人を免訴する。
     被告人を、第一審判決の判示第一の(イ)の犯罪中別表第一掲記の1乃
至4、8、9、14、15及び26乃至28の罪につき懲役一月及び罰金五千円に、
同第一の(ロ)の犯罪中別表第二掲記の5の罪につき罰金五千円に、同第一の(ハ)
犯罪中別表第三掲記の1乃至13、15乃至23、25乃至31の罪及び第二の罪
につき懲役八月及び罰金一万五千円に夫々処する。
     但し本裁判確定の日から四年間右各懲役刑の執行を猶予する。
     右各罰金を完納することできないときは金二百円を一日に換算した期間
被告人を労役場に留置する。
     訴訟費用は第一、二、三審とも全部被告人の負担とする。
         理    由
 被告人の上告趣意(昭和二七年一月一三日附上告趣意書)一の(一)について。
 被告人が換刑処分として労役場に留置されると妻子が直ちに路頭に迷うに至ると
しても憲法二五条に違反するといえないことは当裁判所大法廷の判決(判例集二巻
四号二九八頁以下参照)の趣旨とするところであるから、所論は採用できない。
 同(二)について。
 食糧管理法違反の犯罪成立後或る種類の食糧について統制が廃止されても刑の廃
止があつたとはいえないことは当裁判所屡次の判例であるから、所論はその前提を
欠き採用できない。
 被告人の上告趣意(昭和二七年一月一六日附上告趣意書)について。
 所論は、単なる量刑不当の主張に帰し(判決が重きに失し不公平だということだ
けでは憲法三七条違反といえないことは当裁判所の確立した判例である。)、刑訴
四〇五条の上告理由に当らない。
 しかし、職権を以て調査すると第一審判決の認定確定した犯罪事実中主文第二項
掲記の各犯罪は、いずれも昭和二七年政令一一七号大赦令による大赦があつたので、
刑訴四一一条五号、四一三条但書、四一四条、四〇四条、三三七条三号により原判
決及び第一審判決を破棄し、右各犯罪については被告人を免訴すべく、右免訴すべ
き犯罪以外の被告事件について更に判決すべきものと認める。
 よつて第一審判決の認定確定した犯罪中大赦にかからない犯罪(前記大赦令二条
参照)に対し、法令を適用すると第一の(イ)の別表第一掲記の1乃至4、8、9、
14、15及び26乃至28の各所為、同(ロ)の別表第二掲記の5の所為、同(
ハ)の別表第三掲記の1乃至13、15乃至23、25乃至31の各所為(但し2
2の所為については前記大赦令二条参照)は、いずれも食糧管理法九条、同法施行
令八条、昭和二五年農林省令一〇一号による改正前の同法施行規則二三条(但し前
記別表第三掲記の20乃至23、25乃至31の売渡行為については右農林省令一
〇一号による改正後の同法施行規則四一条)に違反し、同法三一条罰金等臨時措置
法二条、四条に該当するから、前記別表第二掲記の5の所為については罰金刑を選
択し、爾余の所為については同管理法三四条に基き情状により懲役刑と罰金刑とを
併科するるを相当と認め、判示第二の所為(前記大赦令二条参照)は、同管理法九
条、同法施行令一一条、前記農林省令一〇一号による改正後の同法施行規則四七条
に違反し、同法三一条、罰金等臨時措置法二条、四条に該当するが同管理法三四条
に基き情状により懲役刑と罰金刑を併科するを相当と認め、なお、右第一の(イ)
の各所為は、第一審判決の確定判示した(一)の確定裁判のあつた罪と、同(ロ)
の所為は、同(二)の確定裁判のあつた罪と、同(ハ)及び同第二の各所為は同(
三)の確定裁判のあつた罪と夫々刑法四五条後段の併合罪の関係にあつて未だ裁判
を経ないから、同法五〇条によつて更に夫々の罪について裁判を為すべきところ、
同(イ)の所為並びに同(ハ)及び同第二の各所為は、夫々刑法四五条前段の併合
罪の関係があるから、いずれも懲役刑については刑法四七条本文一〇条を適用し、
右(イ)については犯情の最も重いと認める8の罪の懲役刑に、右(ハ)及び第二
については犯状の最も重いと認める1の罪の懲役刑に夫々法定の加重を為し、罰金
刑については同法四八条により合算し、以上(イ)の各所為、(ロ)の所為並びに
(ハ)及び第二の各所為につき右刑期、金額の範囲内で夫々主文三項の刑に処し、
懲役刑については刑法二五条により主文四項のとおりその執行を猶予するを相当と
し、罰金不完納の場合には同法一八条により主文五項のとおり被告人を労役場に留
置すべく、第一審乃至当審における訴訟費用は刑訴一八一条により全部被告人の負
担たるべきものとし、主文のとおり判決する。
 この判決は、上告趣意(昭和二七年一月一三日附上告趣意)一の(二)に関し判
示免訴に係る犯罪については既に大赦前統制廃止と共に刑の廃止があつたと解すべ
きであるから、その理由で免訴すべきであるとの真野裁判官の意見(判例集四巻一
〇号一九八三頁以下参照)を除き裁判官全員一致の意見によるものである。
 検察官 福原忠男関与
  昭和二七年一〇月二三日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    岩   松   三   郎

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