弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

平成19年7月24日決定
平成19年(む)第1303号
主文
検察官に対し,司法警察員作成の平成16年5月7日付け「本件事件の発覚
に至った際の関係者の行動及び時刻の特定に関する報告書」と題する書面
を開示することを命ずる。
本件のその余の請求を棄却する。
理由
第1請求の趣旨及び理由
本件請求の趣旨及び理由は,弁護人A作成の「証拠開示命令申立書」記
載のとおりであるが,その主張は,要するに,弁護人が,刑事訴訟法316
条の20に基づき,平成16年4月11日における本件現場建物付近の通行人の通
行状況等を記録したビデオの再生過程を記載した捜査報告書等の開示を請
求したところ,検察官は,その一部の証拠開示に応じなかったので,同法
316条の26第1項に基づき,証拠開示の命令を求めるというものである。
第2当裁判所の判断
1本件被告事件の公訴事実の要旨は,被告人が,平成16年4月10日午後
10時ころから翌11日午前10時45分ころまでの間に,東京都B区所在の被害
者方(以下「本件建物」という)で,金員強取の目的で,被害者を殺害し
たが,来訪者に発見されて逃走したため,金員強取の目的を遂げなかった
というものである。
そして,検察官は,被告人が単独で上記犯行に及んだと主張するのに対
し,弁護人は,被告人と共に本件建物を訪れた中国人男性(以下「共犯者」
という)が,被告人の知らぬ間に被害者を殺害し,先に逃走したなどと主
張して,被告人が被害者を殺害した事実を争っている。
そこで検討すると,関係記録によれば,同月11日における本件建物付近
の通行人の通行状況等を記録したビデオの再生過程を記載した捜査報告書
等としては,既に検察官から弁護人に開示されたもののほか,司法警察員
作成の同年5月7日付け「本件事件の発覚に至った際の関係者の行動及び時
刻の特定に関する報告書」(以下「本件証拠(1)」という)及び同年7月3
日付け「動画映像ビデオ作成報告書」(以下「本件証拠(2)」という)と題
する各書面が存在することが認められる。
そして,本件証拠(1)は,被告人が本件建物から逃走したとされる同年4
月11日午前10時45分から間もない同日午前11時00分ころから同日午前11時
47分ころまでの間に,本件建物内及びその付近に設置された防犯カメラで
撮影した画像を解析したものと認められるところ,被告人と別れた共犯者
が何らかの理由で本件建物付近に戻ってきた可能性がある旨の弁護人の指
摘を踏まえると,弁護人の主張との間に関連性があると認められ,共犯者
の存否が本件の中心的争点である以上,被告人の防御の準備のために本件
証拠(1)を開示する必要性は高いといえる。これに対し,検察官は,上記証
拠を開示した場合の弊害について,本件と無関係な住民らの名誉,プライ
バシー等が不必要に侵害され,ひいては国民からの捜査への協力を得るこ
とも困難になることなどを指摘するが,それらの指摘を考慮しても,本件
証拠(1)を開示するのが相当というべきである。
他方,本件証拠(2)は,同月10日午後11時01分ころから翌11日午前3時25
分ころまでの間に,被害者方建物付近に設置された防犯カメラで撮影した
画像を解析したものと認められるが,弁護人の主張によっても,共犯者と
被告人が落ち合った時刻は同日午前6時ころというのであるから,その数時
間前に撮影された映像に係る本件証拠(2)は,弁護人の主張と関連せず,被
告人の防御の準備のために開示する必要性があるとはいえない。したがっ
て,本件証拠(2)については,開示するのが相当とは認められない。
2以上のとおりであるから,刑事訴訟法316条の26第1項前段に従い,主
文のとおり決定する。
(裁判長裁判官・髙橋徹,裁判官・大村陽一,裁判官・郡司英明)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛