弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人山内甲子男の上告理由第一点について。
 所論は、被上告人の本訴提起は、共有者三名全員を相手方としなければならない
のに、上告人ら二名のみを相手方として提起したことは、不適法であり、また原判
決主文第二項と第三項とにはそごがあつて(すなわち第二項は本件土地全体に対す
る被上告人の持分権の確認であり、第三項は上告人両名に対してのみ持分権移転登
記を求めるから、という)釈明権不行使等の違法があるというものである。しかし共
有者が共有権自体を処分するのではなく、その各自の持分権のみを第三者に移転す
ることは、その各共有者の持分権も一種の所有権であるから、自由であつて、全共
有者の同意は不要であると解すべきであるから、被上告人が上告人両名からその各
自の持分権中本件土地全部に対する二万一六八一分の二二〇〇の二分一宛を買受け
たとして、その移転登記を求めることは正当であり、而して確認の利益は、右確認
を争う者に対する関係においてのみ存するのであるから被上告人が本件土地に対す
る二万一六八一分の二二〇〇の持分権の確認を上告人両名に対してのみ請求したこ
とも正当であつて、原判決に所論の違法は存せず、論旨は、独自の見解に立つて原
判決を非難するものであつて、採るを得ない。
 同第二点について。
 所論は、原判決が(1)(イ)においてなした事実摘示を上告人らの主張しない
もの、或は意味不明なものとして非難するものであるけれども、原判決の右摘示は
本件記録に徴すれば、これを是認し得るところであり、また右摘示にいう本件売買
契約とは、本件土地約二二坪に関する売買契約の意であること判文自体から明らか
であり、原判決に所論の違法は存せず、論旨は採るを得ない。
 同第三点について。
 (1)は原判決が甲第六号証を採用したこと並びにこれに関する原審の証拠の取
捨判断を非難するものであるけれども、単なる原審の適法にした証拠の取捨判断に
対する非難であつて、採るを得ない。
 同(2)については、原判決が、本件二坪の空地相当部分の売買契約は、合意解
除されたとの上告人らの主張は認められない旨判示したことを非難する部分は、原
審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰するものである。また
上告人らは本件二坪の売却の相手方を訴外Dであると主張したことはないにも拘ら
ず、原審は右主張したかの如く認定しているのは理由不備であると非難する部分に
ついては(論旨イ)、本件記録に徴すれば、上告人らは右の如く主張していること
が明らかであるから、右主張は採るを得ない。また原判決が上告人の本件二坪の空
地はEらの井戸使用及び干場として必要があつたので、翌日解除したとの主張に対
する判断を上告人らの主張を正解せず審理不尽があるとして非難する部分について
は(論旨へ)、本件記録に徴すれば、上告人らは、右のとおり原審において主張し
ていることが明らかであり、所論は、原審において主張せざる事項を当審において
新たに主張して原判決を非難するものであり、その他原判決に所論の違法は存せず、
論旨はいずれも採るを得ない。
 同(3)については、所論は、原判決が本件二坪の土地については、上告人らの
父Fが上告人両名の代理人となつて、被上告人に売渡したものであつて、その後右
契約が合意解除されたことはない旨判示したことにつき、審理不尽、判断遺脱の違
法があると非難するものであるけれども、原判決の右判示は、その挙示する証拠関
係、事実関係からこれを肯認し得るところであり、原判決に所論の違法は存せず、
論旨は、原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定並びにこれに基づく正当な
判断を非難するものであつて、採るを得ない。
 同(4)について。原判決に所論の証拠法則違背の違法は存せず、論旨は、採る
を得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎

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