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平成28年2月5日判決言渡同日原本領収裁判所書記官
平成26年(ワ)第29417号不正競争行為差止等請求事件
口頭弁論終結日平成27年12月16日
判決
原告株式会社ビリーブ
同訴訟代理人弁護士牧山美香
同弁理士佐藤英昭
被告スケーター株式会社
同訴訟代理人弁護士鳥山半六
同弁理士中野収二
主文
1原告の請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
1被告は,別紙被告商品目録1ないし20記載の製品を製造し,販売してはな
らない。
2被告は,別紙被告商品目録1ないし20記載の製品を廃棄せよ。
3被告は,原告に対し,100万円及びこれに対する平成26年12月9日か
ら支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4訴訟費用は,被告の負担とする。
5仮執行宣言
第2事案の概要
1本件は,別紙1の上段の番号1ないし34の商品及びこれらの各商品に別紙
2のようにケースを付属させた形態を有する練習用箸(商品名「エジソンのお
箸」。以下,原告が販売しているこれらの「エジソンのお箸」を総称して「原
告商品」といい,別紙1の上段の各商品を,その付された番号に従って「原
告商品1」ないし「原告商品34」という。)を販売する原告が,別紙被告商
品目録1ないし20記載の商品(商品名「デラックストレーニング箸」。以下,
これらを総称して「被告商品」という。)を製造・販売する被告に対し,原告
商品の形態は周知な商品等表示であるところ,被告商品がこれと同じ形態を有
しており,混同が生じる蓋然性が高いと主張して,不正競争防止法(以下「不
競法」という。)3条1項,2項に基づき,被告商品の製造・販売の差止め及
び廃棄を求めるとともに,民法709条・不競法5条1項に基づいて,損害金
2800万円のうち100万円及びこれに対する不法行為の後の日である平
成26年12月9日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5
分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
2前提事実(証拠等を掲げていない事実は当事者間に争いがない。)
(1)当事者
ア原告は,平成18年6月2日に設立された,ベビー用品の輸入及び製
造販売を目的とする株式会社である。原告は,設立以来,原告商品を含
め練習用箸「エジソンのお箸」を販売している。(甲43)
イ被告は,昭和25年2月24日に設立された,「プラスティック製品の
製造販売各種」等を目的とする株式会社である。
(2)エジソンのお箸の販売等
ア「エジソンのお箸」は,一対の箸が連結されている連結箸であって,
1本の箸は人差指と中指をそれぞれ入れる二つのリングを有し,他方の
1本は親指を入れる一つのリングを有する練習用箸である。「練習用箸」
とは,基本的には幼児期に,正しい箸の持ち方を覚えるために使用する
ものであり,「しつけ箸」などと呼ばれることもある。(甲2,80,
85,弁論の全趣旨)
イ「エジソンのお箸」は,株式会社ケイジェイシー(以下「ケイジェイ
シー」という。)が製造・販売するベビー用品の「エジソンシリーズ」
の一つである。ケイジェイシーは,平成15年9月,「エジソンのお箸」
の販売を開始した。なお,ケイジェイシーは,平成16年2月6日に登
録された商標「エジソンのお箸」の商標権者である。(甲85,88,
乙2の1・2,乙13の3)
ウケイジェイシーが平成26年度に製造,出荷した「エジソンのお箸」
のうち,約50%が原告を経由して卸売業者に流通しており,約49%
は,ケイジェイシーが大手小売店に直接販売し,0.34%は,ケイジ
ェイシーが卸売業者に直接販売した。(甲67)
エ原告が「エジソンのお箸」の名称で販売している原告商品は,全て「一
対の箸が上端部若しくは中央より上端側の部分において連結されたいわ
ゆる連結箸であって,うち1本の箸は人差指と中指をそれぞれ入れる二つ
のリングを有し,他方の1本は親指を入れる一つのリングを有する」とい
う形態(以下「原告商品形態」という。)を有している。(甲2,80,
85)
(3)被告商品の販売
被告は,被告商品を製造・販売している。
3争点
(1)原告が不競法2条1項1号の「他人」に当たるか
(2)原告商品形態が「商品等表示」に当たるか
(3)損害発生の有無及びその額
第3争点に関する当事者の主張
1争点(1)(原告が不競法2条1項1号の「他人」に当たるか)について
〔原告の主張〕
(1)原告は,自らの判断と責任において主体的に,原告商品を市場に置き,
あるいは営業行為を行うなどの活動を通じて,需要者たる卸売業者の間に
おいて,原告商品に化体された信用の主体として認識されている。
(2)原告は,原告商品の総販売元として平成18年6月2日に設立された法
人であり,同日,ケイジェイシーから,登録商標である「エジソンのお箸」
の通常使用権を付与された。原告商品の製造・販売の役割分担は,「エジ
ソンのお箸」の商品化権及び商標権を有するケイジェイシーが原告商品を
製造し,原告が自らの判断と責任において営業・展示活動を行い,原告商
品を市場に置くという枠組みになっている。原告商品にはケイジェイシー
が「発売元」と表示されているものの,原告はいわゆる「販売元」に当た
り,原告商品には,原告を「販売元」として表示しているものがある。原
告は単なる卸売業者ではなく,「エジソンのお箸」の販売促進に大きく貢
献しており,原告が,「販売元」として,販売手法や流通・販売ルートを
開拓し,確立した結果,しつけ箸といえば「エジソンのお箸」であるとの
名声,評価を確立した。原告は,小売店の棚割を仕切り,売り場のレイア
ウト提案を行うなどの販売促進活動を積極的に行い,卸売業者からの要望
をケイジェイシーに伝えて商品開発に参画し,原告は,ケイジェイシーと
「エジソンのお箸」の持つ出所識別機能・品質保持機能及び顧客吸引力を保
護発展させるという共通の目的のもとに事業を展開している。
(3)たしかに現在においては,ケイジェイシーが原告を介さずに直接「エジ
ソンのお箸」を販売する取引が50%弱を占めるが,販売開始当初は,ケ
イジェイシーは一切の販路を持っていなかったから,原告の貢献がなけれ
ば,「エジソンのお箸」は日本国内において一切流通しなかった。そうす
ると,原告商品形態に化体した出所識別機能・品質保証機能及び顧客吸引
力のうち,卸・流通等の取引者間のそれは,第一義的には原告に帰属する。
すなわち,原告商品形態に化体した出所識別機能・品質保証機能及び顧客吸
引力は,製造元であるケイジェイシーと原告との何れにも帰属するものであ
り,より正確にいえば,最終需要者の間における出所識別機能・品質保証機
能及び顧客吸引力は製造元であるケイジェーシーに帰属する比重が高く,
卸・流通等の取引者間における出所識別機能・品質保証機能及び顧客吸引力
は発売元である原告に帰属する比重が高いといえる。なお,原告は,最終需
要者に対する直販は行っておらず,原告の販売先は,13ないし15社程
度の卸売業者である。また,ケイジェイシーの原告以外の販売先はほとん
どが大手小売店であって,ケイジェイシーが原告以外の卸売業者に販売す
る割合はわずか0.34%である。
そして,不競法2条1項1号所定の「需要者」には,取引業者も含まれ
る。本件の不正競争は,同一卸売業者に対する原告と被告の競業状態の枠
組みにおけるものであり,原告は,その需要者たる卸売業者向けの宣伝・
広告・販売促進活動において原告の名称のもとに原告商品を掲載し,出荷
時にも原告の名称を記載している。原告商品の商品等表示に化体した原告
に対する卸売業者からの信用・信頼を保護する必要がある。
(4)判例(最高裁判所昭和59年5月29日判決)も,旧不正競争防止法1条
1項1号所定の「他人」には,「特定の表示に関する商品化契約によって結
束した同表示の使用許諾者,使用権者及び再使用権者のグループのように,
同表示の持つ出所識別機能,品質保証機能及び顧客吸引力を保護発展させる
という共通の目的のもとに結束しているものと評価することのできるよう
なグループも含まれるものと解するのが相当」であり,旧不正競争防止法1
条1項柱書所定の「営業上の利益を害されるおそれがある者には,周知表示
の商品化事業に携わる周知表示の使用許諾者及び許諾を受けた使用権者で
あっても,同項一号又は二号に該当する行為により,再使用権者に対する管
理統制,周知表示による商品の出所識別機能,品質保証機能及び顧客吸引力
を害されるおそれのある者も含まれるものと解するのが相当である。」と判
示する。
本件についてみると,原告は「エジソンのお箸」の商標の使用権者であり,
「営業上の利益を害されるおそれがある者」に含まれる。また,原告は単な
る卸売業者ではなく,原告商品の商品等表示の持つ出所識別機能,品質保証
機能及び顧客吸引力を保護発展させるという共通の目的のもとに設立され
た会社であると同時に,原告商品の周知・著名性の獲得は全て原告の営業努
力によるものであるから,原告は単なる「商品を仕入れて販売する者」では
なく,原告商品を初めて流通ルートに乗せて市場に置き,弛まぬ営業努力に
よって原告商品の商品形態について周知・著名性を獲得した当事者そのもの
である。そして,卸・流通等の取引者間における原告商品の形態に化体した
出所識別機能・品質保証機能及び顧客吸引力は,製造元であるケイジェイシ
ーに比して販売元である原告に帰属する比重が高いから,本件において,原
告商品にかかるグッドウィルをより獲得しているのは原告であるといえ,原
告が,不競法2条1項1号の「他人」に該当することは明らかである。上記
判例も,商品等表示の信用の主体を,商品の企画者・開発者に限定しておら
ず,販売者や販売代理店も信用の主体たりえるものとしている。
(5)被告の主張に対する反論
我が国の問屋・卸売業者は,単に商品を右から左に流すだけではなく,
取扱商品について厳しい品質管理を行い,品質を保証する。その結果,小
売店や取引者は,問屋・卸売業者に信用を寄せ,出所表示機能・品質保証
機能及び顧客吸引力を具備した信用・信頼が問屋・卸売業者に帰属する。
そして,本件でも,原告が行った原告商品の広告・宣伝の規模や内容,
品質保証表示のあり方や取扱い割合,取扱い数量及び原告商品の商品等表
示が原告のものとして流通業者・取引業者に認識されていること等に照ら
し,原告商品の商品等表示が,原告のものとして,需要者である卸売業者
に認識されていることは明らかである。
〔被告の主張〕
(1)不競法2条1項1号の「他人」とは,自らの判断と責任において当該商
品等表示を自己の商品であることを示すために表示する者をいう。
『製造元・発売元→卸売業者→小売業者→需要者』のように市場を流通する
商品の出所は,一般的には製造元・発売元であり,特段の事情がない限り,
卸売業者や小売業者が商品の出所になり得ることはなく,このことは,取引
の経験則から明らかである。例えば,よくある事例として,ある会社が自己
の商品等表示によりブランド品等の商品を製造・販売するに際し,商社等に
独占的に販売させることにより,当該商社等の努力により周知性を獲得する
ことがあるが,その場合,当該商品等表示の主体及び商品の出所になり得る
者は,あくまでも商品等表示を自己のものとして表示した製造元・販売元で
あり,供給された商品の販売を行う商社等は,周知性を獲得するために協力
した協力者にすぎない。まして,商社等が複数存在し,非独占的に商品が販
売されている場合において,そのうちの1社が製造元・発売元により付され
た商品等表示の主体や商品の出所になり得ると解すべき余地はない。
(2)本件では,原告商品は,ケイジェイシーが企画・製造・卸を行っている「エ
ジソンシリーズ」の一つである「エジソンのお箸」であり,原告ではなくケ
イジェイシーの商品であって,その形態は,ケイジェイシーがその判断と責
任において企画し開発したものである。そして,原告商品には,常にケイジ
ェイシーの出所を表示する「エジソンのお箸」の登録商標が表示され,しか
も,商品パッケージにケイジェイシーを発売元として表示して販売されてい
る。原告商品の商品パッケージには,販売元,発売元その他いずれの箇所に
おいても原告の名称は表示されておらず,原告は,パンフレットにおいて,
自らを「販売代理店」と表示している。
したがって,原告商品の出所はケイジェイシーであり,原告商品の形態に
化体する業務上の信用ないしグッドウィルがあるとすれば,それは全てケイ
ジェイシーに帰属する。需要者が,原告商品の商品等表示に化体された信用
の主体として認識するのは,ケイジェイシーであり,原告は,ケイジェイ
シーの取引先の一つであって,販売代理店にすぎない。そして,ケイジェ
イシーの下流には,原告以外にも多数の卸売業者ないし販売代理店が存在
しているし,ケイジェイシーは,製造だけでなく,自らも小売店に卸し,
展示会に出展するなどの販売促進活動をしている。
(3)原告のような卸売業者がその営業努力により商品の販売促進に貢献した
としても,その結果,卸・流通等の取引者から得られる信用は,商品の安定
供給やアフターサービスといった営業上の信用であり,当該商品の出所表示
機能や品質保証機能を有する商品等表示から得られる信用ではない。
商品等表示から得られる信用が誰に向けられているかは,当該商品等表示
が何人のものとして認識されているかによって判断されるものであり,この
ことは卸・流通等の取引者であれ,最終需要者であれ変わるものではない。
卸・流通等の取引者は,必要な商品について営業上の信用を寄せる卸売業者
から購入するが,当該卸売業者が代理店である場合,当該商品の商品等表示
を当該卸売業者のものと認識しているわけではない。当該商品の商品等表示
に対する信用は,あくまでも当該商品等表示の内容や態様,当該商品の広告・
宣伝の規模や内容,品質保証表示のあり方等から当該商品等表示の主体であ
ると認識される者に寄せられることになる(東京高等裁判所平成16年11
月24日判決・ファイアーエムブレム事件参照)。
(4)原告は,最高裁判所昭和59年5月29日判決の判示事項を引用して,本
件において,原告に商品等表示の主体性が認められる一つの根拠としている。
しかしながら,そもそも同最高裁判決の事案は,米国のナショナル・フット
ボール・リーグ所属のチームの名称及びシンボルマーク30種(以下まとめ
て「本表示」という。)の管理のために設立された会社(以下「X1」とい
う。)から,本表示に関する使用許諾を受けたわが国の会社(以下「X2」
という。)が,X1と業務提携して本表示の商品化事業を企画し,一業種一
社と定めて19社との間で再使用許諾契約を締結し,再使用権者に厳格な品
質管理の義務を課すなどして(したがって,再使用権者は,同一又は類似の
商標に基づいて,それぞれ各自の商品を販売している。),X1及びX2と
再使用権者からなるグループにより本表示の商品化事業を推進した結果,本
表示が同グループの商品表示又は営業表示として広く認識されるに至った,
という事案である。
これに対して,本件は,原告がケイジェイシーの代理店として本件商品を
販売し,エジソンのお箸を含むエジソンブランドに化体する信用の主体をケ
イジェイシーとすることを意図しており,本件商品等表示が原告とケイジェ
イシーを一体としたグループの商品表示又は営業表示として広く認識される
に至った事案ではない。
前述のとおり,原告は,ケイジェイシーの商品である原告商品をケイジェ
イシーから仕入れて販売しているのであり,つまり,仕入れた時点で商標権
が消尽した真正商品をそのまま再販売しているにすぎないから,仮に,ケイ
ジェイシーから原告に商標使用権が許諾された事実があるとしても,原告が
その使用権を行使しているわけではなく,原告とケイジェイシーとの間に上
記最高裁判決の事案のようなグループ関係は存在していない。
したがって,前述の最高裁判決にいうところのグループに特定の表示に使
用許諾権者が含まれる事実のみを捉えて,原告に商品等表示の主体性が認め
られる根拠とすることはできない。
(5)なお,「エジソンのお箸」に関しては,別訴において,ケイジェイシーが
被告に対し,不競法2条1項1号違反を理由に不正競争行為の差止めを求め
ていたが,ケイジェイシーの請求は棄却され,確定している。
2争点(2)(原告商品形態が「商品等表示」に当たるか)について
〔原告の主張〕
(1)原告商品は,「一対の箸が上端部又は中央より上端側の部分において連
結されている連結箸であって,1本の箸には人差指と中指を入れる二つのリ
ングを有し,他方の1本には親指を入れる一つのリングを有する」という形
態上の特徴を有しており(原告商品形態),これが,原告商品の商品等表示
に当たる。
(2)練習用箸には,一対の箸を連結した連結箸や,箸を持つ指を置く位置を
示す凸凹を設けたり,指を入れるリングや半円状のガイドを設けたものな
ど,様々な形態があるが,原告商品と同じ形態上の特徴を備えた商品は,
被告商品を除いて市場に流通していない。
そして,原告は,設立以来平成25年までに,原告商品を242万15
04個販売しており,その売上金額は12億4160万円であるところ,
同年において日本全国に2ないし5歳児は421万人いるから,その2.
2人に1人が原告商品を使用しているという状況にあり,2ないし5歳児
の全員が練習用箸の使用者であるものではないことからすると,原告商品
は圧倒的な市場占有率(少なくとも90%)を有しているといえる。一般
小売店における練習用のカトラリー及び箸の陳列スペースをみると,原告
商品がかなりの面積を占めている。また,原告は,原告商品について,展
示会へ出展したり,業界紙における特集記事及び広告の掲載といった広
告・宣伝活動をしている。
以上により,原告商品形態が,需要者である卸売業者の間に広く知られ,
取引上,出所表示機能を有するに至っている。
(3)商品等表示該当性は「同種商品に共通してその特有の機能及び効用を発
揮するために不可避的に採用せざるを得ない形態か否か」で判断されるべ
き(東京高等裁判所平成13年12月19日判決・ルービックキューブ事
件参照)であるところ,「正しい箸の持ち方を覚えさせるために使用する
という練習用箸の目的とする機能」を発揮させるには,様々な形態があり,
原告商品と異なる形態の練習用箸が多数存在するから,原告形態は不可避
的に採用せざるを得ない形態ではない。現に,練習用箸には,連結箸では
ないもの,リングを使用せずに突起部材,指を載せる部材,バネなどを使
用しているもの,リングの個数が異なるものなどが存在している。
被告は,原告商品の機能ないし効用を「指を入れる(挿入する)」もの
と捉えた場合,その形態は「リング」以外にあり得ないと主張しているが,
失当である。仮に,原告商品の機能ないし効用を被告が主張するとおりに
解したとしても,「指を入れる(挿入)」には,「リングよりも幅の広い
円筒形の筒」や「指サックのような指受け」という形態でもよく,原告商
品形態は複数ある選択肢の中から選択され,採用された形態であるから,
不可避的に採用せざるを得ない形態ではないことは明らかである。
〔被告の主張〕
(1)商品形態は,本来,商品の機能や外観美等を目的とするものであるから,
商標等のように自他商品を識別し,商品の出所を表示する目的で商品に表さ
れるものではない。しかしながら,①特別顕著性を有する場合は,「自他商
品識別力」を備えており,更に,②周知性を有する場合は,商品の「出所表
示機能」や「品質保証機能」を実際に営み,当該商品形態に「営業上の信用
ないしグッドウィル」を化体するので,商品形態としての本来の意味を超え
る二次的意味を有する限りにおいて「商品等表示」に該当する。
(2)本件についてみると,練習用箸に指を挿入するためのリングを設けること
は,古くからある常識的形態であって,原告商品形態には特別顕著性がない。
「エジソンのお箸」には,人気キャラクタを描いた円板や立体的キャラクタ
が付されており,これが顧客の購買意識を強く刺激しているのに対し,原告
商品形態は抽象的であり,顧客が,付された円板や立体的なキャラクタを認
識することなく,原告が商品等表示であると主張する形態部分だけを独立し
た商品形態として認識することはない。そうすると,顧客(最終需要者のみ
ならず,卸売業者,小売業者等の中間業者を含む。)が,原告商品形態から,
原告の商品であると認識することはできないから,原告商品形態は商品等表
示に当たらない。
(3)また,商品の実質的機能を達成するための構成に由来する形態は,商品等
表示には該当しないと解すべきである。
本件についてみると,箸の正しい使用方法は,使用者の親指を一方の箸の
所定位置に添わせ,他方の箸の所定位置に人差指と中指を添わせた状態で,
箸の先端部の反対側の端部を支点として親指,人差指及び中指の指先の動き
により箸の先端部を開閉させる,というものである。このような箸の正しい
使用方法を習得させるためには,練習用箸に親指,人差指及び中指を各々正
しい位置に添わせる構成や箸の先端部の開閉を円滑に行うために支点を安定
させる構成が必要となる。
原告商品形態のうち,「連結箸」は,2本の箸を分離しないように連結す
るという商品の機能に止まるものであり,形態ではない(因みに,「エジソ
ンのお箸」の商品は回動自在に連結しているが,原告はどのように連結して
いるかを特定していない)。また,一方の箸の「二つのリング」は,「人差
指と中指を入れる」ためのものであり,他方の箸の「一つのリング」は,「親
指を入れる」ためのものであるから,これらのリングは,まさしく,指を入
れるという機能だけを達するための技術的構成である。また,本件の形態に
おける機能ないし効用は「指を入れる(挿入する)」点にあるところ,その
形態は「リング」以外にあり得ないから,原告商品の形態のうち三つのリン
グの部分は,「指を挿入するという実質的機能を達成するための構成に由来
する不可避的形態」に外ならない。
したがって,原告商品は練習用箸の実質的機能を達成するための構成に由
来する形態のみからなるので,不競法2条1項1号の商品等表示には該当し
ない。
なお,「練習用箸」であることは,商品の用途ないし目的であって,機
能ではないから,原告の主張は失当である。
3争点(3)(損害発生の有無及びその額)について
〔原告の主張〕
(1)被告は,遅くとも平成25年1月頃から,被告商品の販売を開始しており,
現在までに少なくとも10万本の被告商品を販売した。原告商品1本当たりの
平均的な利益額は250円(平均単価1000円,平均利益率約25%)であ
るから,不競法5条1項により,原告の損害額は,次のとおり,2500万円
と推定される。
被告販売数量10万本×原告単位利益250円=2500万円
(2)また,本件訴訟に係る弁護士・弁理士費用は,その事案の複雑性を考慮すれ
ば300万円をくだらない。
(3)そうすると,原告の損害額は合計2800万円であるが,その一部の100
万円を請求する。
〔被告の主張〕
否認ないし争う。
第4当裁判所の判断
1前記第2,2の前提事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下
の事実が認められる。
(1)原告商品の販売等
ア原告商品は,ケイジェイシーが製造・販売する練習用箸である。ケイ
ジェイシーは,平成15年9月,「エジソンのお箸」の名称で原告商品
1ないし4の販売を開始した。
ケイジェイシーは,同年8月21日,商品の区分及び指定商品を「第
21類はし」として,「エジソンのお箸」の商標登録出願をし,平成
16年2月6日,商標登録を得た。
ケイジェイシーは,平成18年4月,原告商品5ないし7の発売を開
始した。(甲85,乙2の1・2)
イ原告は,平成18年6月2日に設立され,以後,ケイジェイシーから
原告商品を仕入れて,卸売業者に対して販売している。原告は,平成2
0年8月から平成26年7月までの間に,原告商品を含む「エジソンの
お箸」を242万2121本販売し,その売上金額は12億4180万
8698円であった。
原告が原告商品を販売した取引先は主に卸売業者であり,その数は1
3ないし15社である。原告の取引先は,原告に対し,発注書により,
商品コード,商品名,数量を指定して原告商品を発注する。原告は,原
告商品を,ケイジェイシーの名称のほかに,販売元として原告の名称が
記載された外箱に詰めて,取引先に出荷している。(甲18,24,5
6,甲57ないし60〔枝番を含む。〕)
ウケイジェイシーは,「エジソンのお箸」の販売開始当初,ベビー専門
店に対する販売を開始したものの,卸売業者に対する販路は有しておら
ず,卸売業者との取引はなかった。そこで,ケイジェイシーは,卸売業
者との間の取引を原告に委ねることとし,原告を通じ,卸売業者に対す
る販売を行った。(甲25〔枝番を含む。〕,43,66)
エケイジェイシーは,平成21年1月,原告商品8ないし11の販売を
開始し,平成23年11月には,原告商品12及び13,平成24年3
月には,原告商品14ないし17の販売を開始した。ケイジェイシーは,
被告商品の販売開始後である平成25年3月,原告商品18ないし20
の販売を開始し,平成26年9月,原告商品21ないし34の販売を開
始した。(甲85)
オケイジェイシーが平成26年度に製造・販売した原告商品のうち,約
50%が原告を経由して卸売業者に流通しており,約49%はケイジェ
イシーが大手小売店に直接販売し,0.34%はケイジェイシーが卸売
業者に直接販売した。
カ原告商品の商品パッケージには,発売元としてケイジェイシーが表示
されているが,原告商品の中には,加えて,販売元として,株式会社西
松チェーンが表示されているものがある。(乙3の1・2)
(2)原告商品の宣伝等
ア原告は,自らの商品カタログ(甲2)に,「エジソンのお箸」の名称で
原告商品を掲載しており,同カタログには,原告は「販売代理店」である
旨記載されている。原告は,平成20年から平成26年にかけて,ウェル
ネスフェスタ2013AUTUMN,同2014SPRING,同20
14AUTUMN,ピップトウキョウ株式会社主催の藤信会展示会など
の展示会に出展し,原告商品を展示した。原告は,平成22年4月25日
付け日本医療衛生新聞に,自らを発売元と表示して,「エジソンのお箸」
の名称で一部の原告商品の広告をした。原告は,平成24年4月25日付
け日本医療衛生新聞に,自らを販売元,ケイジェイシーを発売元と表示し
て,「エジソンのお箸」の名称で一部の原告商品の広告をした。原告は,
平成25年4月25日付け日本医療衛生新聞に,自らを販売元,ケイジェ
イシーを製造・発売元と表示して,「エジソンのお箸」の名称で一部の原
告商品の広告をした。原告は,平成27年4月25日付け日本医療衛生新
聞に,自らを販売元と表示して,「エジソンのお箸」の名称で一部の原告
商品の広告をした。(甲2,33ないし42,44,45,66)
イケイジェイシーは,原告商品について,自らのホームページに掲載し,
また,自社の総合カタログに掲載して宣伝しており,同カタログには,ケ
イジェイシーが「製造・発売元」である旨記載されている。ケイジェイシ
ーは,東京インターナショナル・ギフト・ショー春2013,同秋201
4,同春2015などの展示会に出展し,原告商品等の展示をした。(乙
1,6ないし8,13〔いずれも枝番を含む。〕)
(3)被告商品の販売等
被告は,平成24年6月,被告商品の販売を開始したが,この時点まで
に販売されていた原告商品は,原告商品1ないし17であった。
(4)ケイジェイシーと被告との間の訴訟
アケイジェイシーは,被告を相手方として,原告商品1ないし17の形態
(①親指を挿入する親指用リングを有する第1箸部材と,②人差し指及び中
指を挿入する二つのリングを有する第2箸部材と,③第1箸部材及び第2
箸部材の上部に配置された装飾④を有する練習用箸。)が不競法2条1
項1号の商品等表示に当たるところ,被告が製造・販売する別紙1下段の
各商品(被告商品を含む。以下「被告商品等」という。)の形態が,上記
商品等表示と類似しており,ケイジェイシーの商品と混同を生じさせると
主張して,同法3条1項,2項に基づき,被告商品等の製造販売の差止め
及び廃棄を求める訴えを提起した(大阪地方裁判所平成25年(ワ)第2
464号特許権侵害差止等請求事件)。
大阪地方裁判所は,平成25年10月31日,上記原告商品1ないし1
7の形態は,商品等表示に当たらないと判断して,ケイジェイシーの請求
を棄却した。(乙4の1)
イケイジェイシーは,上記アの判決に不服があるとして控訴したが,知的
財産高等裁判所は,平成26年4月24日,控訴棄却の判決を下し,同判
決は確定した。(乙4の2・3)
2争点(1)(原告が不競法2条1項1号の「他人」に当たるか)について
(1)不競法2条1項1号は,他人の商品等表示として需要者の間に広く認識さ
れているものと同一又は類似の商品等表示を使用等することで,他人の商品
又は営業と混同を生じさせる行為を規制している。同号の規定は,他人の周
知な商品等表示と同一又は類似な表示を使用して需要者を混同させ,当該表
示に化体した他人の信用にただ乗りして顧客を獲得する行為を禁止し,もっ
て公正な競業秩序の維持,形成を図ろうとするものであり,同号の「他人」
とは,自らの判断と責任において主体的に,当該表示の付された商品を市場
に置き,あるいは営業行為を行うなどの活動を通じて,需要者の間において,
当該表示に化体された信用の主体として認識される者をいうと解される。
(2)これを本件についてみると,原告が商品等表示であると主張する原告商品
形態を付した商品である原告商品は,ケイジェイシーが開発,製造,販売す
る商品であること,原告商品の商品パッケージには,発売元としてケイジェ
イシーが表示されていること,原告商品には,株式会社西松チェーンが販売
元として記載されているものもあること,ケイジェイシーが,原告商品を,
「株式会社ケイジェイシー総合カタログ」に掲載したり,展示会に出展する
などして,広告宣伝を行っていること及びケイジェイシーは,原告の設立前
から原告商品を製造,販売しており,販売開始当初から小売店に対する営業
を自ら行っていたことを総合的に考慮すると,需要者が消費者であるか卸売
業者であるかにかかわらず,仮に原告商品形態に商品等表示性があり,それ
に化体された信用が認められるとすれば,その主体は,ケイジェイシーであ
るというべきである。
(3)この点に関して原告は,本件における需要者は卸売業者であり,卸売業者
が,原告商品形態に化体された信用の主体として認識するのは原告であると
主張する。
しかし,原告商品が幼児用の練習用箸であること,製造元であるケイジェ
イシーが小売業者に直接販売する形態があるなど,前記認定の原告商品の流
通過程に鑑みれば,少なくとも原告商品の主たる需要者は消費者であるとい
うべきであるが,仮に原告が主張するように需要者を卸売業者のみとした場
合には,消費者が店頭で実際の商品を見て購入する場面とは異なり,卸売業
者は商品の仕入れ先を具体的に認識しているのが通常であり,しかも卸売業
者が商品を購入する際は,前記1(1)ウのとおり,商品名や商品番号によって
原告商品を識別して購入するのであって,商品の形態を見て原告商品である
ものと識別して商品を購入するなどということは通常考えられないから,卸
売業者との関係で,原告商品の形態が商品等表示に当たるということはでき
ない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(4)そして,前記1(2)アのとおり,原告は,販売元として,原告商品について,
日本医療衛生新聞に広告を出したり,展示会に出展したり,卸売業者向けの
パンフレット(甲2)を作成し,また,卸売業者に原告商品を納入する際は
外箱に原告を販売元として表示するなどしていることに加え,原告と直接又
は間接に取引をしている卸売業者が,原告商品を購入する際には原告から購
入する旨記載した報告書(甲70ないし79)を作成していることからする
と,上記卸売業者の間では,原告が,原告商品の販売元であると認識されて
いるということはできるものの,前記(2)のとおり,原告商品の商品パッケー
ジには原告は販売元として表示されておらず,むしろ原告以外の者を販売元
として表示しているものもあることからすると,需要者である消費者が,原
告を原告商品の販売元と認識していると認めることはできない。また,消費
者にとっては,一般に,商品そのものの品質や機能こそが重要なのであって
流通経路は重要ではなく,原告商品の中でも,原告という特定の流通経路を
経た原告商品に対し特段の信用を寄せて,原告を経由した原告商品を購入す
るなどということは想定しがたいし,そもそも,原告商品形態は,原告が販
売した原告商品に限らず,ケイジェイシーが販売する原告商品全てが有する
形態上の特徴であるから,消費者が原告商品形態に寄せる信用が,一部の流
通経路のみに関与する卸売業者である原告に帰属することはないというべき
である。
そうすると,原告の主張する諸事情を考慮しても,原告商品形態に化体し
た信用の主体が原告であるということはできない。
(5)原告は,最高裁判所昭和59年5月29日第三小法廷判決(最高裁判所民
事判例集38巻7号920頁)を引用して,原告とケイジェイシーが,本件
の商品等表示のもつ出所識別機能及び顧客吸引力等を保護発展させるという
共通の目的のもとに結束しているグループに当たるから,原告は不競法2条
1項1号の「他人」に含まれると主張する。
しかし,原告は,原告商品の50%を卸売販売している一業者にすぎず,
ケイジェイシーと原告が,原告商品の商品開発や宣伝・販売を共同して行う
などしていることをうかがわせる証拠はないから,原告が,原告商品の販路
拡大に尽力したことや商標「エジソンのお箸」の通常使用権を有しているこ
とを考慮してもなお,ケイジェイシーと原告が,原告商品形態という商品等
表示のもつ出所識別機能及び顧客吸引力等を保護発展させるという共通の目
的のもとに結束しているグループであると認めることはできない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(6)以上のとおり,原告は,不競法2条1項1号の「他人」に当たらない。
3争点(2)(原告商品の形態が「商品等表示」に当たるか)について
(1)原告は,原告商品形態が,商品等表示に当たると主張する。
不競法2条1項1号の「商品等表示」は,「人の業務に係る氏名,商号,
商標,標章,商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するもの」
をいう。商品の形態は,商標等とは異なり,本来的には商品の出所を表示す
る目的を有するものでないが,①商品の形態が客観的にほかの同種商品とは
異なる顕著な特徴を有しており(特別顕著性),かつ,②その形態が特定の
事業者によって長期間独占的に使用され,又は極めて強力な宣伝広告や爆発
的な販売実績等により,需要者においてその形態を有する商品が特定の事業
者の出所を表示するものとして周知になっている場合(周知性)には,商品
の形態自体が商品等表示に該当する場合もあると解される。
もっとも,実質的機能を達成するための構成に由来する不可避的な形態に
ついてまで,商品等表示として保護を与えると,同等の機能を有する複数の
商品間の自由な競争を阻害する結果となり相当でないから,実質的機能を達
成するための構成に由来する不可避的な形態については商品等表示に該当
しないというべきである。
(2)そこで検討するに,原告商品は,親指,人差し指及び中指をリングに挿入
して箸の使用に適した位置で固定するという機能並びに2本の箸を連結す
るという機能を有しており,これにより,箸の使用に習熟していない者が,
箸を安定させて,かつ,正しいとされる指の位置で箸を使用する練習ができ
るという作用効果を有するものであるといえる。そして,正しいとされる箸
の持ち方を前提にすれば,2本の箸に対してあるべき親指,人差し指及び中
指の位置関係は自ずと決まっているから,それらの指の位置関係を正しい位
置に固定するために指を通すリングを使用しようとすると,その位置関係及
び箸に対する傾きなども自ずと定まっているものと認められる。
そうすると,原告商品形態のうち,「一対の箸が上端部又は中央より上端
側の部分において連結されている連結箸」であることは,2本の箸を連結す
るという機能を達成するための構成に由来する不可避的な形態であり,また,
連結部位が一対の箸が上端部又は中央より上端側の部分であることは,箸と
して使用することからすれば当然の選択といえる。次に,「1本の箸は人差
指と中指をそれぞれ入れる二つのリングを有し,他方の1本は親指を入れる
一つのリングを有する」ことは,親指,人差し指及び中指をリングに挿入す
ることで正しいとされる箸の持ち方に適した位置で固定するという機能を
達成するための構成に由来する不可避的な形態であると認められる。
以上のとおり,原告商品形態は,全体として,指にリングを通すことによ
って正しいとされる箸の持ち方を練習するための練習用箸の実質的機能を
達成するための構成に由来する不可避的な形態というほかない。
(3)この点に関して原告は,原告商品の機能を「正しい箸の持ち方を覚えさ
せるために使用する」ことにあると主張するが,これは原告商品の用途であ
って機能とはいえない。
また,原告は,指を挿入するにはリングの他にも「箸に指サックのような
指受け」や「円筒形の筒」をつけるなどの複数の選択肢があるから,リング
は不可避的に採用せざるをえない形態ではないと主張するが,指の位置関係
を正しい位置に固定するためにリングを使用するということ自体は技術思
想又はアイデアであって商品の形態ではない上,箸そのものの形態及び使用
方法からして,指サックのような指受けや幅が広い円筒形の筒を箸に付ける
ことはおよそ現実的とはいえないから,原告の上記主張は採用することがで
きない。
(4)したがって,原告商品形態が商品等表示に当たるということはできない。
4結論
以上によれば,その余の点につき判断するまでもなく,原告の請求は理由が
ないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官
東海林保
裁判官
瀬孝
裁判官
勝又来未子

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