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平成25年10月17日判決言渡同日原本領収裁判所書記官
平成25年(ワ)第19696号特許権侵害差止等請求事件
口頭弁論の終結の日平成25年10月3日
判決
静岡市<以下略>
原告富士工業株式会社
同訴訟代理人弁護士鈴木正勇
濱田真一郎
神戸市<以下略>
被告有限会社ガウディー
主文
1被告は,別紙被告製品目録記載1ないし5の各釣竿を輸入し,販
売し,又は販売のための展示をしてはならない。
2被告は,前項の各釣竿を廃棄せよ。
3被告は,原告に対し,1650万円及びこれに対する平成25年
8月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4原告のその余の請求を棄却する。
5訴訟費用は,これを5分し,その1を原告の負担とし,その余を
被告の負担とする。
6この判決は,第1項ないし第3項に限り,仮に執行することがで
きる。
事実及び理由
1原告代理人は,主文第1,第2項と同旨及び「被告は,原告に対し,2100
万円及び訴状送達の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。訴訟
費用は被告の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め,請求の原因とし
て別紙のとおり述べた。
2被告代表者は,本件口頭弁論期日に出頭しないし,答弁書その他の準備書面も
提出しない。
3被告は,請求原因事実を争うことを明らかにしないから,これを自白したもの
とみなす。そして,被告の不法行為と相当因果関係にあると認められる弁護士費
用相当額の損害は150万円と認めるのが相当である。
4以上によれば,原告の請求は,被告釣竿の輸入,販売又は販売のための展示の
差止め及び被告釣竿の廃棄並びに損害金合計1650万円及びこれに対する不
法行為の後であり,訴状送達の日であることが記録上明らかな平成25年8月2
9日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める
限度で理由がある。
よって,上記の限度で原告の請求を認容し,その余は失当としてこれを棄却す
ることとして,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官高野輝久
裁判官三井大有
裁判官藤田壮
(添付の特許公報は省略)
(別紙)
請求の原因
1(1)原告の特許権
原告は,平成20年5月19日,発明の名称を「釣糸ガイドおよび釣竿」と
する特許出願をし,平成23年6月3日,特許権の設定登録がされた(以下,
この特許権を「本件特許権」という)。この特許出願の願書に添付した特許請
求の範囲の記載は,本判決添付の特許公報の該当項記載のとおりである(以下,
この請求項7の発明のうち請求項1を引用する部分に係る発明を「本件発明
1」といい,請求項7の発明のうち請求項1ないし6を引用する部分に係る発
明を「本件発明2」という。)。
(2)原告の意匠権
原告は,平成20年5月29日,意匠に係る物品を「釣竿用導糸環」とする
意匠登録出願をし,平成21年7月10日,意匠権の設定登録がされた(以下,
この意匠権を「本件意匠権」といい,その登録意匠を「本件意匠」という。)。
本件意匠は本判決添付の意匠公報の【図面】記載のとおりである。
(3)原告の商品表示
別紙原告製品目録記載のガイド(以下「原告ガイド」という。)の形態は,原
告の商品表示として需要者の間に広く認識されている。
2被告は,別紙被告製品物件説明書記載のリングサイズが12,16及び25の
ガイド(以下,これらのガイドを記載の順序に従い「被告ガイド(1)」,「被告ガイ
ド(2)」,「被告ガイド(3)」という。)を単体又は複数装着した別紙被告製品目録1
ないし5記載の釣竿(以下「被告釣竿」という。)を,業として中国から輸入して,
これを販売している。
3(1)被告釣竿は,本件発明1及び2のそれぞれの構成と同一である。
(2)被告ガイド(1)ないし(3)の各意匠は,本件意匠に類似する。
(3)被告ガイド(1)ないし(3)の各形態は,原告ガイドの形態に類似し,被告の商
品が原告のそれと混同を生じさせる。
4被告は,被告釣竿を輸入,販売することが,本件特許権及び本件意匠権を侵害
し,また,不正競争に当たることを知り又は過失によりこれを知らないで,被告
釣竿を輸入,販売した。
被告は,被告釣竿を輸入,販売し,これにより1500万円の利益を受けた。
また,原告は,被告の不法行為により,弁護士に依頼して訴訟を提起することを
余儀なくされた。
よって,原告は,被告に対し,特許法100条,意匠法37条及び不正競争防止
法3条に基づき,被告釣竿の輸入,販売又は販売のための展示の差止め及び被告釣
竿の廃棄を求めるとともに,不法行為による損害賠償請求権に基づき,原告が受け
た損害1500万円及び弁護士費用相当損害金600万円合計2100万円及び
これに対する不法行為の後である訴状送達の日から支払済みまで民法所定の年5分
の割合による遅延損害金の支払を求める。
原告製品目録
製品名KLガイド
物品の種類釣竿用ガイド(導糸環)
以上
原告製品物件説明書
1写真の説明
別紙原告製品目録記載の釣竿用ガイド(導糸環)のガイド
(1)写真1斜視写真
(2)写真2正面写真
(3)写真3平面写真
(4)写真4左側面写真
(5)写真5右側面写真
(6)写真6底面写真
なお,上記各写真は,代表的な形状を示すものであって,リング,フレームの
大きさや比率はガイドのサイズ(釣竿に装着される位置)により異なっている。
2製品の形状の特徴
正面から見て,足部から立ち上がった脚部が後方(右側)に曲線を描きながら
傾斜し,同方向に傾斜しているフレームの中央やや下側とつながって,脚部とフ
レームが「く」の字状の2段傾斜となっている点を特徴とするガイド。
以上
【写真1】斜視写真
【写真2】正面写真
【写真3】平面写真
【写真4】左側面写真
【写真5】右側面写真
【写真6】底面写真
被告製品目録
1製品名AzRocKⅡ742AL
物品の種類釣竿
2製品名AzRocKⅡ782AL
物品の種類釣竿
3製品名EGISPECIALⅢ802EL
物品の種類釣竿
4製品名TIERIASOLID-S481UL
物品の種類釣竿
5製品名TIERIAJr461ULSold
物品の種類釣竿
以上
被告製品物件説明書
1写真の説明
(1)被告製品目録記載1ないし5の各釣竿に装着されているガイド(導糸環)
のうちリングサイズが12のガイド
ア写真1斜視写真
イ写真2正面写真
ウ写真3平面写真
エ写真4左側面写真
オ写真5右側面写真
カ写真6底面写真
(2)被告製品目録記載1ないし5の各釣竿に装着されているガイド(導糸環)の
うちリングサイズが16のガイド
ア写真7斜視写真
イ写真8正面写真
ウ写真9平面写真
エ写真10左側面写真
オ写真11右側面写真
カ写真12底面写真
(3)被告製品目録記載1ないし5の各釣竿に装着されているガイド(導糸環)の
うちリングサイズが25のガイド
ア写真13斜視写真
イ写真14正面写真
ウ写真15平面写真
エ写真16左側面写真
オ写真17右側面写真
カ写真18底面写真
なお,上記各写真は,代表的な形状を示すものであって,リング,フレームの
大きさや比率はサイズ(釣竿に装着される位置)により異なっている。
2製品の構成及び形状の特徴
(1)被告釣竿の構成
被告釣竿の各釣竿には,釣竿に装着される位置に応じて大きさ等が異なる被
告ガイドが単体又は複数装着されている。
(2)被告ガイドの構成
アガイドリングと,それを保持するフレームと,フレームの下部の前方(左
側)に,軸方向と並行に延びた足部を有し,足部は,フレームの左右の両端
やや下側から略弓状のやや大きく曲線を描きながら傾斜している左右一対
の脚部によりフレームと一体的に形成されている。
イ平面及び底面から見て,脚部の形状が略U字状となっている。
ウ正面から見て,足部から立ち上がった脚部が後方(右側)に曲線を描きな
がら傾斜し,同方向にやや緩やかに傾斜しているフレームの中央やや下側と
つながって,脚部とフレームが「く」の字状の2段傾斜となっている。
エ前方足部は,やじり型状となっている。
(3)被告ガイドの形状の特徴
正面から見て,足部から立ち上がった脚部が後方(右側)に曲線を描きなが
ら傾斜し,同方向に傾斜しているフレームの中央やや下側とつながって,脚部
とフレームが「く」の字状の2段傾斜となっている点を特徴とするガイド。
以上
【写真1】斜視写真
【写真2】正面写真
【写真3】平面写真
【写真4】左側面写真
【写真5】右側面写真
【写真6】底面写真
【写真7】斜視写真
【写真8】正面写真
【写真9】平面写真
【写真10】左側面写真
【写真11】右側面写真
【写真12】底面写真
【写真13】斜視写真
【写真14】正面写真
【写真15】平面写真
【写真16】左側面写真
【写真17】右側面写真
【写真18】底面写真

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